駅前でその人を見つけた時
季節はもう秋でした
見覚えのあるカーキ色のシャツを着ていたその人
大好きだった割れるような笑顔で
その人は歩いていました
ただ
その笑顔は 小さな女の子に注がれていて
側には 同じ笑顔の見知らぬ女性が居るのです
彼は女の子を抱き上げ
今度はそのひとに笑いかけ 歩いて行きました
あっという間の一瞬の
秋の日の ひとつの風景
私が欲しくて 手に入らなかった映像
夕暮れ
帰り道 八百屋さんで
出まわり始めた林檎を買い
魚屋さんで
美味しい秋刀魚を買いました
一人部屋で 林檎を齧り
勢い良く秋刀魚を捌きます
流れる涙を拭くハンカチが無いのです
洗濯機を回さなければ
窓から見える赤とんぼの群れ
誰にでも平等に与えられる神様からの夕暮れ
夕日に溶けて往くたくさんの雲
思わず祈りました
二度とあの人が笑顔になりませんように
神様 あなたは
私を
罪人だと仰いますか?
季節はもう秋でした
見覚えのあるカーキ色のシャツを着ていたその人
大好きだった割れるような笑顔で
その人は歩いていました
ただ
その笑顔は 小さな女の子に注がれていて
側には 同じ笑顔の見知らぬ女性が居るのです
彼は女の子を抱き上げ
今度はそのひとに笑いかけ 歩いて行きました
あっという間の一瞬の
秋の日の ひとつの風景
私が欲しくて 手に入らなかった映像
夕暮れ
帰り道 八百屋さんで
出まわり始めた林檎を買い
魚屋さんで
美味しい秋刀魚を買いました
一人部屋で 林檎を齧り
勢い良く秋刀魚を捌きます
流れる涙を拭くハンカチが無いのです
洗濯機を回さなければ
窓から見える赤とんぼの群れ
誰にでも平等に与えられる神様からの夕暮れ
夕日に溶けて往くたくさんの雲
思わず祈りました
二度とあの人が笑顔になりませんように
神様 あなたは
私を
罪人だと仰いますか?