「青は藍より出でて、藍より青し」(出藍の誉)ではないが、青でも空色でも紫でもない藍は、ジャパンブルーなどとも呼ばれ、日本人に愛される自然の草木(汁)染めの代表として、多くの人々に馴染まれている。
NHKの大河ドラマ「青天を衝け」の主人公渋沢栄一の生家”藍玉”で、広く知られる。栄一は、藍玉の原料タデ科の植物アイを耕作する農家というよりは、その茎や葉を買い付けし、染料となる藍玉を製造販売するいわば半農半工を家業にした。文字通り出藍の誉の人で、わが国の経済人の祖。
求められて止まないジャパンブルーの青や藍色。藍染めの藍は、その色だけで求められているわけではない。肌につけた感触が何とも言えず人々にウケている藍色の布だが、藍の匂いが蛇などに嫌われたり、防虫殺菌効果あると言われたり、肌荒れや皮膚病にもいい(効く)という。
以上、藍の色や染料の話だが、夏はとにかく”青色”の花が 心を涼しくしてくれる。赤、ピンク、オレンジや黄色など多彩な花色の薔薇でさえ、青色の花が探求されているという。ユリやカーネーションや菊なども同じらしい。
青い花といえばいま、ネモフィラが真っ盛り。ヤマアジサイやエゾムラサキやアヤメなども、いい青色を演出している。農道脇のオオイヌノフグリやムスカリや勿忘草などが、小さな青い花を咲かせている。春竜胆や池や川のホテイアオイなどの青も涼しい。