『台湾アイデンティティー』(2013)
酒井充子監督、高菊花さん、黄茂己さん、鄭茂李さん、呉正男さん、宮原永治さん、張幹男さん出演。
【概要】
台湾の<日本語世代>と呼ばれる老人たちを追った「台湾人生」の酒井充子監督が、再び彼らの人生と戦後台湾の埋もれた年月を見つめ直すドキュメンタリー。舞台を台湾、ジャカルタ、横浜へと移しながら、日本統治時代を経て、第二次世界大戦、二二八事件、白色テロの時代を生き抜いた老人たちに寄り添っていく。(Movie Walkerより)
【感想レビュー】@theater
またずっと観たいと思っていた1本を観る事が出来ました!
日本が島国だからか、はたまた近代史を学校では端折って学習するからなのか…、海の向こうで日本語を話す世代がいる事を、一般的には忘れがちなのかなぁと思います。。
戦後68年…そう遠くはない昔に、何があったのか…。
日本が敗戦し、終戦した日、台湾にとっては祖国が返ってきた筈でした。
けれどもその時点で日本統治時代は約50年…。
ドキュメンタリーには様々な立場の方が登場します。
日本が敗戦してしまったから、日本人になりそこねた、とお話しする方。
あの機会に、当時大人だった世代が、もっとしっかり台湾の独立を声高に叫んでいれば、台湾の独立はもっと早まっただろうと、とお話しする方。
日本にとって代わって中国の圧政が始まり、台湾に帰ろうにも帰れなくなった方…。
白色テロで父親を亡くされた方…。
印象的だったのは、“生まれた時代が悪かった”とお話しされる方や“これが運命だった”とお話しされる方の表情…。
こういうドキュメンタリーは、当事者に聞く事など不躾過ぎて到底出来ない事を、質問するわけで…。
インタビュアーにとっても、答える側も、とても覚悟がいると思うのです。
ましてやこの世代の男性は、弱音や泣き言をよっぽどでなければ口にしない世代…。
始めは笑顔でお話ししているけれど、ふいに涙を見せる瞬間は、虚を突かれて胸が熱くなります…。
涙してしまいます。
高菊花さんは、父親を白色テロで亡くされ、ご自身も政治的な活動に関わっているのではないかという疑いをかけられ十数年にも及ぶ尋問を秘密警察から受け続けたそうです。
それでも彼女は、ご自身の人生を、色んな事を経験する事が出来て良かったと振り返ります。
女性は…強いですね!!
今年は、台湾映画を沢山観る事が出来ましたし、このドキュメンタリーを観る事が出来て、色んな事が線で繋がってきました。
ドキュメンタリーを観ると、いつも背筋が伸びます。
ノンフィクションだからだと思います。
その皺も、その嗄れた声も、その人自身の歴史なのです。
観て本当に良かったです‼
酒井充子監督、高菊花さん、黄茂己さん、鄭茂李さん、呉正男さん、宮原永治さん、張幹男さん出演。
【概要】
台湾の<日本語世代>と呼ばれる老人たちを追った「台湾人生」の酒井充子監督が、再び彼らの人生と戦後台湾の埋もれた年月を見つめ直すドキュメンタリー。舞台を台湾、ジャカルタ、横浜へと移しながら、日本統治時代を経て、第二次世界大戦、二二八事件、白色テロの時代を生き抜いた老人たちに寄り添っていく。(Movie Walkerより)
【感想レビュー】@theater
またずっと観たいと思っていた1本を観る事が出来ました!
日本が島国だからか、はたまた近代史を学校では端折って学習するからなのか…、海の向こうで日本語を話す世代がいる事を、一般的には忘れがちなのかなぁと思います。。
戦後68年…そう遠くはない昔に、何があったのか…。
日本が敗戦し、終戦した日、台湾にとっては祖国が返ってきた筈でした。
けれどもその時点で日本統治時代は約50年…。
ドキュメンタリーには様々な立場の方が登場します。
日本が敗戦してしまったから、日本人になりそこねた、とお話しする方。
あの機会に、当時大人だった世代が、もっとしっかり台湾の独立を声高に叫んでいれば、台湾の独立はもっと早まっただろうと、とお話しする方。
日本にとって代わって中国の圧政が始まり、台湾に帰ろうにも帰れなくなった方…。
白色テロで父親を亡くされた方…。
印象的だったのは、“生まれた時代が悪かった”とお話しされる方や“これが運命だった”とお話しされる方の表情…。
こういうドキュメンタリーは、当事者に聞く事など不躾過ぎて到底出来ない事を、質問するわけで…。
インタビュアーにとっても、答える側も、とても覚悟がいると思うのです。
ましてやこの世代の男性は、弱音や泣き言をよっぽどでなければ口にしない世代…。
始めは笑顔でお話ししているけれど、ふいに涙を見せる瞬間は、虚を突かれて胸が熱くなります…。
涙してしまいます。
高菊花さんは、父親を白色テロで亡くされ、ご自身も政治的な活動に関わっているのではないかという疑いをかけられ十数年にも及ぶ尋問を秘密警察から受け続けたそうです。
それでも彼女は、ご自身の人生を、色んな事を経験する事が出来て良かったと振り返ります。
女性は…強いですね!!
今年は、台湾映画を沢山観る事が出来ましたし、このドキュメンタリーを観る事が出来て、色んな事が線で繋がってきました。
ドキュメンタリーを観ると、いつも背筋が伸びます。
ノンフィクションだからだと思います。
その皺も、その嗄れた声も、その人自身の歴史なのです。
観て本当に良かったです‼