あなたがあなたで
わたしがわたしでいることが
どうしてこんなにむずかしいのでしょう
わたしはあなた
あなたはわたし
そう思っていたこと自体が
夢物語だったと言ふ
そんな哀しい事を知るために
わたくしもあなたも四十余年の日々を
生かされて来たのでせふか
あなた、ごらんなさい
ほぅら、おそらが あんなに遠くに見えますよ
一緒に前も 見たではありませんか?
(どうして どうして?
あなたはそんなに怖がりで
陰に隠れてしまふのでさふ?)
どうして? どうして?
今になって
あなたは 逃げてしまふのですか?
夢を食(は)んで生きていた日々が終わる
大きな大きな夕陽が
わたしとあなたを砕き
それぞれを砕き
食んでいた夢を粉々に砕いて
雄大な黄昏の中に死んで往く
ほら! ほら!
ほぉぉぉぉぉら!
見てください! 見てください!
あの夕陽を一緒に見ませふよ!
いくじなし!
馬鹿野郎!
おまへは、おまへは
あのただれた空のやふだ!
ああ、主よ
ミズヲクダサイ
主よ、あなたは、生ける水を下さるのでしょう?
すぐに 飛んできてくださいませ
でなければ、わたくしは すぐに
うちあげられた貝のやふに
歌わない歌姫(ディーバ)になってしまいます
主よ
主よ
あたしは 歌姫から
デクノボウになってしまふ
そばにいてほしい
ひたすらに ただ 願ふ
そばに 居て 欲しい
そばに
・・・・・・・!
居てください
わたしがわたしでいることが
どうしてこんなにむずかしいのでしょう
わたしはあなた
あなたはわたし
そう思っていたこと自体が
夢物語だったと言ふ
そんな哀しい事を知るために
わたくしもあなたも四十余年の日々を
生かされて来たのでせふか
あなた、ごらんなさい
ほぅら、おそらが あんなに遠くに見えますよ
一緒に前も 見たではありませんか?
(どうして どうして?
あなたはそんなに怖がりで
陰に隠れてしまふのでさふ?)
どうして? どうして?
今になって
あなたは 逃げてしまふのですか?
夢を食(は)んで生きていた日々が終わる
大きな大きな夕陽が
わたしとあなたを砕き
それぞれを砕き
食んでいた夢を粉々に砕いて
雄大な黄昏の中に死んで往く
ほら! ほら!
ほぉぉぉぉぉら!
見てください! 見てください!
あの夕陽を一緒に見ませふよ!
いくじなし!
馬鹿野郎!
おまへは、おまへは
あのただれた空のやふだ!
ああ、主よ
ミズヲクダサイ
主よ、あなたは、生ける水を下さるのでしょう?
すぐに 飛んできてくださいませ
でなければ、わたくしは すぐに
うちあげられた貝のやふに
歌わない歌姫(ディーバ)になってしまいます
主よ
主よ
あたしは 歌姫から
デクノボウになってしまふ
そばにいてほしい
ひたすらに ただ 願ふ
そばに 居て 欲しい
そばに
・・・・・・・!
居てください