じざいや的日常~きものがたり~着物が織りなす素敵な物語  

元町の着物屋・じざいやの紹介と着物で過ごす日々のこと。
犬猫や食べもののことなぞも織り交ぜて。

正倉院といえば奈良!奈良といえば・・・?

2017-03-10 14:46:55 | じざいやから全国の皆様へ

春めいた日差しで暖かく 着物日和ですね


暖かいのは嬉しいけど その分花粉が・・・・


鈴木和美さんの帯では フルーツ柄が可愛い、と人気ですし


季節ならではの桜や藤、コスモスなどのお花も綺麗~~と言われます。


中でも 足を止めて下さるのが 正倉院写しの帯。



 何の樹だか花だか分からないけど 惹かれる、と好評です。


 やはり 正倉院の時代から続く 重みというか格が感じられるのでしょうか。


 正倉院、といえば 奈良です。


 奈良と言えば・・・鹿?柿の葉寿司??


 修学旅行以外でも 何度か行きましたけど


 京都とは違ういにしえを感じます。


 三輪のお山の辺りが好きです。古墳とか古代石とか。


 ロマンですよね~~


 奈良にお住まいの方がうらやましい位です。


 


 ところで 正倉院。


 元々奈良・平安時代の中央・地方の官庁や大寺には重要物品を納める倉庫的なものを


 正倉と呼び、正倉が幾棟も集まっている一廓が正倉院と呼ばれたのです。


 長い年月で現存するのは,東大寺正倉院内の正倉一棟だけになってしまいました。 


 様々な宝物が収められていますが


 その中で染織品を 正倉院裂、と呼びます。


 絹や麻が多く ウールや木綿が少しあるそうです。


 織は平織から綾織、羅、経錦、緯錦、刺繍などの技法で


 時代に従って 単調な模様から唐草や連珠、オリエンタル色の濃いものになります。 


 染も草木染では 茜・紅・蘇芳・紫草、黄蘗・刈安・櫨、藍などが用いられていて


 纐纈や頬纈などの防染技術を持っていたことが分かります。


 天平の三纈、と呼ばれる染についでは いづれ書きたいと思います
   (昔書いたんですけど もうどこに行ったのやら・・・2世代位前のHPで書いたような?)


 当時 大陸から入ってきた貴重な布と 国内最高技術を使った布が


 今も保存されているのは 世界的にもとても貴重なものです。 


 奈良が戦争による被害が比較的少なかったのは ありがたいことでした。


 正倉院裂は 有職模様にも繋がるもので


 天平時代の文様が最も多いですが、飛鳥、白鳳時代の文様も含まれます。
 
 正倉院はシルクロードの終着駅ともいわれ、

 ローマ、ペルシア、インド、西域、中国など西方諸国の影響を受けた文様が多く伝えられています。

 文様は多種多様で、大別すると、


 鳳凰、花喰鳥、くじゃく、おうむ、おしどり、鶴、鴨、獅子、虎、羊、象、

 鹿、馬、竜、きりん、うさぎ、亀などの動物文様。


 唐草、唐花、牡丹、ぶどう、宝相華、蓮などの植物文様、


 連珠、円文、亀甲、石畳、菱形などの幾何模様、


 雲、月、日、星、海、山などの自然現象などに分類されます。


 
 幾何学文様である 太子間道


 
 樹下獅子紋


 
 正倉院華紋。


 それぞれ 宝物そのまま、ではありませんが


 正倉院に遺された裂から 写された文様です。


 


 正倉院がなければ 着物の世界は かなり味気ないものだったことでしょう。


 茶道なんか 正倉院裂に囲まれてるようなものですしね。


 また 奈良に行きたくなりました。


 奈良には 櫻子ちゃん、ってお名前の可愛い赤ちゃん(お客様のお孫さん)が


 いることですし^^


 奈良の皆様 いつも ブログをお読みくださりありがとうございます。


 これからもよろしくお願いいたします


 


 


 


 


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ほっこり暖か郡上紬。岐阜の人は働きもの。

2017-03-08 14:30:22 | じざいやから全国の皆様へ

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 日差しが強くなってはいますが

 まだまだ空気が冷たいです。

 病み上がり?ということもあって 結城紬を着ていますが

 郡上紬は本場結城紬より暖かい、と言われます。

 経て緯糸 が手紡ぎの真綿糸で 結城との違いは縒りが掛かっていることです。

 紬織で初めての人間国宝に指定されたのが 郡上紬の宗廣力三氏です。

 現在 郡上紬を織っている 宗廣陽助氏の父上です。

 郡上は古くから良質の絹糸の産地として知られていましたが

 前後、荒地を耕しても収穫の少ない農家の副業にと

 宗廣氏が 研究所を開き 地元の農家の主婦に機織りを教えました。

 養蚕から糸を吟味し、藍や草木で染める素朴な縞・格子だったものから 

 次第に 緻密な図案の経て緯絣へと発展し

 独特のどぼんこ染で 時間と手間が掛かるににそうと感じさせない

 さりげなく暖かい郡上紬を作り上げました。

 力三氏が 研究所に掲げていた織5省とは

 1.糸を経てに 心を緯に

 1.常に技術の研鑽に努めん。

 1.一筋の糸の命を大切に。

 1.正された仕事を美が追いかけていく。

 1.自他一如

 岐阜の人々の まじめな優しさが 郡上紬を生んだのでしょう。

 しかし 今 郡上紬は絶滅の危機に瀕しています。

 宗廣陽助さんの工房で 織を手伝っていた織手さんが

 高齢で引退、お亡くなりになることが続き

 今はご夫婦お二人で細々とした生産です

 体調も優れず 受注以上の数は作れません

 郡上紬をお持ちの方は 大事になさってくださいね

 

 

 今 うちにある郡上紬たちです。

 内緒で仕立て上がりの郡上紬が2点あります。

 興味のある方はお問合せください。

  郡上に行った時 鮎の季節で(というか鮎狙いでその季節に行きました)

 鮎づくしを食べたのを思い出します。

 水のきれいな町でした。

 岐阜の皆様 これからもどうぞよろしくお願いいたします

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越後上布の雪晒しの季節です。今日も雪でしょうか・・

2017-03-07 14:19:42 | じざいやから全国の皆様へ


 今年は3月に入っても寒い日が多い気がします。

 今日の天気予報も雪マークが沢山ついていました。

 越後上布の郷、新潟県魚沼地方の冬は

 毎日が雪だそうですが 比較的晴れる日が多い2月半ばや3月下旬に

 越後上布の雪晒しが行われます。

 今年は うちからも2反お願いいしていますので

 そろそろ綺麗になって帰ってくるのでは、と思います。

 

 千年以上の歴史を持つ越後上布を織ることは

 その地の女性にとっては嫁入り条件であり

 良い布を織らなければ 嫁の座が危ういものでした。

 嫁が織った越後上布を問屋に持ち込み、姑の希望する値段で

 引き取ってもらえなければ 差額は嫁の実家が負担しないと

 婚家に帰れなったそうです。

 乾燥すると切れやすい植物繊維は 湿った雪の降るこの地方に適していて

 16世紀に越後を領することになった上杉家は

 米に次ぐ基幹産業として 越後上布の原料である苧麻の栽培を推奨し

 その後 会津に国替えになると会津でも苧麻栽培を奨めたため

 今でも 福島県の昭和村が 苧麻の産地として残っています。

 江戸時代の最盛期には 年間20万反以上とも言われた越後上布ですが

 今では 帯も合わせて30反ほどで

 中には組合を抜けて 重要無形文化財の指定を受けくなった織元もありますので

 絶滅危惧種であることはまちがいありません。

 

 かつて 殿様、お姫様の夏の着物として

 染や刺繍を施された 美しい薄物の越後上布は

 1反が天保銭の穴を潜り抜けたといいます。

 まさに羽衣。

 このような細かい根気作業が出来る越後の人たちには

 頭が下がります。

 以前 織元に拝見しに行った時も 真冬ではなかったので

 乾燥を嫌って ビニールの温室のようなものを作った中に加湿器を入れて

 織っていました。

 相次いで大きな地震にみまわれた新潟は

 越後上布だけでなく 十日町紬、十日町友禅、塩沢などの産地でもあります。

 後継者となる世代が都会から戻らず また 親世代を都会に引き取ることで

 技術の断絶が起きてしまい

 伺うたびに 寂しい町になっていくのを目の当たりにしていますが

 辛抱強く 誠実な人たちばかりです。

 失くしてはいけない布たちを 守るためには

 着ることが一番です。

 私も越後上布は持ってませんが 十日町紬の着物や帯、塩沢などは持っておりますし

 夏はラミー糸ですが小千谷縮は手放せません。

 沢山お世話になっている新潟生まれの布たち。

 これからも 沢山着て いろんな人にお勧めしたいと思います。 

 

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山形は実直な紬、安心できる紬の宝庫です。

2017-03-05 16:05:44 | じざいやから全国の皆様へ

 先日は京都へ仕入れに行きましたけど

 京都の次に多く行くのが 山形と新潟です。

 どちらも産地紬と 個性豊かな作家さんがいますので

 行くのが楽しみな出張です。

 特に山形は美味しいものも多いですしね 

 3/17,18の2日間は 米沢から紅花の新田英行さんが来店されますので

 紅花を中心に山形の織物をご紹介してみましょう。

 山形で織物の町、といえば 米沢です。

 江戸時代の藩主、上杉鷹山(うえすぎようざん)によって 養蚕・織物が推奨されたこの土地は  

 最上川の紅花のように華やかな色もありますが 

 刺子や白鷹お召の板締め絣など 

 実直で細かな作業を強いるものがほとんどです。 

 絣の北限、といわれる白鷹の板締め絣は 大らかな沖縄の絣の対極にあるような精緻な絣です。 

 そうかと思えば 米琉(米沢琉球)のように 

 沖縄の絣を模しながら色、風合いに米沢独自のものを織り込み 

 北国らしい素朴で落ち着きのある紬も生まれました。 

 藩主の保護の元に工夫を重ね 

 地道な手技を積み重ねることで 

 米沢の織物は発展してきました。 

 華々しさはないものの 

 安心できる懐かしさと真面目なものづくりの丁寧さが 

 どの作品も現れています。 

 最上川流域で栽培された紅花は 1800年(寛政12年)には

 1000ヘクタールもの栽培面積が記録に残っています。

 最上紅花と呼ばれ、紅花一升金一升、とも言われ高値で取引されて

 ほとんどが京都へ送られて染め物や化粧品に使われていました。

 その後 いったん途絶えてしまいましたが

 昭和40年ごろに 新田秀次氏(故人・新田英行氏の父上)が

 復活させて広く知られるようになりました。

 刺の多い紅花は 朝露で刺が柔らかくなっている早朝に摘み取り

 発酵させて団子状にした 紅餅にされます。

 これを 梅の燻製から作る烏梅(うばい)で媒染することで

 美しい黄色や深い紅色に染めることが出来るのです。

 

 米沢は米沢牛も有名ですが

 牧場を見たことはないのです。牛さんはどこにいるんだろ~~

 お蕎麦が美味しいですね

 今年も行くことと思います。

 その時は山形のじざいやファンの方にも お会いできたらいいなぁと思います。

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古代布ファンにはたまらない静岡の葛布。

2017-03-04 11:53:42 | じざいやから全国の皆様へ

今回 京都への行き帰りの新幹線で富士山が見られませんでした。
いつも 車窓から大きな富士山が見えると
得したような 嬉しい気分になります。
静岡の方はいつも大きな富士山を眺めることが出来て良いですね~
静岡県は神奈川県のお隣、ということもあって在来線でも横浜に出られるので
地方としては比較的お客様の多い県になっています。
また 着物好きの多い土地柄のようで
着物屋さんも多いそうです。

静岡の特産といえば これからの季節、桜エビ?お茶や鰻もありますね。
着物界で言えば
浴衣や手ぬぐいを染める浜松の注染染、野趣に富んだざざんざ織。
そして掛川葛布があります。

ざざんざ織は 以前扱いましたが マニアック過ぎて売るのに苦労しました
結局 帯を2本仕立てまして 風合いの良い帯になりました
浴衣をほとんど扱わないので 注染についてはあまり縁がありませんので
(犬猫柄のオリジナル浴衣は注染で染めてもらいました)
じざいやで静岡、と言えば 葛布ですね

静岡の掛川は大井川に沿った町で
江戸時代に参勤交代の武士や旅人たちに葛布を売っていました。
葛布は麻にも似ていますが 水に強く乾きが早く
麻よりも保温性に優れていたため
雨具や道中合羽、道中袴として愛用されていました。
しかし 綿や絹が一般にも普及すると一気に絶滅への道をたどりました。
その後 明治30年代に壁紙として復活し 海外にも好評を得ましたが
やはり衰退していきました。

現在は かろうじて帯、そしてバックや財布などの小物として
残っています。

掛川の葛布は経糸に絹を使い 独特のいぶし銀のような光沢と
使うほどに柔らかく馴染んでくる風合いで
シナ布や藤布と共に 着物好きにはたまらない布となっています

静岡の皆様 いつもブログを読んで下さってありがとうございます。
これからも よろしくお願いいたします。
 

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