中国、恐るべし。リオ・パラリンピック、16日現在、金94個、メダル総数217個なのですから。
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【パラリンピック】中国メダル量産、4大会連続トップへ 国営メディアほとんど伝えず
リオデジャネイロ・パラリンピックで、中国選手団の金メダルラッシュが止まらない。16日現在で金94個を含む217個のメダルを獲得。金メダル数、メダル総数ともに4大会連続でトップとなることは確実だ。ただ、中国国内ではその活躍が伝えられることが少なく、五輪と異なる扱いをする国営メディアに批判が殺到している。
■躍進の背景
1984年に初めてパラリンピック(当時は世界車椅子競技大会)に参加した中国が、メダル数でトップに躍り出たのは、2004年アテネ大会だった。金メダルは前回シドニー大会の34個から63個に、メダル総数も73個から141個と激増した。
急激な躍進の背景には、08年北京大会の開催が決まってから、共産党政権が威信をかけて着手した国を挙げた強化策がある。
中国障害者連合会の郭建模理事長(当時)が03年、中国メディアに語ったところでは、それまで中国の障害者スポーツは「体力や苦しい練習に頼る種目」に集中していた。小型車並みに高価な競技用車いすは使えず、郭氏は「経費不足が障害者スポーツの発展を妨げていた」と述懐していた。
■選手の発掘
国家体育総局は障害者スポーツへの財政支援を拡大。8500万人ともいわれる中国国内の障害者の中から素質のある選手を発掘し、集中的に強化してきた。同連合会の統計では現在、中国の障害者選手は270万人を数える。日常的にスポーツに親しむ障害者も600万人に上る。
北京大会の直前には、約20の競技施設を備える世界最大の障害者用トレーニングセンターが完成。国内の練習拠点は約220カ所もある。かつては30人に満たなかった障害者スポーツの指導者の育成にも力を入れ、300人を超えるまでになった。
ある競泳コーチは「国が技術や用具、コーチや選手の育成に多くの資源を投じてくれた」と説明。国際パラリンピック委員会のクレーブン会長も、こうした中国方式を他の国・地域の「手本」と称賛する。
■国営TV中継なし
もっとも、手厚い支援を受けられる障害者は選ばれた選手に限られている。中国メディアは「多くの障害者は社会の底辺で生活している。健常者から遠ざけられ、軽蔑されている。多くは道端や地下鉄駅で物乞いをして、同情にすがって生きている」と指摘する。
選手についても、国際的なイメージアップにつながる強化は続けているものの、国営テレビは大会をほとんど中継していない。中国国民が選手の活躍を目にする機会は極めて少ない。
中国のインターネット上には「中国選手団は出色の活躍をしているのに、誰も知らない。彼らだって中国を代表している。彼らを平等に扱えないのか」といった意見が寄せられている。
サッカー強化を“国家事業”に位置づける習近平政権にとって、パラリンピックは対外的な宣伝材料に過ぎない。中国の障害者を取り巻く環境は、郭氏が「地位向上」を訴えた13年前から変わっていない。
軍隊式?努力の差? 中国、金90個超えの理由 パラ
朝日新聞 2016年9月17日12時36分
リオデジャネイロ・パラリンピックも終盤。獲得メダル数をみると、開催国・ブラジルを差しおいて、中国が圧倒的な存在感を放っています。現地時間16日夜(日本時間17日朝)の段階で、金メダルは94個(金銀銅の合計では217個)に達し、2位のイギリスの58個(同126個)に大きく差を付けています。強さの秘密は何なのでしょうか。競技場を歩いて、そのわけを探ってみました。
15日、陸上競技スタジアムであった表彰式では、高らかに耳慣れた国歌が響き渡りました。女子400メートル(車いす)リレーの中国チームがうれしそうに金メダルを掲げています。その約20分後。また、中国国歌が流れました。今後は、男子走り幅跳びで2人の中国人選手が1位と2位の表彰台に立っています。この日、中国は陸上競技だけで四つの金メダルを獲得しました。
中国の躍進に対して、日本の金メダル数は16日現在でゼロ。その差はどこにあるのでしょうか。
「まじめに努力しているからです」。女子砲丸投げ(脳性まひ)で優勝した王君選手からはこんな答えが返ってきました。男子100メートル(脳性まひ)に続き、走り幅跳びでも優勝した胡鑑文選手は「努力の結果です。祖国を誇りに思います」。うーん、これでは具体的なことが分かりません。取材エリアにいた中国中央テレビのクルーが解説してくれました。
「軍隊式の管理をしているんです」。教えてくれた女性記者は以前、練習拠点を取材。休憩時間は少なく、休日でもほとんど家に帰らない選手もいるといいます。「外国の選手に比べたら本当に努力しています。意志の力が強く、だから優秀なんです」。食事も厳しく管理し、栄養価の高いものしか提供されないようです。
一緒にいた男性カメラマンは「挙国体制」が強さの理由だと指摘します。「日本は選手個人で練習していると思いますが、中国ではレベルの高い選手をよりすぐってトレーニングしている」。少しずつ強さの秘密が見えてきた気がします。
全競技の映像を撮影し、各国に配信する「オリンピック映像サービス(OBS)」の中国人カメラマンは、「あまり詳しくはないけれど」と前置きしたうえで、「中国は人口が多く、そして政府がスポーツの強化に力を入れているからです」といいます。実際に中国選手団は最多の309人。金メダルは水泳が35個、陸上競技が23個と存在感を示しています。地元ブラジルの報道では、中国側が選手を国際大会などには参加させないで「隠し持ち」、パラリンピックに突如現れて金メダルをとっていく、という内容のものまで出ています。
競技人口の多さを武器に、着実に力を付けてきた競技団体があります。車いすに座って戦う、車いすフェンシングです。2004年のアテネ大会では金メダルはわずか1個でしたが、自国開催の08年北京大会で6個に。リオ大会では9個の金メダルを獲得しました。
車いすフェンシング会場の喫煙スペースに、五星紅旗のワッペンを付けた男性がいたので声をかけてみました。すると、中国チームの凡虹監督でした。
話を聞くと、中国10省に車いすフェンシングのチームがあり国内の競技人口は約200人。一方、日本でパラリンピックをめざしている選手は10人ほどで、リオ大会へは1人も選手を派遣できませんでした。
どこから選手は集まってくるのでしょうか。凡監督は「地方出身の選手が多い。都会は障害がある人の割合が少ないけれど、地方は医療環境が悪く、おそらくそのあたりも影響している」といいます。
中国政府の全面的な支援も強化につながっているようです。08年の北京大会開催が決まると、健常者のナショナルチームのコーチもトレーニングに加わりました。また、練習施設が用意され、選手の食事や住まい、フェンシングの道具などの費用は政府がサポートしているようです。
2020年には東京で世界の強豪を待ち受ける日本。どうしたら競技レベルがあがるのでしょうか。凡監督は「日本だけでなく、海外も含めてハイレベルなコーチを招き、海外の大会にどんどん出場して経験を積んでいくことが大事です」とアドバイスしてくれました。まもなく、リオ大会は終わり、東京開催に向けたカウントダウンが始まります。(向井宏樹)
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身障者も健常者も、国家レベルで強化しないと、国際大会では結果が出ないということはわかりました。
それでよいのかという議論はさておき、中国のものすごさには、あの国らしいと批判したいところですが、シャッポを脱ぐしかありません。
一方、日本の金メダルは、ゼロ。この差をどのように理解したらよいのか。身障者スポーツのあり方を含めて、混乱している貧乏英語塾長なのでした。
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