こないだスーパーに行ったら、ゴンドウクジラの刺身が売っていた。ちなみにゴンドウクジラは、比較的小型の鯨で「巨頭鯨」と書きます。鯨を食べると言うと、海のシェパード(仮称)が暴れるかもしれませんが、N村が小学生時代の給食では毎週鯨肉が出ていました。鯨の竜田揚げとか鯨ステーキなど、「また鯨かあ」という声が聞こえるほどでした。豚肉・牛肉が高価で給食には提供できない時代の鯨肉は、貴重なたんぱく源でした。
あと、当時は牛乳ではなく「脱脂粉乳」でした。多くの人は「不味い・いやだ」と言っていましたが、N村的には「そこそこ美味いじゃないか」と思っていました。(味は好みがあります)
その後、鯨類の過剰なほどの保護活動が世界中でブームになり、鯨捕鯨国は窮地に立たされます。欧米の捕鯨は基本油を取るためなので、鯨肉は不要です。一方、日本は「鯨は捨てるところがない」といわれるほど鯨のすべてを利用します。鯨の油が不要になった欧米が捕鯨をしなくても、痛くもかゆくもないのは当然です。
鯨資源を適切に管理するという目的で発足したIWCは、いつのまにか鯨を取ることは一切禁止するという路線になってしまいました。日本が南氷洋や北大西洋で行っていた調査捕鯨も非難され、シー犬(仮称)の犯罪的妨害も頻発するようになります。
鯨資源を管理する目的を失ったIWCから日本が脱退したのは致し方ないと思います。むしろ、長年にわたる日本たたきに良く耐えていたとさえ思います。日本はIWCを脱退しましたが、議決権のないオブザーバーとしてIWCの会合には出席しています。日本の負担金が無くなったため、IWCの資金は不足気味ということです。今後、日本たたきが行えなくなったIWCはどこに向かうのでしょうか。日本が調査捕鯨を行っていたため、鯨の生息数も把握できていたものが、日本の資料が無くなってしまったので、全体的な把握は難しくなってしまったと考えられます。IWCにとっては、保護すればいいという考えなので、大きな問題にはならないかもしれませんが、すでに資源を管理するという目的は完全に失われてしまいました。残るは感情論だけになります。
IWCからの脱退により、公海上での捕鯨はできなくなったので、現在は排他的経済水域(EEZ)での捕鯨のみとなっています。海犬(仮称)も、日本のEEZ内の捕鯨については、過激な妨害活動をしていないようです。(知っている限り)
「鯨がかわいそうなら、牛やカンガルーは食ってもいいのか?」と言う気はありませんが、適切な資源管理の上での捕鯨(魚資源もそうですが)はいいのではないかと、個人的には思います。もちろん、種の絶滅は絶対に避けなければなりません。どこかの大陸の国のように「魚は無限にある。いくら取っても枯渇することはない」と言いながら、自国の近隣では魚を取りつくし、遠くの外国の沿岸まで進出して根こそぎ漁をするのは如何なものかと思います。
以上は、個人的な感想です。そういうことで、子供時代鯨を食べまくった世代としては、あまり有難がる食べ物ではなかったのですが、調査捕鯨時代にはかなり高額になっていました。調査捕鯨といっても、捕獲した鯨肉は無駄にすることなく、市場に出回っていました。これは、命は無駄にしないという考えで至極妥当なことだと思います。
店で鯨を食べたのは、もう20年くらい前のことだと思いますが、渋谷の鯨専門店に行って食べたのが最後のような気がします。鯨料理は、そこそこお高かったようですが値段は忘れました。
昨年スーパーで「汐くじら」を見つけて買ったのですが、汐抜きが上手にできなかったせいか、しょっぱくて「だめだこりゃ」となってしまいました。
という前振りがあって(前振りなのか)スーパーでお得価格な刺身用クジラが売っていたので、1パックお買い上げです。通常でも鯨肉は売ってはいるのですが、そこそこお高いし昔は嫌という程食べたので、無理して買わなくてもいいかと思っていました。
生姜と醤油で、美味しくいただきました。久しぶりのクジラだぁ。魚とは違うのだよ、さかなとは‥