タナカマキコ文科相の愚かな行動を、朝日を除いた主要3紙が社説で批判しています。当然のこと。記録しておきましょう。
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田中文科相問題 一転認可に反省と謝罪がない(読売新聞) - goo ニュース
2012年11月9日(金)01:21
「不認可」とされるべきは大学ではなく、閣僚ではなかったのか。
田中文部科学相が、秋田公立美術大など3大学の新設を不認可とした自らの発言を全面撤回し、認可を決定した。
混乱は収束し、3大学は予定通り、来春の開校が可能になった。
政治主導をはき違えて、大学や入学希望者を困惑させ、教育行政に対する信頼を失墜させた。田中氏の責任は極めて重大である。
だが、いまだに反省の色を見せていない。田中氏が「今回、逆に良い宣伝になった」とまで言い放つのは論外だ。3大学に対し、すみやかに謝罪すべきである。
3大学については、文科相の諮問機関「大学設置・学校法人審議会」が、新設の認可を答申したにもかかわらず、田中氏がこれを覆し、文科官僚が追随した。
「大学の乱立に歯止めをかけるため」と田中氏は主張したが、大学政策全般の見直しは、個別大学の新設認可とは切り離して検討すべきテーマである。
田中氏は不認可への批判が高まると、「新基準で再審査する」と唐突にルール変更を唱えた。
同時に、「現時点で不認可処分は行っていない」と言い逃れた。「事務方が真意をくみ取らなかった」と、官僚に責任を転嫁する発言をしたのも見苦しい。
田中氏は小泉内閣の外相当時、常軌を逸した言動や外務官僚との確執で日本外交を大混乱させた人物である。
問題は、その田中氏の「発信力」に期待して、閣僚に選んだ野田首相の任命責任にとどまらない。田中氏から事前に不認可の方針を聞きながら、それを止めなかった首相や藤村官房長官の管理能力の欠如も厳しく問われよう。
田中氏によると、事前説明の際、首相は「そのまま推し進めてください」と答えたという。田中氏のスタンドプレーが世論の支持を得るとでも思ったのだろうか。
藤村官房長官は8日の記者会見で「大臣として間違ったことをしたとは、たぶん誰も受け止めていない」と、田中氏を擁護した。どこかネジが緩んでいないか。
文科省は今回の問題を機に、大学の設置認可制度の見直しに着手する。政府の規制緩和政策の下、大学数が急増し、教育の質の低下が懸念されているのは確かだ。
制度の変更は大学政策の根幹にかかわる問題だけに、拙速を避け、議論を尽くす必要がある。
これ以上、田中氏の思いつきに振り回されてはかなわない。
【主張】田中文科相 速やかに謝罪し辞任せよ
産経新聞 2012.11.9 03:25
田中真紀子文部科学相は審議会答申に反して3大学の新設を不認可とした問題に関し、衆院文科委員会で「現行制度にのっとり適切に対応する」と一転、新設を認可する意向を表明した。
方針転換は当然だが、大学側を混乱に陥れ受験生を動揺させた責任は重い。田中氏は即刻、謝罪した上で大臣を辞任すべきだ。
2日に不認可の方針を示して以降、田中氏の発言は二転、三転した。6日の閣議後会見などでは、「まだ不認可処分をしたわけではない」として、新しい審査基準を設けた上で3大学の新設を再審査する「救済案」を提示した。
しかし、民主党文科部門会議から「子供や若者の学ぶ権利を脅かしている懸念を抱いている」(鈴木寛座長)と批判され、輿石東幹事長からも「3大学側が現行制度で認可に向け手続きを進めてきたことをとらえてほしい」と要請された。田中氏は最後は身内の説得を受け入れた。
既に現行の大学設置基準に基づく設置審議会での審査を終えている3大学の新設について、新基準で再審査することなど法治国家では許されない。田中氏が示した救済案の撤回も当たり前だ。
田中氏は3大学について「今回(の騒動が)逆にいい宣伝になって4、5年間はブームになるかもしれない」と述べ、当初の不認可判断も「文科相を拝命して(役所の)中からだったらブレークスルー(突破口)を作れると思った」と話した。無責任そのものの発言で、大臣の資質が疑われる。
今回のケースでは、そもそも田中氏を文科相に起用した野田佳彦首相の任命責任に加えて、田中氏の暴走を許した責任が首相官邸側にもあるのではないか。
田中氏は記者会見で、1日に野田首相と藤村修官房長官に不認可を事前報告し、首相から「そのまま進めてください」、藤村氏からは「大変結構なことだ」と言われた、と話している。野田首相と藤村氏はこれらの詳しい経緯について、改めて説明すべきだ。
自民党の石破茂幹事長は、田中氏について「これ以上閣僚を続けることがあってはならない。(首相は)罷免すべきだ。『認可したからいい』とは絶対ならない」と強調した。自民党は、田中氏の対応次第では参院での問責決議案提出も検討している。国会での解明と追及が不可欠だ。
社説:「不認可」騒動 文科相の資質問われる
毎日新聞 2012年11月09日 02時31分
田中真紀子文部科学相が大学設置・学校法人審議会の答申を覆し、3大学の来春開学を「不認可」とした問題は、文科相が一転「撤回」し、1週間足らずで一応収束した。
だが、その責任は看過できない。
唐突な不認可表明と後に二転、三転する発言は混乱に拍車をかけた。さらには「官僚が私の真意をくみ取れなかった」などという釈明は、責任転嫁といわれても仕方ない。
また、突然の不認可表明で受験生や関係者が動揺、困惑しきった3大学について「良い宣伝。4、5年間はブームになるかもしれない」と言う無配慮はどうしたことか。文教行政トップとしての資質さえ問われるところである。
その「発信力」に期待したという野田佳彦首相の見識、任命責任も無関係ではすまされない。
また今回の問題は文科相個人のみの言動に帰するものではない。当初、官邸や民主党にただちに是正する動きは見られなかった。
この個人プレーともいうべき「政治主導」に文科省官僚は対策に追われた。文科相が主張を転じるのに合わせるように「不認可の通知は未発送なので、新設を認めた審議会答申は今も効力がある」という理屈で苦肉の説明をする一幕もあった。
残ったのは後味の悪さである。
文科相は今回いきなり不認可方針を表明するに至った背景として「大学の数が多すぎ、教育の質が落ちている」ことを挙げた。そのため、幅広い分野の識者で検討会議をつくり、審議会の大学設置可否の審査方法や基準を見直したいという。
それを論じることと、今回の答申覆し発言の変転はかみ合わない。
ただ大学教育の「質」や再構築をめぐっては、長く重ねられてきた論議がある。90年代から大学設置基準は大幅に緩和され、「事前規制」よりも「事後チェック」を厳しくという考え方がとられた。第三者機関による認証評価制度などである。
だが、事後チェックが必ずしも十分効いているとは言い難い。入りはやすく出るは難い、という大学の運営も容易ではない。またこれは小、中、高校教育とも密接にからんでいる。こうしたことを総合的に絡めた視点で骨太な論議が必要だ。
今回、文科相の意を受けるかたちで設けられる検討会議は、従来の審査基準に新設大が地域に必要とされているか、学生は集まるか−−などを加えることを検討するという。
公開された熟議で、これまで積み重ねられた大学教育改革論議もしっかり踏まえたものであってほしい。 また一般の関心が薄かった設置審議会のあり方や構成についても、広く考えるきっかけにしたい。
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タナカを大臣にしたドジョウの責任は重いのですが、そもそもこのような行政者としての能力が微塵もない人間が国会議員にいること自体が、異常なのです。国民はあきれ果てています。こういう人間を落選させるためにも(タナカは無理かなあ)、一日も早い解散総選挙が必要です。
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