じざいや的日常~きものがたり~着物が織りなす素敵な物語  

元町の着物屋・じざいやの紹介と着物で過ごす日々のこと。
犬猫や食べもののことなぞも織り交ぜて。

京都は染織の都。

2017-03-03 12:58:08 | じざいやから全国の皆様へ

京都から戻って参りました。

現在 京都ではレンタル着物が花盛りで
この寒空の下に ポりの単衣のお嬢さんたちが
羽織も着ずに歩いていて 貸す方もなんとかしないのかなぁと
思ったりしています。
京都の町には着物が似合うだけに残念です。

京都には仕事で年に5回ほども行くでしょうか。
仕入れや 作家さん、工房などを回ります。
東京の築地に全国の魚が集まって売りさばかれるように
着物は全国から京都に集まってきます。
もちろん じざいやは それぞれの産地に直接足を延ばして
現場を見ていろいろお願いしてきますが
染め上がり、織り上がったものが 京都で渡されることも多いです。
最終的に生地を整える作業を京都でしているものも多いですし。
今回も 全国各地の作家さんに京都でお会いしました。

そもそも京都の染織文化は
平安の地に都が還され その後千年に及んで
雅な文化と共に花開いたのです。
その代表が 西陣織と京友禅でしょう。

西陣織、とは
今から500年ほども前の応仁の乱で西方の陣があった辺りで
織屋が集まったために呼ばれたもので
西陣、という地名はありません。
1つ1つの分野が高度に磨き上げられた分業制の産業です。
江戸時代には奢侈禁止令の対象にもされましたが
能衣装や豪商に支えられて織継がれました。

対する京友禅は江戸中期、元禄のころに完成したと考えられ
その名を冠した 宮崎友禅斉は 扇に絵を描く扇絵師でしたが
デザインの良さから 小袖の模様に起用されて
流行したところから 従来の染に独自の技術を加えて
友禅が完成されたとされています。

京都には 絹織物に適した湿度と
染に欠かせない良質の水がたっぷりとあり
四季折々の美しい風景を着るものに写し取りたい、とした
人々の心が京都を染織の都にしたのです。

柔らかものには あまり縁のないじざいやですが
やはり京都へ行くと 本場の美しい染、織を堪能でき
染織の歴史は京都の歴史でもあるのだなあと思います。

次回は桜の頃に行けると良いのですけど・・

私の母は京都の生まれで
幼いころには祖父の家に泊まって
京都のあちこちへ連れて行ってもらいました。
当時は市電が走っていましたっけ。
今 着物の仕事をしていますが
京都には縁があったのだなぁと思います・
(前世が見える、という人が言うには
 私はかつて御所に着物を収める仕事をしていたのだそうです)

何度行っても 観つくすことの出来ない京都。
とてもお世話になっています。
これからも どうぞよろしくお願いいたします

 
 西陣の老舗 帯屋捨松さんの八寸帯。
 ポップなのに重厚感があるその存在感はやはり京都の歴史ならではのもの。

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長野県の方へ 一番触ってみて欲しい絶品手触りの広瀬さんの紬

2017-02-26 10:43:04 | じざいやから全国の皆様へ

 

 ひな祭りなので お雛様を出しました。

 ひな祭りは桃の節句、と言われますね

 実は硬い桃が好きでして 毎年信州から取り寄せしています。

 長野県は 美味しい果物が豊富でよいですね

 果物の郷であり 紬の郷である長野県。

 紬を訪ねて何度も行ってますが 食べ物のおいしい土地だと 

 いつもラーメンばかりの旦那も 

 土地のおいしいものを食べようと言ってくれるので嬉しいです。

 あ…虫系はダメです^^; 鯉は好きですけど。

 長野県には 信州紬、として伝統工芸品に指定されている

 上田紬、伊那紬、飯田紬 があります。

 日本一の養蚕、製糸量を誇った長野県ですから 

 必然的に糸の質も良く 糸を求めた作家さんたちも集まっています

 そんな中で 抜きんでて風合いの良いのが 飯田の広瀬さんの紬です。

 広瀬さんの信条は

 効率よく織りやすい布を織るのではなく

 織りにくくても 着やすさ優先の布を作ること。

 手おりの中の手織、と名付けられたその紬は

 触った人がみな驚く 軽さ、しなやかさ、ふっくらとした艶やかさです。

 繭から厳選され 糸作り、染、織を広瀬さんご夫婦のみでこなしています。

 現在は ご主人が怪我で作業が出来ないため 奥様一人です。

 手織りの中の手おり、の生産量は1年に10反ほど。

 経て糸を緩めて織る、という独特の 糸にストレスを与えない技法は

 広瀬さんご夫妻にしかできません。

 他にご近所に数名の織手さんを抱えていますが

 どなたも70歳以上の高齢で 経て糸を緩ます織は習得できませんので

 その方たちは 「草木染真綿紬」「上手な手織り」などの名前が付いています

 もちろん 手織の中の手おり、ほど ふっくらふわふわ、ではありませんが

 広瀬さんの眼鏡にかなった人たちばかりの ふっくら柔らかな紬です。

 養蚕の国、糸を熟知しているかたこそ生まれた 長野県が誇る絶品です

  こんな素晴らしい紬が生まれた 長野県。

 紬繋がりで いつも応援ありがとうございます。

 これからもよろしくお願いいたします

 
 ふわとろ~~~ 手おりの中の手織。

 
 耳の糸が飛び出すのは 経糸をゆるませうがゆえ緯糸を押し込む際にどうしても出る揺らぎの部分。

 
 手おりの中の手織り、お値段お問合せください。最後の1反、チャーミングセールに出しています。

 帯は帯屋捨松八寸 198,000円 → 138,600円


宮崎県の名品薩摩絣は大島紬の弟です。

2017-02-25 13:44:09 | じざいやから全国の皆様へ
2017年8月31日まで 決算セール中! こちらから!
本場大島紬の60%off、貴重な花織の帯60%off、秋支度も、夏物も、捨松帯もあります。
 
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今日のじいざいやのまかないは トン汁定食です
 
 トン汁と混ぜご飯。

 鶏肉じゃないので 薩摩汁ではありませんが

 トン汁と薩摩汁は兄弟みたいなもんですよね?

 薩摩汁に敬意を表して  宮崎県の方へ 薩摩絣と大島紬が兄弟というお話を。

 西郷さんが着ていた質素な井桁絣から 一変して

 高級な木綿織物として復興したのが 今の薩摩絣です。

 初期の薩摩絣は 琉球で織られて薩摩藩が管理販売をしていたため薩摩絣と呼ばれました。

 明治になり 失業した武士が 宮崎県内でも織るようになったものです。

 戦後 多くの紬が生まれた中で 途絶えてしまいました。

 奄美大島で大島紬を織っていた東郷織物は 強制疎開で宮崎県都城に移され

 そこで大島紬を織っていましたが

 この土地ではの新しい試みとして開発されたのが今の薩摩絣です

 東郷織物は 大島紬独自の繊細な絣をつくる締め機を開発した永江伊栄温の織元です。

 なので 宮崎県でこの締め機を使い

 東京の町でお洒落に着られる綿織物を作ろうということになりました。

 試行錯誤の結果 作品うぃ柳宗悦氏や 武者小路実篤氏に送ったところ好評で

 武者小路実篤氏からは 「薩摩絣 手織絣 誠実無比」という色紙が届いたので

 その字句がそのまま今でも 薩摩絣も商標となっています。

 東郷織物は 5年ほど前に 永江明夫氏が亡くなって 工房を縮小してしまいましたが

 締め機を使い 薩摩絣、本場大島紬、夏大島紬の3種類を織っています。

 大島紬の締め機がなければ 今のしなやかで美しい薩摩絣は生まれませんでした。

 80番手の細い糸で織られた薩摩絣は 木綿とは思えないほど

 しなやかで柔らかく、トロリ、と身体に沿ってくれます。

 永江さんが 宮崎県に移転しなければ生まれなかった薩摩絣は

 同じ締め機から生まれる 本場大島紬の弟なのです。

 宮崎の暑い日でも きっと心地よい着心地を約束してくれるでしょう。

 
 武者小路実篤氏の手による 「薩摩絣 手織絣 誠実無比 実篤」の文字が商標に。

 
 同じ東郷織物で織られる こちらは大島紬。

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愛知県にもう一度行きたい 有松絞り

2017-02-24 11:29:39 | じざいやから全国の皆様へ

 

 じざいやのブログをお読みくださり ありがとうございます。

 有松絞りの帯が届きましたので 

 今日は愛知県の方へお送りいたします。

 毎年6月に 有松市では 有松絞り祭りが開催されます。

 7年ほど前に私も行きました。暑い日だった・・・・

 とても素敵な龍の絞りの浴衣が

   でも 暑い中うろうろしてたら 冷たい水を下さったお店の方や

 沢山の方に声をかけて頂いたり 

 ひつまぶしと 味噌煮込みうどんも食べました^^

 名古屋は関西の中でも 京都とも違う 独特の華やかさが良いですね

 そして 良いものを見抜く目を持った方が多いなぁと思っています。

 また機会があったら行きたいです。 外郎も好き^^

 今でこそ 全国的に有名になった有松の絞り浴衣ですが

 10年ほど前までは 関東ではあまり見かけないものでした。

 有松絞りは 竹田庄九郎が 知多木綿、三河木綿を絞って作った手ぬぐいを

 宿場町で売ったのが始まりとされています。

 町全体が 絞りの伝統と共に生きていて

 有松・鳴海の女性は 幼いころから絞りの手ほどきを受けていて

 1つの家に一種類の絞りの技法で その絞り方専門であり

 一子相伝とされたものもありました。

 伝統的な鹿の子絞りだけでも 手結、横引き、縦引き、突き出しなど多種あり

 電柱のような太い棒を用いる嵐絞りなどは 男の仕事とされています。

 絞りは本来 原始的で世界中にある染の手法ですが

 美しい柄を出すまでには 熟練が必要であり

 芸術と言えるまで様々な技法を高めたのは日本だけの美意識でしょう。

 
 みちのく草木染紬に 有松絞りの帯。
     みちのく草木染紬 250,000円 → 175,000円
    有松絞り帯 138,000円 → 96,600円


 絞りは1つ1つ名前がついています、
 
 コーディネイトにも使った黒いのが 巻き上げ絞り。
 緑地に丸いのが 唐松帽子絞り  紫はみどり絞り。段々のが竜巻くも絞り。
  お値段はどれも同じです。
 
  ここまでお読み頂き ありがとうございました。

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じざいやから感謝を込めて。まずは福岡のお客様へ。

2017-02-23 16:48:31 | じざいやから全国の皆様へ

   春の嵐も過ぎたようです。

 今日は 遠く福岡からお客様がご来店くださいました。

 毎日 このブログを読んでくださって ありがとうございます。

 

 なんと このブログを読んで下さってる方は

 全国47都道府県に渡っていらっしゃることがわかりました。

 ネットの力とはいえ 本当に嬉しくありがたく 感謝しております。

 

 これから じざいやでは もっとネットに力を入れ

 このブログはもちろん、

 公式サイト FBページ、 

 メールマガジン(近く独自配信に変更します。その際は登録お願いします)を充実させて 

 もっと皆様の役に立つ、楽しい店になるよう頑張ります。

 

 今日から 応援して下さっている全国の皆様に感謝を込めて

 それぞれの地域の 染織や作家さんのお話を織り交ぜて

 じざいや的日本染織図鑑?を書いていきたいと思います。

 

 まずは 今日 ご来店くださったお客様の地元、福岡県から。

  福岡の染織、といえば 博多織と 久留米絣が 思い浮かびます。

 松枝家の久留米絣が好きで 先代玉記さんの作品も多く扱わせて頂きました。

 久留米絣は 昭和32年に国の重要無形文化財に指定されて

 @手くびりによる絣糸を使うこと 
   @純正の天然藍で染めること 
   @投杼の手機織で織ること  

   を条件とした藍木綿です。

 

 その 洗うほどに白が冴える、と言われる絣模様は

 井上伝、という女性がある日 着古した黒い仕事着の布がすれて

 白黒の斑模様になっているのを 解いて糸を見てみたら

 黒い糸がところどころ白くかすれていたので

 はじめから白黒の斑の糸で織れば面白い織物が出来るのではないか、と

 やってみたのがはじめとされています。戦後の教科書にも載った話だそうです。

 

 その後 絣を効率よく糸に移す創意工夫がされ

 絵絣久留米の基礎になりました。

 生活の中で生まれた久留米絣は 様々な模様を絣にして

 日常着の中に楽しみを味わうために織られました。

 

  
小川内龍一作 久留米絣 360,000円 → 180,000円 
石黒裕子 茜染絣帯 298,000円 → 208,600円

 

 福岡の皆様、 ブログを読んでくださり ありがとうございます。

 これからも 応援、どうぞよろしくお願いいたします。

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