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禁煙法、日本がロシアを唯一お手本にしてよいもの

2014年07月29日 05時35分58秒 | 離煙ニュース: 海外編

プーチンの唯一の(?)立派な政策です。

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連載:特派員リポート
(@モスクワ)喫煙大国ロシアの挑戦

朝日新聞 2014年7月29日00時00分

■特派員リポート 駒木明義(モスクワ支局長)

 マレーシア航空機撃墜事件をめぐり揺れるロシア。今回は、この悲劇からしばし離れて、ロシアの日常に最近起きた大きな変化についてお伝えしたい。

 世界で最もたばこを吸う国ロシアが、禁煙大国に向かって突き進もうとしている。

 今年6月1日に施行された新しい「禁煙法」で、たばこをめぐるロシアの風景は一変した。もともと喫煙にはとても寛容なお国柄だったのが、今やたばこ規制の厳しさは日本以上かもしれない。ロシアを訪問する予定がある喫煙者のみなさんは要注意だ。

 以下、最新事情を報告する。

 「すみません、たばこが吸える部屋を予約したいのですが…」

 「残念ながら、6月からホテル内の喫煙は全面的に禁止されております」

 「喫煙所はありますか?」

 「ホテル内にたばこを吸えるスペースはございません

 日本からの外交団もよく利用するモスクワ中心部の高級ホテルに電話で問い合わせたところ、こんな返事が返ってきた。

 高級ホテルだけではない。ロシアでは、すべてのホテルが全面禁煙となった。先日東京から出張してきた愛煙家の同僚記者が宿泊したホテルもそう。「どこで吸ったらいいのか」と尋ねたところ、建物入り口から少し出たところにある屋外の茂みの中で吸うようにと言われたという。今はまあ快適だが、零下20度を下回ることもある冬は大変そうだ。

 レストランや喫茶店も全面禁煙だ。5月までは、店に入ると「たばこを吸いますか、吸いませんか」と尋ねられた。店内は形だけは禁煙席と喫煙席に分かれていたのだが、仕切りなどはなく、煙は禁煙席にも漂ってきた。

 それが今や、飲食店内では一切吸うことができなくなった。念のために入り口に禁煙マークを掲げた店も多い。

 かつては喫煙場所の定番だったアパートの入り口や階段。鉄道駅、市場、教育機関、スポーツ施設、職場などでも、軒並み喫煙が禁じられた

 屋外であっても、例えば鉄道駅や地下鉄駅の入り口から15メートル以内は禁煙だ。

 たばこの売り方も6月1日から大きく様変わりした。

 モスクワのスーパーでは以前、レジの上に大きな透明のケースがあり、中にぎっしりとたばこが並んでいた。日本のコンビニとよく似た光景だ。

 しかし、6月から、たばこの現物を店頭に並べることが禁じられた。レジの上の透明なケースは、金庫のような中の見えないケースに取り換えられた。たばこを買いたい人は、自分で覚えている銘柄を店員に伝えなくてはならない。ネット販売でも、たばこの箱の写真を掲載するのはご法度だ。ロシア人がたばこを買う場所として最もポピュラーだった「キオスク」と呼ばれる小さな売店でのたばこ販売も禁じられた。

 たばこの害を説く公共広告も過激だ。最近モスクワでよく目にするのは、若い女性や男性の口を大きな釣り針が貫いている写真。死んだ魚のような目つきで、顔色も悪い。ショッキングな絵柄の広告主はロシア保健省。「釣り針を断ち切ろう!」というキャッチフレーズで、喫煙習慣からの脱却を呼びかけている。

 ポスターには「ロシアの喫煙者は年間6570本のたばこに依存しています」と書かれている。

 今回の「禁煙法」の背景には、ロシアは世界でトップクラスの喫煙大国だという事情がある。世界保健機関(WHO)が公表した2009年の調査によると、15歳以上のロシア人男性の60.2%、女性の21.7%に喫煙習慣がある。ちなみに日本人の喫煙率は、12年の調査で成人男性が34.1%、女性が9.0%だから、確かにロシアは多い。ロシアメディアによると、「世界一」だという。1日あたり男性18本、女性13本と、喫煙量も多い。

 ロシア人のたばこ好きは今に始まったことではない。それなのにたばこ対策がここ数年急速に進んでいる背景には、プーチン大統領の意向が働いているようだ。

 プーチン氏自身、たばこを吸わない。プーチン氏が首相だった2010年には、閣僚らとの会合で、「たばこを吸うのは誰だ?」と、手を挙げさせた。人数を数え、「国全体よりはましか」と言いつつも、「みんな禁煙するのだろうな?」と、全員に禁煙を迫った。

 その後もたばこを吸い続ける閣僚は多いが、プーチン氏の目を恐れて、たばこを吸う様子をメディアに撮影されないよう気を使う者が多いという。

 ただ、プーチン氏が強硬嫌煙路線一本やりというわけではない。昨年7月、たばこ対策について「段階的に進めなくてはいけない。これは微妙は問題なのだ」と指摘。喫煙禁止や値上げだけに頼らず、「啓蒙(けいもう)活動や、スポーツ、健康的な生活習慣を根付かせなければならない。大変な作業で、多大な努力と資金と時間を要するが、そうしなければ長く続く良い結果は得られない」と強調していた。非常に穏当な見解だ。

 その意味で今回の禁煙法は、プーチン氏の言葉とはうらはらに少し性急な内容にも見える。

 今のロシアでは、プーチン大統領がいったん方向性を示すと、議会や司法機関などが大統領の意向を忖度(そんたく)しすぎるのか、やや過剰に突っ走る傾向がある。今回の禁煙法もその一例かもしれない。

 対策が前のめりな理由としてもう一つ考えられるのが、ロシアのたばこ市場が現在、外国メーカーによってほぼ独占されている事実だ。日本たばこ産業(JT)の子会社で、海外販売を担うJTIのシェアが35%を超え、ロシアで最大。JTIのほか、フィリップモリス、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ、インペリアルタバコの日米欧4社で、ロシア市場の9割以上を押さえている。

 国内のたばこ業界からの抵抗が小さく、どうせ困るのは外国企業だという安心感のようなものが、政府や議員らの背中を押している可能性もありそうだ。

     ◇

 駒木明義(こまき・あきよし) たばこを吸わないモスクワ支局長。1990年入社。和歌山、長野両支局、政治部、国際報道部次長などを経て2013年4月から現職。47歳。ツイッターアカウントは @akomaki。

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レストランが完全禁煙というのは、本当にうらやましい話です。居酒屋や焼肉屋に行きたくても、あのタバコの煙もくもく状態では、とても入る気がしません。どうしても完全禁煙のラーメン屋に足を向けてしまいます。

プーチンの独裁政治がよい方向に進んだ唯一の事例でしょう。そういえば、ヒトラーもタバコ嫌いでしたから、共通点があるのでしょう。まあ、離煙派としては、痛し痒しの先達ですが。


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