☆映画の旅の途中☆

色んな映画をどんどん観る旅

『うつしみ』(2000)

2014年04月06日 | 園子温監督☆映画
『うつしみ』(2000)

監督:園子温
おでん屋の男 鈴木卓爾
少女:澤田由紀子

【作品概要】
“うつしみとは現身、現世(うつしよ)の身の現身なり“との解釈のもと、写真家・荒木経惟の撮影現場やデザイナー・荒川眞一郎のパリ・コレ、舞踏家・麿赤児の活動ドキュメンタリーと主人公の女子高生が男を求めてただひたすら疾走する、青春ドラマが同時進行で繰り広げられる。(ぴあ映画生活より)

【感想レビュー】
なんと形容してよいか、分からない。
形容される事を拒む映画のようにも感じる…けれども!何なのかよく分からないけど、面白いっ!

なにせ次はどういう展開になるのか、全く先が読めないのだから…

そもそも、ドキュメンタリーとフィクションのストーリーが1本の作品世界に収まっているのも凄いし、ふいに心奪われるアートなカットもあったりする。この編集のテイストは、『MAKE THE LAST WISH』にも通じる何かで、作品精神は、『恋の罪』に繋がるものを感じたりする。そういえば、両作品とも渋谷の街が舞台だ。

“現身よ、その豊かな空洞を愛せ”

“花のない花瓶よ
コーヒーカップよ
己の空洞をもてあます者よ
虚身よ
毅然としていろ
器よ
現身よ”

これらの観念的な詩と、ハチャメチャな映像のコントラストと、そのハチャメチャにも思えるシーンの根底にある精神に、ただただ、驚愕するのであります…

そしてラストの方は、カメラや音声マイクが映ったかと思えば、もうカメラマン達も映っていて、ある種撮影現場のドキュメンタリーになっていて、そういうのも面白いし、実験的な映画が好きな方にはお勧めな作品です