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定期上映会: プライベート・ライアン

2005年02月18日 10時19分42秒 | 映画レビュー
2005年2月12日の定期上映会で上映した正統的な戦争映画の代表作です。

プライベート・ライアン

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前回の『ビッグ』で、トム・ハンクス特集を終わらせたかのように見せて、戦争映画特集という名の下にトム・ハンクスにアンコール出演を要請したゴウ先生でありました。

結果、首尾よくいきました。

Gump Theatreの大画面とサラウンド効果満点の大音量です。見に来てくれたINDECの会員諸君全員が、冒頭のオマハ・ビーチで名誉の戦死を遂げた若き米独の兵士たちは「黄泉がえり」することもないし、ジョン・ミラー大尉(トム・ハンクス)が「いま、会いにいきます」というのは、あくまで生きているプライベート・ライアン(ライアン二等兵)だと分かってくれたようですから。もちろん、ノルマンディ海岸という辺鄙なところで「愛をさけぶ」アホも出てきません。

良かれ悪しかれ、戦争は生きるか死ぬかです。そして死んだら、ジーザス・クライスト以外は蘇ってはこないのです。どんなに好きな相手でも、人間はその人の死を乗り越えて生きていかなければならないのです。簡単なことですが、忘れがちなことをこの映画はまっとうに教えてくれます。昨今の日本映画の底の浅さの対極にこの映画はあります。

ハンクスの演技も見事です。彼がいなければ、スピルバーグはアカデミー最優秀監督賞はもらえなかったでありましょう。音も映像も渋いです。最高です。

それでも・・・。

実はゴウ先生、この映画をDVDで持っていません。LD(レーザー・ディスクのことですよ、懐かしいでしょう)が出たときに、すぐ買ったのですが、それ以来DVDが発売されてもこの作品を見返すことはありませんでした。今回の上映もレンタルDVDを利用しました。

なぜかと云えば、やはり冒頭と結末の老いたライアン上等兵の墓参りシーンが好きではないからです。

こうした趣向をスピルバーグは異常に好きなようです。『シンドラーのリスト』でも同じことをしていましたよね。

あのミラー大尉たちの行動を現代的に意味づけようとしているのでしょうが、ゴウ先生には興ざめの部分です。あの頃のことはその時に片をつけてくれ、と思うわけです。

そういう意味では、いまでも非難し続けられているナチス・ドイツに同情もします。ユダヤ人を虐殺したからと言いますが、国家的規模でユダヤ人を虐待・抹殺したというのならば、スターリン時代のソ連ほどひどい国はありません。一説にはナチスの10倍以上も殺しているという説もあるくらいですから。プーチンを見ていると、いまでもそうなのかもと思ってしまいます。

ですから、歴史を現代の視点から見て正当づけるというのは、やはりズルイ手法だと思います。

スピルバーグには、陸軍の精鋭部隊であるレンジャー部隊のミラー大尉がその腕前を見込まれた結果、政治的にしか意味がない最前線の兵士にとっては愚かな無理難題を押し付けられて、それをなんとか撥ね返して成功に導くリーダーの物語を描いてくれればよかったと思うのです。

おそらくハリソン・フォードが主演だったら、この映画をそうした素直な戦争アクション映画に変えたのでしょう。それがトム・ハンクスだからできなかったということだと思います。

であるならば、ハンクスにしか出せないあの哀しみを全面に押し出して映画を作ればよかったので、冒頭・結末はカットすべきだったのです。

戦争映画というものは、見終えた後でもドーンと底なし穴に放り込まれたショックがあってこそのものなのです。それを緩和しようとしたスピルバーグの趣向は残念でした。

ゴウ先生ランキング:B+

でもあの迫力はすごいです。日露戦争を健さん主演で撮ってもらいたいです、スピルバーグには、ハイ。

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