☆映画の旅の途中☆

色んな映画をどんどん観る旅

『悲情城市』(1989)

2013年12月14日 | 西洋/中東/アジア/他(クラシック)
『悲情城市』(1989)

ホウ・シャオシェン監督、リー・ティエンルーさん(林阿祿)、チェン・ソンユンさん(林文雄)、ジャック・カオさん(林文良)、トニー・レオンさん(林文清)出演。




【STORY】
1945年から1949年までの台湾の激動の4年間を背景に、ある一家のたどる変遷を描くドラマ。

【感想レビュー】
さらさらと流れるように展開されるストーリーが心地良く、気付くと終わっていました。
159分もあるのに‼

あえて俯瞰で観るように作られているように感じました
映像を観ているのに、それはとっても不思議な感覚なのですが、本を読んでいるようなのです。。

そうすると、ある家族を中心に描かれているのですが、その背景にある時代の空気、動きが透けて見えてきます。

1947年2月28日に台湾の台北市で発生した二・二八事件は、当時、その話を口にする事すらタブーだったそうです。
傷ついた心を話す事で癒やす事も許されず、心の奥底に秘めてきた台湾の人たちにとって、この映画は、センセーショナルに受け入れられたのだと思います。

映画を観ると、確かにその時代の空気感や考えが伝わってきます。歴史の本をいくら暗記しても分からない、その温度を強く感じる事が出来るのです

観る事が出来て良かったです‼またまた大切なDVDをお貸しくださったさるお方に、感謝したいと思います

【二・二八事件】
1947年2月28日に台湾の台北市で発生し、その後台湾全土に広がった、当時はまだ日本国籍を有していた本省人(台湾人)と外省人(在台中国人)との大規模な抗争。
約40年後、戒厳令の終了と政府側の遺族への謝罪によりようやく終結した(Wikipediaより)







『友だちのうちはどこ?』(1987)

2013年12月14日 | 西洋/中東/アジア/他(クラシック)
『友だちのうちはどこ?』(1987)

監督・脚本・編集 : アッバス・キアロスタミ
ババク・アハマッドプール - アハマッド
アハマッド・アハマッドプール - モハマッド・レダ・ネマツァデ
ホダバフシュ・デファイ - 先生
イラン・オリタ - 母さん
ラフィア・ディファイ - おじいさん
(Wikipediaより)




【STORY】
友だちのノートを間違って家に持ち帰ってしまった少年が、ノートを返すため友だちの家を探し歩く姿を描いた、子供についての映画。

【感想レビュー】@theater
主人公の少年の表情!!惹き込まれました

先生、母親、お祖父さん、二階のおばさん、ドア業者のおじさん…出てくる大人、出てくる大人、皆ちゃんと彼の話しにまともに耳を傾けてくれないのです

だんだんに、私まで心細くなっていきます。
思い出すのです、きっと。
小さい頃の自分を。

子どもの頃に、周りの大人に何を言っても、子ども扱いされて聞く耳を持ってくれなかった時の事。
上手く説明が出来なかった時の、相手の大人の困惑した顔…。

そうすると、たちまち胃がキュッとして、心細くなって、もうこの世の終わり位な気持ちになってしまった事…

今から思うと、そんな風に途方に暮れてしまう子どもを愛おしく思うのですが…

また、友だちのノートを持って、違う地域に行く時の、画面を下から上に向かってジグザグに行く道が、なんか好きです

隣街まで走って走って、走る!!
気分は最悪でしょう。
肝心の、その友だちのうちを知らないのですから!!

自分のせいで、友だちに迷惑をかけられない!という、そのひた向きさにグッときます。


冒頭の、教室で隣の同級生が泣くシーンは凄かったです。
本当に、わぁわぁ泣くのではなくて、掠れた嗚咽を上げながら泣く男の子の同級生…いたなぁ!!って、思い出して、一気に自分もその教室に座っている心地になりました

実はこのシーンには裏話がありました。
上映後の横浜聡子監督のトークで知りましたが、撮影日誌によると、そのシーンは助監督が全然別の事を言ってその少年を泣かしたとの事
先生の声は、後から入れたそうで…。

横浜監督によると、子ども達の自然でリアルな表情を引き出す為に、キアロスタミ監督は、ストーリーとは全然関係のない面からアプローチをしている。そこがキアロスタミ監督の映画の撮り方で、映画って怖いなと思うのだそう。
(ちょっと違うかもしれませんが、確かこのようなお話しをされていました。)


大人の言い分は、実に自分勝手!
それで絶対に自分が正しい!という言動になんとも辟易しますが…自分も気を付けないとイケマセンね…