問題の原本が開示された。
元財務相在籍者が言うようにどこかを書き換えるとなると前後の文脈も考慮しなければならない。
さらに関連する文書もすべてチェックし、関係個所を書き換える。
もちろん前後のつながりも違和感のないようにしなければならない。
誰が、いつ、だれに指示したかが焦点になっている。
が、具体的な指示があったかというとどうもそれはなかったのではと思う。
森友とのやり取りの中で阿部首相夫人の名が出、名誉校長になっている。
そこで「特例」とか「特殊性に鑑み」などで本質をぼかした。
官僚の得意とするところだ。
ここまで大きな問題になると想定していなかっただろう。
何せ長期政権のトップに関わることだ。
ところが想定を超える事態に至った。
そこで決済の「鑑」を変えることは決裁者の印があるためそれ以下の文章をいじることにした。
契約書と違い文書間に捺印はない。
だが、向後の事態の推移を考えて書き換え前の本書は残しておく必要がある。
安倍や麻生が指示したかどうか分からない。
多分、それはやっていない公算が大きい。
そこまで馬鹿ではないだろう。
こう見てくると、籠池氏が国会で「神風が吹いた・・・」と証言したことと平仄があう。
では安倍や麻生に責任がないかというと、そこは話が違う。
直接の管理責任者である麻生大臣。
行政府のトップである安倍首相。
官僚の「忖度」で行政を歪めたことの責任は大きいだろう。
国民の財産である国有地を相場より大幅な値引きで売却した。
それ以前の貸付期間にしても異常な長期間である。
いずれにしても、指示のあるなしにかかわらず管理責任の大きさは計り知れないだろう。
大臣の辞任と、直接関わっていなくとも国会であれほどの見えを切った以上その通りに身を処すしかないだろう。
行政の私物化と言われても甘んじて受け入れるしかない。
それが上に立つ者の矜持だろう。