『冬のソナタ』を読む
「別れの練習」(下p25~49)
2 ホテルで
カン・ミヒは嫌いだ。
*
ユジンが春川(チュンチョン)の高校に通っていたとき、自分に似ている人を好きになったのだが、その人が死んだのだとミヒに伝えたとき、当惑した母親が手に持っていたコーヒーカップを落したのだった。どうしてもその姿が眼に焼き付いて離れない。そう言えば別荘でもおかしかった。ミニョンが水に溺れたときの話や、ユジンが春川(チュンチョン)で高校に通っていたと知ったときの驚きに満ちた眼も……。
――なぜだろう。
ミニョンは、ミヒのそんな行動が気になってなかなか寝付けなかった。
(p37)
*
ミヒ、嫌い。
ホテルも嫌い。
ホテルは、ミニョンの父親である正体不明のイ氏の象徴だろう。
(終)