萌芽落花ノート
2 秘められた歌
かつて地上のどこにいても聞かれた歌が
どの民族 どの村人の胸にも深く刻まれた歌が
違った旋律だから
微妙に違っているから
忘れられた
地球がまだ自分の力で輝いていた頃に生まれた歌が
傷付きながら育った歌が
今は忘れられた歌が歌われれば
すべてが思い出されよう
暗い時代を越えよと
王家の宝は秘められる
(終)
萌芽落花ノート
2 秘められた歌
かつて地上のどこにいても聞かれた歌が
どの民族 どの村人の胸にも深く刻まれた歌が
違った旋律だから
微妙に違っているから
忘れられた
地球がまだ自分の力で輝いていた頃に生まれた歌が
傷付きながら育った歌が
今は忘れられた歌が歌われれば
すべてが思い出されよう
暗い時代を越えよと
王家の宝は秘められる
(終)
モロシになりそう。
~泳ぐ前に浮け
出来るから分かっているとは限らない。
オリンピックの水泳のメダリストが就学前らしい児童に水泳を教えていた。
だが、指導ではなく、虐待だ。とても見てられない。
その児童は25mを、溺れそうになりながらも何とかクロールで泳ぎきったが、水から上がっても喜んでいる様子はない。無表情で、突っ立ったまま、動かない。動けないのだろう。疲れただけなら、座り込むはずだ。
その児童は、泳ぎを習う前、「水が怖い」と言っていた。25mぐらい泳げても、怖さは消えない。むしろ、漠然とした怖さに実感が生まれたことだろう。
ところが、教えた人は、涙ぐみながら笑い、拍手をしている。その人も、幼児期に同じような指導すなわち虐待を受けたのだろう。教育は虐待の連鎖だ。
25mぐらい、体力がありさえすれば、息継ぎをしないでも泳げる。だが、50mは難しい。100mは無理だ。本当に泳げる人は、300mぐらい泳いでも疲れない。疲れるどころか、体の調子が良くなるほどだ。
短距離の走り方で長距離は走れない。水泳も同じだ。
点取り虫は点の取り方しか知らない。メダル取りも同様らしい。
メダル取りは、児童をプールに入れてボードに捕まらせ、バタ足を教えた。それから、右手を外して水を掻かせたか。次に両手を放して、クロールをやらせる。呼吸の仕方をいつ教えたのか、知らないが、とにかく、そんな教え方は駄目。その児童は息継ぎがうまく出来ない。だから、陸上で腕の動かし方を練習させられる。まさに畳の上の水練。
私は水泳が苦手だった。成人後、プールに通い、水泳の本を何冊か読んで、どうにか泳げるようになった。それらの本を紹介したいが、書名も著者名も作者も忘れた。
私なりのやり方は、こうだ。
まず、水に顔を入れたり出したりする。そうやって、口呼吸を覚える。顔を水から上げるのと、息を吐くのを合わせる。まず吐いて、それから吸う。逆ではない。要注意。
次に、立って歩ける深さのプールに入り、頭まで沈んでは顔を出すという運動を繰返す。そのとき、呼吸と運動を合わせる。慣れたら、歩きながら同じことをする。さらに、ジャンプしながら。
それから、仰向けになる。手は皿を撫でるように動かす。足は軽く蹴る。肩の力を抜くと、浮いている。
この状態が数分間維持できるようになったら、俯き、同じように手足を動かす。息が苦しくなったら、手で水を押し、顔を上げる。息を吐いて吸い、水に顔を戻す。
この時点で、もう泳げたことになる。
再び、仰向けになる。そして、手足を平泳ぎのように動かす。手は水を腰の下へ送る感じ。膝から下の足は、進行のためではなく、脚全体を浮かせるために動かす。この動きを〈烏賊泳ぎ〉と呼ぶらしい。これが出来たら、簡単には溺れない。
再び、俯き、軽くバタ足。手は楽な平泳ぎ。この泳ぎにも名前があったが、忘れた。息が苦しくなったら、水を押して顔を上げ、息を吐いて吸い、そして、少し潜る。すると、水が押し上げてくれる。イルカになった気分。
以上で、水泳の初級は卒業。
ここまで出来たら、犬掻き、平泳ぎ、背泳ぎ、立ち泳ぎに挑む。やがて出来るようになるはずだ。出来たら、中級は卒業。
クロールは上級。呼吸のコツは、決して上を見ないこと。なるべく水面を見る。そうすると、耳は自然と肩に付く。口の中に水が入っても慌てない。息と一緒に吐き出せばいい。クロールの前に、抜き手と横泳ぎ。
以上のやり方を覚えたら、バタフライも決して難しくはない。
上級の上は、アーティスティック・スイミングだろう。
とにかく、我流でも、300m以上泳いで疲れなければいいのだ。こんな簡単なことがメダル取りには分らないらしい。惨めな人だ。
教育に限らず、点取り虫の昔取った杵柄のドロンパどもが居座る世に、私は、もう、あんまり生きて居たくない。
(終)