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『ポアロのクリスマス』 アガサ・クリスティ

2015年04月06日 23時46分00秒 | ■読書
「アガサ・クリスティ」の長篇ミステリー『ポアロのクリスマス(原題:Hercule Poirot's Christmas{アメリカ:Murder for christmas})』を読みました。


終りなき夜に生れつくなぜ、エヴァンスに頼まなかったのか?NかMかに続き「アガサ・クリスティ」作品です。

-----story-------------
聖夜に惨劇は起きた!
一族が再会した富豪の屋敷で、偏屈な老当主「リー」の血みどろの死体が発見される。
部屋のドアは中から施錠され、窓も閉ざされているのに、犯人はどうやって侵入したのか?
休暇返上で捜査にあたる「ポアロ」は被害者の性格に事件の鍵が隠されていると考えるが…クリスマス的趣向に満ちた注目作。
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1939年に発表された「エルキュール・ポアロ」シリーズの長篇24作目となる作品です。

 ■第一部 十二月二十二日
 ■第二部 十二月二十三日
 ■第三部 十二月二十四日
 ■第四部 十二月二十五日
 ■第五部 十二月二十六日
 ■第六部 十二月二十七日
 ■第七部 十二月二十八日
 ■解説 霞流一



大富豪だが偏屈者の老人「シメオン・リー」がクリスマスに離れ離れの息子家族を、彼の住む「ゴーストン館」に呼び寄せるところから物語は始まります、、、

元々、ほとんど交流がなく、信頼関係のない四人の息子とその妻たち(三人)、そして初めて「ゴーストン館」を訪れた孫娘(亡くなった娘の子ども)と南アフリカから訪ねてきた「シメオン」の旧友の息子を自室に集め、「シメオン」は遺言状の変更を考えていることを仄めかし、息子たちへ挑発的な言葉を吐き掛け、一族が反目し合うように仕掛けます… その夜、「シメオン」が部屋の金庫に隠していたダイヤの原石が盗まれ、地元警察の「サグデン警視」が調査にやって来たクリスマスイヴの夜、「シメオン」は密室状態の自室で血まみれの惨殺死体で発見されます。


その殺人は密室にする必然性がないうえに、必要以上の出血があり、身体の弱った老人を殺害したにも関わらず激しい乱闘の形跡が残っており、謎のゴム片と木釘が残されているという、不合理な謎が残されていた、、、

息子やその妻、孫娘、旧友の息子、従僕等には、それぞれ動機や機会があるように思えた… 「ポアロ」は地元警察の警視「サグデン」や警察部長「ジョンスン」とともに真相を探ります。


誰が犯人でもおかしくない展開の中、孫娘「ピラール・エストラバドス」や旧友の息子「スティーブン・ファー」が偽者であることが判明し、疑いは二人に集中しますが、、、

これまた、まさかまさかの展開で、犯人とは思えない人物が真犯人でしたねぇ… 容貌がわかれば、ある程度、推理しやすかったかも。


もう一人、家族(「シメオン」の息子)が存在していたとは… しかも、その人物が捜査側にいたとは… 「アガサ・クリスティ」は、家族の愛憎を描くのが巧いですね。


登場人物が多く、序盤は少し入り込み難い面がありましたが、一人ひとりの特徴や性格が把握できた中盤以降は抵抗感なく読めました。


仲違いしていた息子たちや、偽者だった二人も幸せな未来が築けそうな明るいエンディングも良かったですね。


なかなか面白かったです。


以下、主な登場人物です。

「シメオン・リー」
 ゴーストン館の当主

「アルフレッド・リー」
 シメオンの長男

「リディア・リー」
 アルフレッドの妻

「ジョージ・リー」
 アルフレッドの弟、国会議員

「マグダーリン・リー」
 ジョージの妻

「デヴィッド・リー」
 アルフレッドの弟、画家

「ヒルダ・リー」
 デヴィッドの妻

「ハリー・リー」
 アルフレッドの弟

「ピラール・エストラバドス」
 シメオンの孫娘、ジェニファーの娘

「スティーブン・ファー」
 シメオンの旧友の息子

「エドワード・トレッシリアン 」
 ゴーストン館の執事

「シドニー・ホーベリー」
 シメオンの従僕

「サグデン」
 アドルスフィールド警察署警視

「ジョンスン」
 ミドルシャー州の警察部長

「エルキュール・ポアロ」
 探偵









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