ヒルネボウ

笑ってもいいかなあ? 笑うしかないとも。
本ブログは、一部の人にとって、愉快な表現が含まれています。

書評『ドラえもんの学習シリーズ ドラえもんの算数おもしろ攻略~算数まるわかり辞典 1~3年生』(小学館)

2024-03-09 22:26:48 | 評論

   『ドラえもんの学習シリーズ ドラえもんの算数おもしろ攻略~算数まるわかり辞典 1~3年生』(小学館)

  • 割り算について

いよいよ、割り算だ。褌を締め直せ。

足し算⇔引き算

  ⇕    ⇕

掛け算⇔割り算

この関係、知ってるよね。

わり算とは、「ある数を同じ数ずつ分ける」計算のことだよ。

(p68]

 *

そうかなあ。この定義だと、余りについて説明できない。

つまり、〈7÷2=3.5〉しかできない。〈7÷2=3…1〉ができない。しかも、小数はまだ習っていないと、手も足も出ないよね。

偽ドラえもんは、突然、答えを出す。

*mmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmm

たとえば12このどらやきを3人で分けると、1人分は4こになるね。

(p68)

日常的には、12個を3人に1個ずつ配っていく。すると、1人分が4個になる。

偽ドラえもんは、数学的でもないし、日常的でもなく、突然、答えを出している。とんでもないやつだ。その後、「割り算の答えは九九を使って求めることができるよ」(p69)と種明かしをする。手品師か? 

わり算で、ぴったりわりきれないときは、わられる数より小さく、いちばん近い数になる九九をもとに「あまり」をもとめるんだ。

(p70)

意味不明。

整数aを自然数bで割るとき、a=bq+r(0≦r<b)をみたす整数q、rがただ一組決まる。q、rをそれぞれ商、余りという。

(『広辞苑』「余り」)

「商」という言葉を教えずに「あまり」という言葉を教えるのは変だ。

割り算の前提は引き算だ。

〈12個を4個ずつ分けると何人に分けられるか〉という問題の場合、引き算で解ける。

 12-4=8  8-4=4 4-4=0  よって3人

〈13個を4個ずつ分けると何人に分けられて、何個余るか〉という問題の場合。

 13-4=9  9-4=5  5-4=1  よって3人余り1個

この場合、「あまり」という言葉が日本語としてしっくりする。

 *

問題

かんジュースが14本あります。これを1回に4本ずつ運ぶと、何回で全部運ぶことができるでしょう。

(p72)

 *

ひっかけ問題。奇問。頭を悪くする問題だ。

この「問題」とやらは、「あまりを1と考えるわり算」(p72)だそうだ。意味不明。

とんでもない。「4本ずつ運ぶ」という条件があるのに、最後に2本しか運ばないで、その仕事を「1と考える」なんて! 場合によっては詐欺になるぞ。

〈1回に最高4本しか運べない場合、14本を運び終わるのは最低で何回か〉などとすべきだ。

ぺこぱが声を演じているETVの算数の番組で、同じような問題文を用いていた。算数村の方言らしい。むかむかする。論理的でもなく、日常的でもない。

算数は頭を良くするためにやるものだ。偽ドラえもんに習うと、混乱して頭が悪くなるな。習わない方がいいぞ。

教育業界を変な人々が支配しているようだ。日本人は暗記怪獣になってしまいそうだ。考える力が身に付かない。

(終)


この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『冬のソナタ』を読む 「あ... | トップ | 漫画の思い出 花輪和一(13... »
最新の画像もっと見る

評論」カテゴリの最新記事