世界王者が、2連敗です。もはや人間は、AIに勝てないのかもしれません。
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10日午後、ソウル市内で行われた韓国のイ・セドル九段(右)と囲碁の人工知能(AI)「アルファ碁」の第2局。左は、「アルファ碁」の代わりに打つ、グーグル・ディープマインド社リサーチ・サイエンティストのアジャ・ファン博士。対局は15日まで全5戦行われる=同社提供
(朝日新聞)
米IT企業グーグル傘下の英グーグル・ディープマインド社が開発した囲碁の人工知能(AI)「アルファ碁」と、世界で最も強い棋士の一人、韓国のイ・セドル九段(33)の第2局対決が10日午後、ソウル市内のホテルで行われ、アルファ碁が連勝した。対局は15日まで全5戦行われる。
李九段は対局後の記者会見で「昨日十分驚き、今や言葉もない。全くの完敗。少しでも優勢だと感じる時が一度もなかった」と話した。(ソウル)
グーグル開発のAI、囲碁第2局も勝利 トップ棋士との対局で
AFP=時事 3月10日(木)21時40分配信
【AFP=時事】米グーグル(Google)が開発した囲碁の人工知能(AI)「アルファ碁(AlphaGo)」と、韓国のプロ囲碁棋士・李世ドル(Lee Se-Dol、イ・セドル)氏(33)の対戦の第2局が10日、ソウル(Seoul)市内のホテルで行われ、アルファ碁が初戦に続いて勝利を収めた。五番勝負のこのシリーズで、新しいタイプの「直感的」AIは衝撃的な世界デビューを果たした。
9日の第1局で、現代における最強の棋士の一人とされる李氏を破り、世界を驚かせたアルファ碁は、4時間半に及んだ第2局も勝利したことで、勝利が偶然の産物ではないことを証明してみせた。
李氏は対局後、記者団に対し「言葉がない。私の完敗だったことを認める」と語り、10日のアルファ碁には「弱点がなかった」と付け加えた。
先だって李氏は、AIに対して自らの「大勝」を予見していた。だが対局後、李氏は青ざめた顔で「アルファ碁は今日、ほぼ完ぺきな囲碁を打った。(中略)全力を尽くして、少なくとも1勝はしたい」と述べた。
残り3局は、12日、13日、15日に行われる。100万ドル(約1億1000万円)の賞金がかかったこのシリーズに勝利するためには、李氏は残り3局全てに勝たなければならない。
プロの囲碁棋士で解説者の金成龍(Kim Seong-Ryong)氏によると、李氏はアルファ碁が序盤で「衝撃的なまでに型破りな」手を何度か打ったところで、苦戦し始めたようだったという。
金氏はアルファ碁が打った型破りな手の一つについて、「もし韓国、日本、中国のプロ囲碁棋士1300人全員を調査しても、誰一人としてあの手を打たなかっただろう」と評した。【翻訳編集】 AFPBB News
もう人間は勝てないのか? Google人工知能が囲碁で2連勝
BuzzFeed Japan 3月10日(木)19時40分配信
Googleの人工知能「AlphaGo」が世界最強の囲碁棋士に連勝した。先攻と後攻が入れ替わっての2戦目で圧勝。前日の勝利がまぐれではないことを証明した。人間はもう、機械に勝てないのか。観戦していたプロ棋士らは驚きを隠さなかった。
3月10日午後1時、韓国ソウルのホテルで始まった2戦目。前日と入れ替わって後攻となったイ・セドル九段(33)は、AlphaGoに完敗した。
昨日に続き、ニコニコ生放送で解説した大橋拓文六段は番組内で「(AlphaGoは)序盤で意外な手が出る。局面を進めても悪くならず、最後は押し切ってしまう。構えて、どのようにも対応して勝つ碁だ」と感服した。
対局後、BuzzFeed Newsの取材に対し、「人間の常識からみると悪い手が、いくら局面を進めても悪くならない。今までの人間の常識が合っていたのだろうかと思わされる」と話した。
人間は完敗
対局後の会見でイ・セドル九段は「昨日は驚いたが、今日はそれ以上だ。言葉を失った」と切り出した。
「わたしの完敗だ。わたしが優勢だと感じる瞬間はまったくなかった。昨日はAlphaGoはいくつか問題ある手を打っていたと思うが、今日のAlphaGoはほぼ完璧だった」と振り返った。
AlphaGoの弱点は何かと尋ねられると「弱点を発見できなかったから負けたと思う」と苦笑。今後の見通しについては「3局目は簡単ではないが、1勝はできるようにベストを尽くす」と述べ、「今日は中盤以降難しくなったので、次は序盤に集中したい」と話した。
解説者も感服
公式配信番組で対局を解説したマイケル・レドモンド九段は「AlphaGoがどう(先手の)黒を打つのかに興味を持っていた。革新的で危なくみえる手が実は効果的だったことに感銘を受けた」と話した。
一方、AlphaGoを開発したDeepMind社のデミス・ハサビスCEO(39)は「解説者によると、(AlphaGoの手は)とてもびっくりする美しいものだったというのがうれしい」と話した。「AlphaGoは局面が進むにつれて自信を深めたので、起きていることを理解していたのだろう」と振り返った。
ハンギョレ新聞によると、昨日の記者会見でイ九段は、AlphaGoは「全く考えられない手」を出したと振り返り、人間の棋士との違いに戸惑ったことを明かしていた。ただ、翌日以降の対戦について、「五分五分ではないか」と自信をみせていた。
戦いはあと3局続く。12、13、15日、いずれも午後1時に始まる。12日にAlphaGoが勝てば、勝利が決まる。今後の対局もライブ動画で見られる。
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ショックです。一局だけなら、ひょっとしたらまぐれかもと思わないではなかったのですが、2連敗となれば、しかも李世乭九段が2連敗したのですから、アルファ碁が人間同等もしくはそれ以上の実力をもっていることが完全に証明されたといえます。
AIソフトの未来も然りながら、囲碁棋士の未来もかかっています。李九段には、この1日休養をうまく使って気分を立て直し、ストレート負けだけはないように一矢報いてもらいたいものです。
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