これなら単衣で薄羽織でも楽勝~~
なので 絹ものコーディネイトを2つ。
駒上布に百合(笹百合?)の刺繍八寸帯です。
黒地ですが ピンクの百合が優し気で粋になりません。絽に刺繍って大変なんですよー
こちらは 綾ぼかしの紬に 金魚の刺繍。
金魚って冬にも生きてるけど なんでか夏の柄ですよね
水の連想から涼しい、というイメージなんでしょうけど。金魚すくい、とか?
メダカの学校は春の歌って感じですけどね。
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久しぶりになってしまいましたけど
ブログを読んで下さってる全国の皆様へお礼を兼ねての地域別染織紀行です。
今回は 花冷えでちょっと真綿が恋しくもなり
茨城県の結城紬のお話を。
結城紬の織元は 横浜からでも日帰りで行けることもありお客様をご案内することも多いです。
とりわけ美味しい名産品があるわけではありませんが(失礼m(__)m
いつも楽しみにしてるのが、茹で饅頭です。
昔は家庭で作って茹でていたらしいですけど 今は和菓子屋さんが蒸してるようです。
表面がツルっとしていて、もちもちの触感の皮が美味しくてついつい食べ過ぎてしまいます。横浜でも売ってればいいのに・・・
それはさておき 結城紬。
実は結城紬は 茨木県だけでなく 栃木県の小山市など鬼怒川流域に渡って織られています。
しかし生産量が多く 機屋さんが集まっているのが結城市内なので茨城県の代表とさせて頂きますね
結城紬は、最小限の道具で織ることが出来る太古のままの地機という機で織られます。
装置といえば綜絖と呼ばれる経糸を上下に開くものくらいで
緯糸を通す時にも筬を通さず、太く重い樫の木の杼を使い打ち込みます。
この時に経糸は自分の腰に括り付けて引っ張り、糸のテンションを調節しています。
そのため糸に無駄なストレスを与えずに密度の高い布にすることが出来ます。
日本3大紬の1つと言われますが(あと2つは 大島紬と牛首紬の説が多い)
織り上がるまでの十数個の工程がすべて分業で
1つ1つが高度な手仕事の技の結集による共同作業です。
どの1つが欠けても成り立ちません。
多くは おばーちゃんが糸を引き、お父さんが糸をくくり、お母さんが地機で織る。
そして 織り上がって糊落としをする時も
〇〇さんちの織なら 糊はこの位の強さで付いているから この程度の糊落としで、と
分業でも小さなコミュニティで完結していて阿吽の呼吸で進んでいきます。
しかし ここも後継者は少なく 毎年1割づつの減産だといいます。
毎年1割減ったら10年でほぼ無くなってしまう!?
実際、年間生産量は 、昭和 55 年度の 31,288 反から平成 26 年度は 1,379 反になり
組合員数は、昭和 52 年度の 1,708 名から平成 27 年度は わずか106名です。
組合員の中には 名前だけで実際は生産をやめている人も含まれていますので
(辞めると組合費が減って組合が存続出来なくなるので辞められない)
高齢化が進む中で 今後が模索されています。
日本最古の織物、とも言われる本場結城紬。
その良さを理解し広めることが着物屋の仕事の1つだと思っています。
久しぶりに結城に行きたくなりました。
織元見学、行ってみたい方いらっしゃいますか?
茹で饅頭とキノコ蕎麦をごちそういたしますよ。
これは 本場結城紬を じざいやで実演していただいた時のもの。
糸引きもできます