京都から戻って参りました。
現在 京都ではレンタル着物が花盛りで
この寒空の下に ポりの単衣のお嬢さんたちが
羽織も着ずに歩いていて 貸す方もなんとかしないのかなぁと
思ったりしています。
京都の町には着物が似合うだけに残念です。
京都には仕事で年に5回ほども行くでしょうか。
仕入れや 作家さん、工房などを回ります。
東京の築地に全国の魚が集まって売りさばかれるように
着物は全国から京都に集まってきます。
もちろん じざいやは それぞれの産地に直接足を延ばして
現場を見ていろいろお願いしてきますが
染め上がり、織り上がったものが 京都で渡されることも多いです。
最終的に生地を整える作業を京都でしているものも多いですし。
今回も 全国各地の作家さんに京都でお会いしました。
そもそも京都の染織文化は
平安の地に都が還され その後千年に及んで
雅な文化と共に花開いたのです。
その代表が 西陣織と京友禅でしょう。
西陣織、とは
今から500年ほども前の応仁の乱で西方の陣があった辺りで
織屋が集まったために呼ばれたもので
西陣、という地名はありません。
1つ1つの分野が高度に磨き上げられた分業制の産業です。
江戸時代には奢侈禁止令の対象にもされましたが
能衣装や豪商に支えられて織継がれました。
対する京友禅は江戸中期、元禄のころに完成したと考えられ
その名を冠した 宮崎友禅斉は 扇に絵を描く扇絵師でしたが
デザインの良さから 小袖の模様に起用されて
流行したところから 従来の染に独自の技術を加えて
友禅が完成されたとされています。
京都には 絹織物に適した湿度と
染に欠かせない良質の水がたっぷりとあり
四季折々の美しい風景を着るものに写し取りたい、とした
人々の心が京都を染織の都にしたのです。
柔らかものには あまり縁のないじざいやですが
やはり京都へ行くと 本場の美しい染、織を堪能でき
染織の歴史は京都の歴史でもあるのだなあと思います。
次回は桜の頃に行けると良いのですけど・・
私の母は京都の生まれで
幼いころには祖父の家に泊まって
京都のあちこちへ連れて行ってもらいました。
当時は市電が走っていましたっけ。
今 着物の仕事をしていますが
京都には縁があったのだなぁと思います・
(前世が見える、という人が言うには
私はかつて御所に着物を収める仕事をしていたのだそうです)
何度行っても 観つくすことの出来ない京都。
とてもお世話になっています。
これからも どうぞよろしくお願いいたします
西陣の老舗 帯屋捨松さんの八寸帯。
ポップなのに重厚感があるその存在感はやはり京都の歴史ならではのもの。
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=== 横浜元町・普段着物のじざいや 紬と木綿が得意です ====