産業医研修として開催された、ANA機体工場見学に参加してきた。
以前から憧れの機体工場見学。
今回は研修ということで、おじさんおばさん(全員医師)の団体での見学となった。
羽田の機体工場着。
入館手続きをして入館証を首から下げると、まず、ホールでパワーポイントとビデオを使った説明を受ける(もちろん、一般のお客様も一緒なので医学的な内容ではなく、普通の説明)。
途中でクイズも。
一機の飛行機が離陸するまでに、早朝から、というより前日から、見えないところでどれだけのスタッフがオペレーションを行なっているかの流れがつかめた(もちろん、映画『ハッピーフライト』を思い出すわけである)。
乗客にもいろいろな人がいるだろうし、天候や空港の状況も変わる中、飛行機を飛ばすということは大きなプロジェクトのようであるが、日々それが数え切れないほどの数、さばかれているのが空港なのだ。
そしていよいよ、ヘルメットをつけて格納庫へ。
廊下を抜けて、広い格納庫に入ると、やはり「おおっ!」と声が上がる。
個人的には、入社式はここでやるんだなあと思ったが、確かそうでしたよね。
3階から、2階、1階と降りながら、格納庫や機体、羽田空港についての説明を受けた。
この日は晴天であり、作業する人もいなかったので、格納庫内外、またすぐそばを離陸していく機体が陽の光を浴びてきらめいていた。
もちろんその途中では、整備士の皆さんが日々使っている工具の入った箱がずらりと並ぶスペースや、外されたエンジンなども見ることができた。
今回はこれでおしまいであったが、
産業医としてはここから学んでいかなければならない。
機体整備は24時間で行なっており、また四季を通じて格納庫は外気温での作業である(こんな広いところをエアコンで調整することはできないし)。
ということは、深夜作業やシフト勤務によるストレス、気温や湿度、また高い位置での作業があることから落下(人やモノ)の可能性もある作業場ということになる。また、格納庫内は広大なので各種自動車等も走っており、一つ間違えば交通事故も起こりうる。
さらに、ここでの工程ミス一つが大勢の人命に直結することから、作業あるいは管理する方々の健康管理は、一つの社内を超えて、社会的影響を及ぼしうる重要な課題なのだ。
ちなみに航空会社全体では、グランドスタッフもいれば上空で過ごすスタッフもおり、このように工具で作業する方々もおられればパソコンでデータ解析する方もおられるわけで、このように勤務条件の異なるすべての方々の健康を守ることで、フライトの安全が保たれるということになるのだな。社内各グループに、それぞれ産業医や産業看護師の方々が大勢おられるのであろうが、ぜひ先進的な取り組みをして頑張っていただきたいです。
・・などとつらつら考えつつ見学を終えて出てくると、
そこには売店が。
・・・ANAグッズなどを、ついつい買ってしまうわけである。いや買わなくてもいいんですけども、ついつい。
こんな感じの↓
なお、見学を終えたら、ちょっとした記念品がいただけました。
案内して下さったANAの皆様、ありがとうございました。
※上の写真はANAに掲載許可をいただいたものです。