クソクラエ節
ある日、学校の先生が生徒の前で説教した。
「この世で一番偉いのは電子計算機」
(終)
野遊び
~毒虫あるいは妖精
茗荷を抜こうとして、
枝の差し交す影が落ちる斜面の草を掻き分けると、
薄暗い中にぼうっと明るんだ空間があり、
何匹も美しい黄色の虫が蠢いていた。
妖精のようだ。
手の甲に痛みを感じた。草の刺だろう。
だが、見ると、虫が留まっていた。尻を持ち上げている。
形は雀蜂に似ているが、黒い縞はない。
払って、急いでその場を離れた。
以前、雀蜂にアキレス腱を刺されたことがある。
そのときは、歩いていて垂直に体が落ちた。
痛いなんてもんじゃない。
そのときに比べたら、今度の痛みは軽い。
掌の腫れが引いたら、どんな虫だか、確かめに行こう。
完全防備をして。
夏の野遊びは命懸けだよ。
毒蛇もいるしね。
近頃は、熊も心配。
鈴は買ってある。
(終)