Quelque chose?

医療と向き合いながら、毎日少しずつ何かを。

“若いママと飲酒”

2019-04-23 | 医学・医療・健康

女性のアルコール問題がご専門の、国立病院機構久里浜医療センター精神科 岩原先生から、取材を受けたという記事を教えていただいた。

育児中に公園で…若いママの“公然飲酒”が目立ち始めたワケ

タイトルはやや大げさにも思うが(別に大勢のママが公園で飲んだくれてるわけではない…ですよね?)、確かに「女子飲み」というのはよく聞く。

ママ友と飲むこともあるだろうし、場合によっては保護者会でちょっと乾杯することもあるだろう。

子育て中であっても、酒に浸って子どもに構わないというなら虐待かもしれないが、息抜きだってしたいだろうし。

とは言え、飲酒をするということは、心身になんらかの負担をかけることでもある。

最近、「ちょっとならお酒は健康に良い」という考え方を否定する報告があって議論を呼んでいるし、特に女性はアルコール代謝がやや弱いということを意識していないと、健康を損ねることもありうる。

以下、先の記事から抜粋すると:

「飲酒は月経周期を乱し、生殖能力に悪影響を与えることが分かっています」(岩原氏)というから、授乳期を過ぎていても次の子が欲しい時はやめたほうがベターだ。

また、女性は男性に比べてアルコールの代謝能力が低く、大量飲酒による肝疾患やアルコール依存症の進行も早い。酒量が増えると乳がんのリスクも高まるとか。」(引用終わり)

別の記事も紹介しておくと:

 お酒を飲むと「癌」や「認知症」のリスクが上がる? 英国で驚きの研究結果 (1/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

 
お酒の飲み方には、その人の生き方が現れる、ような気がする。その「生き方」には、健康状態も含まれている。
皆様、女性も男性もその他の方々も、心とカラダにこたえない飲み方で、酒を飲む時間を楽しみましょう。
 
岩原先生、ありがとうございました。

長期の運動習慣は関節リウマチの発症を予防する?

2019-04-12 | 医学・医療・健康
女性における長期間の身体活動と、関節リウマチとの関連を見た前向き研究です。運動習慣はリウマチを予防するのか?ということで、抄録をかいつまんで紹介。 

Liu X et al.
Long-term physical activity and subsequent risk for rheumatoid arthritis among women: A prospective cohort study.
Arthritis Rheumatol. 2019 Mar 28. doi: 10.1002/art.40899. [Epub ahead of print]

アメリカの有名な女性のコホートであるNurses' Health Study II (1989-2015)を用い、身体活動について質問票で調査するとともに、関節リウマチの発症の有無について被験者の自己申告と病歴・臨床データから調査し、運動とリウマチとの関連を検討したというものです。

この関連を調べるにあたっては、初期のリウマチになってからでは運動量が落ちてしまって結果が偏る可能性があるため、リウマチの診断前2〜8年間(つまり、まだリウマチによる運動制限がない頃)において、どのくらい運動(recreational physical activity)していたかを検討しました。

検討の結果、

113,366人の女性の調査で、 2,428,573 人年(人数x年)の追跡期間の間に、506人がリウマチを発症していました。

そこでリウマチに関連しそうな、喫煙、食事の質、それに18歳時のBMI(body mass index)などの交絡因子を調整してみると、

運動した時間(cumulative average total hours of recreational physical activity)が多いほど関節リウマチのリスクが低かった(例えば1週間に7時間以上運動した人は、HR (CI): 0.67(0.47,0.98) ・・なので約3割のリスク減少)、ということが判明しました。

ううむ。

いやまだ原文を読んでいないんですが、どんな運動をしていたのか(どの筋肉や関節にどのような負荷をかけていたのかとか、結果、筋肉量や体組成はどうなっていたのかなど)興味深いです。(そのうちeスポーツもスポーツに含めないといけないか?)

ただ、別に運動不足だからリウマチになるとか、アスリートだから免疫疾患にならないとか、そういうことでもないのですよね。

さらなる検討は続きます。


「大気汚染と自己免疫疾患」

2019-04-10 | 医学・医療・健康
Annals of the Rheumatic Diseasesに掲載予定の記事一覧から。
台湾から、大気汚染と全身性自己免疫疾患との関連についてのletterが出るようです。

Kuo-Tung Tang et al.
Relationship between exposure to air pollutants and development of systemic autoimmune rheumatic diseases: a nationwide population-based case–control study

大気汚染暴露と全身性自己免疫疾患との関連についての症例対照研究ということで、自己免疫疾患(SLE、関節リウマチ、強皮症、自己免疫性筋炎)の患者さんと、これらの疾患のない対照群について、住んでいる場所における長期間の大気汚染との関連を検討したものです。

大気汚染については、二酸化硫黄(SO2)、二酸化窒素(NO2)、オゾン(O3)、一酸化炭素(CO)、 PM10の各濃度、およびこれらの濃度から算出されるPollutant Standards Index (PSI)を用いて、台湾各地368地区における年間の平均的な汚染度を推定しています。

その結果、
SLEについて、二酸化窒素(NO2)暴露レベルとSLE発症との間に正の相関 (OR 1.46, 10 ppb増加ごとに95% CI 1.03〜2.08)、また一酸化炭素(CO)レベルとは負の相関 (OR 0.29, 95% CIは1 ppm増加ごとに0.12〜0.70)が見られました。多変量解析でも同様の結果が得られ、長期間の二酸化窒素(NO2)への暴露が炎症反応を起こす一方、一酸化炭素はなんらかの内因的な抗炎症作用を示すのであろうと推測されています。

(ただ、figureを見るとCOに関しては、他の疾患ではあまりはっきりした傾向がないように思えるのでちょっとどうかな・・・と(個人の感想です))

一方、二酸化硫黄SO2への平均暴露レベルは、リウマチと筋炎の患者さんで対照に比べ有意に低く、その他の疾患でも有意でないものの低い傾向であったということです。 ・・が、こちらについても「その他の疾患」のデータは結構ばらけているようで、まだまだ今後の検討が必要に思います。

ちなみに、PM2.5についての検討も結果には出ていますが、特に有意な所見は見られていません。

うーんどうなのか。

ということで、結果としては今回、SLEについて、大気汚染と発症との間に関連が示されたということです。とは言え個人的には、リウマチについても何らかの(ぱっと見てすぐに明らかになるものではないかもしれませんが)病態との関連があってもおかしくないと思っていますし、少なくとも、皆様、気管支や肺の健康に気をつけていただきたいです。

さらなる検討が(まだまだ)必要ですね。


ふくしま、花見山

2019-04-06 | 日記
福島での仕事が終わってから、ちょっとだけ足を伸ばして花見山に行ってきた。
好天で桜満開の時期、またお昼時とあって大変賑わっていた福島駅。東口にできていた臨時の手荷物預かり所にスーツケースを預け、花見山公園行き臨時シャトルバスへ。福島駅東口で降りれば、アクセスには迷わない。
花見山公園一帯は福島市渡利地区の花木生産農家の方々の集落、特に花木農家の阿部さんご一家の山から成る風景で、福島市と、多数のボランティアスタッフの方々の努力によって維持・解放されている、福島が誇る花の名所だ。写真家の故・秋山庄太郎さんが、「福島に桃源郷あり」と感嘆したことで知られている。桜のみならず、四季折々の花々が咲き競い、私有地であるため誰かが宴会をしているようなこともなく、純粋に花を楽しめる。
駅からバスで約15分で、バス乗降場に到着。
菜の花や木瓜を眺めながら歩く。いい天気。
しばらく歩くと、「花見山公園観光案内所」が見えて、そこからが見学コース。
「30分コース」「45分コース」「60分コース」が設定されていて、30分コースにしよう(新幹線の時間があるので…)と花見山を登り始めるが、結構勾配がきつい。
登り口では杖を貸し出しているので、必要な方は借りてみては。そうは言ってもやはり健脚でないときつそうだが、車椅子でも通れる、途中までのコースもあり、十分に桜の風景を楽しめると思う。
まるで、花に囲まれて歩いているよう。
あまりに素晴らしいので、「60分コース」のルートにして、山頂付近まで行くことにした。時間はあくまで目安なので大丈夫。
山頂展望場からの眺め。
吾妻連峰、福島市を一望。
そこからはまた、結構急な下り坂。
早足で下ったので、明日、脚にきそう…!
でも、途中にある「桜のトンネル」では、まさに満開の桜の中を、ふわふわした気分で通った。
バス乗り場に戻る途中、「物産ひろば」では、スタッフの方々が、観光客に数種類の花の枝を配って下さっていた。私は、いただいた花の名前を聞きそびれてしまったのだけど、花桃かな。そのあと、出店していた柏屋の限定「サクラミルク」を買った。
このお花と一緒に、東京に帰ってきた。素敵な春の一日だった。

「汁や 東京駅店」

2019-04-05 | グルメ
今日は東京駅にて、茅乃舎のイートインである「汁や 東京駅店」に入ってみた。
いつもは通り過ぎていたが、今日は空いていて、すぐ案内していただけた。先に注文と会計をしてから席に着くスタイル。カウンター席がメインで、お一人様が多いようだ。
メニューは4種類。ちょっと迷ったけれど、「九州の豚汁セット」にした。「とんじる」ではなくて「ぶたじる」である。
最初に温かいだし汁が小さなお猪口で供されて、東京駅の混沌から抜けてきた身にほっこり。(今日、お店に入る時点ではまだそれほどの人混みではなかったけれど)
次いで、豚汁、かしわ飯、冷奴、香の物。
「九州の豚汁」は霧島産豚肉はもちろん、根菜やねぎも美味しいけれど、ごろごろとさつま芋が入っている。程よい甘みと、煮崩れしてない柔らかさ。
(さつま芋は沈んでいて見えません。すみません(汗))
普段はいわゆる洋食を好む私(出汁をちゃんと取ろうと誓ったあの日はどこへ…)ではあるが、やはりきちんとお出汁のきいた和の食事を口にすると、静かな活力をいただける感じがする。
美味しかったです。