読んで呆れる、というのはまさに下に掲げた夕刊フジの記事のことであります。
菅義偉前首相の再登板はあるのか 岸田政権が倒れるなら、世間がそれを許さないとき…「今より後の世をいかにせむ」(夕刊フジ) - Yahoo!ニュース
この記事の大前提となっている、山形有朋の 「かたりあひて 尽くしし人は 先立ちぬ 今より後の 世をいかにせむ」 という歌を菅氏が友人代表の弔辞として引用した経緯に関する不透明さ、不誠実さについては前回に10月3日付日刊ゲンダイデジタル記事を掲載しましたが、それらの報道の一切を見て見ぬふりしているからです。
既に生前の安倍氏自身がこの歌を亡くなったJR東海会長の追悼回想の中で用いていることが、安倍氏のFB投稿記事として残っているという報道の初出は10月1日です。 また、菅弔辞にある、第一議員会館1212号室の安倍氏の机上で菅氏自身がこの歌が書かれた「読み止しの書物を“発見”」したという経緯も創作的な臭いが強すぎて苦笑してしまうのですが、別の安倍FB過去記事にはこの本を「読了した」との記載もあるということが、前記ゲンダイデジタル記事に明らかです。
書き手の平井氏の思惑は思惑として、この記事は客観的であるべき報道機関の姿勢とは大幅に乖離していると感じました。いくらサンケイ=フジでもね、という実感です。
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菅義偉前首相の再登板はあるのか 岸田政権が倒れるなら、世間がそれを許さないとき…
「今より後の世をいかにせむ」
10/8(土) 17:00配信 夕刊フジ
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【ニュース裏表 平井文夫】 菅義偉前首相が、安倍晋三元首相の「国葬(国葬儀)」で行った「涙の弔辞」で、その存在感が復活している。
【写真】安倍元首相の国葬で供花に臨まれる秋篠宮ご夫妻の次女、佳子さま
2日に出演したフジテレビの番組では、弔辞に「一般献花に多くの若者が訪れている」というくだりを入れたことについて、「ある意味予測だから当たらなければ大変なことになる」と心配したものの、「20代、30代の人は献花に来てくれると自信があったので、あえて(事前に原稿に)入れさせてもらった」と答えた。
この弔辞に対して、自民党の三原じゅん子参院議員は「まるで恋文。温かいお気持ちがあふれていた」とSNSに投稿したが、まさに「安倍愛」にあふれるものだった。 ただ、最後に菅氏が山形有朋の歌を引用したときにはちょっと驚いた。安倍氏の部屋にあった読みかけの本に、山形有朋がライバル伊藤博文の暗殺に際し詠んだ歌に線が引いてあったという話は筆者も聞いていて、すでにその本を買って読んでいた。
「かたりあひて 尽くしし人は 先立ちぬ 今より後の 世をいかにせむ」 この本の著者は、山県が明治維新においては「ワキ役だった」と指摘している。天才型で維新のスターだった伊藤の死を、努力型のワキ役だった山県はこの歌の中で深く悲しんでいるが、同時に「伊藤亡き後は自分がこの国を導く」という決意も示しているし、実際にそうした。 筆者は国葬会場で弔辞を聞いていたのだが、終了後すぐ近くでパチパチと大きな拍手をする人がいた。それをきっかけに会場中に拍手が広がった。拍手をした松浦正人・前全国市長会会長は良く知っている人だったので、お葬式で拍手するのはマナー違反ではないかと聞いてみた。 松浦氏は「菅さんが『今より後の世をいかにせむ』と言ったから、どうしても拍手したかった」と答えた。松浦氏は安倍氏に近く、安倍氏のやり残したことを菅氏に引き継いでほしいと思ったという。
先日の内閣改造で、岸田文雄首相は菅氏の副総理起用を検討したが、菅氏から断られた。 これについて政治ジャーナリストの田崎史郎氏と、シンクタンク「創発プラットフォーム」で対談したとき、筆者の「菅さんは岸田さんを嫌い」説と、田崎氏の「忠臣は二君に仕えない」説に割れた。ただ、菅氏が岸田首相と組む気はないことでは一致した。 岸田政権が倒れるならどうか。 再登板について、菅氏は先の番組で「自分の年齢も分かっている。自民党にもいろんな人がいる。そういう人に委ねるべき」と語った。菅氏は73歳でもう再登板をする気はなく、河野太郎デジタル担当相を推すだろう。
だが、世間がそれを許さないとき、「菅義偉よ、もう一度出ろ」と言われたとき、どうするだろうか。菅氏は「今より後の世をいかにせむ」と自ら立ち上がるのだろうか。 (フジテレビ上席解説委員・平井文夫) (原文にない改行は当ブログ管理人)
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