アントニオ・ガデスとカルロス・サウラの作品、舞踏劇「カルメン」をYouTubeで観た。
マドリードのレアル劇場Teatro Real de Madridでの2011年公演。主演は、カルメン: Vanesa Vento、ドンホセ:Angeli Gil。
CARMEN by Antonio Gades & Carlos Saura | Teatro Real de Madrid | ANTONIO GADES COMPANY
これは単純な「カルメン」ではなく、「カルメン」という舞台を演じる劇団の中で物語が進むという、「劇中劇」の形を取っている。むろんフラメンコなのではあるが、ビゼーの音楽も使われているし、「カルメンの役者」はやっぱりカルメンだ。エスカミーリョは「闘牛士」として登場する。
舞台装置はきわめてシンプルで、全体に落とし気味の照明。
静と動、歌唱(カンテ)と手拍子(パルマ)が入り混じる、フラメンコの格好よさが凝縮されたような舞台。
特に、全身の筋肉を緊張させて直立しステップを踏む男性の踊り手(バイラオール)の格好よさが際立っている。まるで時代劇の殺陣のようである。
ギター、カンテも素晴らしい。
最後はカルメンらしく(?)悲劇で終わる。
カーテンコールまで見応えあり。
有名な作品なのでこれまでにも観た方は多いと思うが、フラメンコやダンス、カルメンの物語が好きな方であれば、このStay Home期間にまた観てみてはいかがでしょう。