Quelque chose?

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映画「キャロル」

2020-11-08 | 本・映画・テレビ
「キャロル」を観た。
2015年公開の映画である。



女性同士の恋愛を描いたもので、演技が素晴らしい…程度の前知識であったが、

確かに、
深く心を揺さぶられる作品であった。

1950年代のニューヨーク、クリスマスの時季。
華やいだデパートメントストアで買い物をする人々、
バーで語り合う若者たち、
クラシックカーのガラス窓を通して見るぼやけた街の光、
シガレットの煙、

そういった風景のなかで、

それぞれに葛藤を抱えたキャロル(ケイト・ブランシェット)とテレーズ(ルーニー・マーラ)が出会うのだ。

キャロルの美しさ、哀しさ、テレーズの若さ、迷い、
それらが渾然となって、
やがて二人の関係性が深まっていく。

女性と女性の恋愛ではあるのだろうが、
それは肉欲的な衝動というよりは人間同士が慰め合い、愛おしさを確かめ合う存在確認であったのかもしれない。

ラストシーンは余韻を残す。
「日常」が戻った二人がこの先どういう日々を過ごしていくのか、
映画の時代を歴史として知る我々はさまざまに想像することになるからである。

ケイト・ブランシェットもルーニー・マーラも素晴らしい。
撮影や音楽もスタイリッシュである。古き良き(密な!)ニューヨークをしばし体験できる。

大人が夜、ゆっくり観るのにおすすめである。特にクリスマスの頃に。






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