Quelque chose?

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「最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか」

2021-05-05 | 本・映画・テレビ
 
Disaster.

その結末を、現在の我々はあらかじめ知っている、悲劇の数々。

かつて起こった「最悪の事故」について、その端緒(ほとんどはほんのちょっとした失念や不注意)から悲劇的な結末に至るまでを、技術的、心理的な視点から、まるで読者がその現場を見ているかのように解説する一冊である。
スリーマイルやチャレンジャー、インド・ユニオンカーバイド社の殺虫剤事故など有名なものから、すんでのところで事故を回避した事例まで、時系列的に「何がいけなかったのか」を解き明かしていく様子はスリリングであり、また現場で事故回避のために奮闘していたであろう人々が「〇〇人が死亡した」という結末となる胸の痛みもあり、比較的厚い本であるが一気に読ませるものがある。

著者は技術評論家のジェームズ・R・チャールズ氏で、その知見の幅広さには驚かされる。
失敗や事故の事例からは学ぶことが多い。事故で愛する人を亡くすことがないように、まずは日頃のルーティーンや情報のリニューアルを怠けることがないように心がけたいと思う。

"好むと好まざるとにかかわらず、トラブルシューティングと判断力行使という能力は、限界ぎりぎりのところで動いている高度なテクノロジーのなかで人間だけが発揮できる、数少ない技能なのだ。"(本文より引用)



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