☆映画の旅の途中☆

色んな映画をどんどん観る旅

『リヴ&イングマール ある愛の風景』(2012)

2013年12月13日 | 西洋/中東/アジア/他(1990年以降)
『リヴ&イングマール ある愛の風景』(2012)

ディーラージ・アコルカール監督。


【作品概要】
スウェーデンを代表する巨匠、イングマール・ベルイマン監督と、公私にわたるパートナーだった世界的女優リヴ・ウルマンの愛の軌跡を追ったドキュメンタリー。『叫びとささやき』『秋のソナタ』など映画史に輝く傑作を世に送り出してきた二人の愛憎せめぎ合う葛藤の日々、またそれを超越した深い友情を描き出していく。撮影風景の数々や未公開資料と共に浮かび上がる二人の強固な絆、2007年に亡くなったベルイマン監督への思いを語るリヴの姿が胸を打つ。

スウェーデンの巨匠イングマール・ベルイマン監督と、そのミューズとなった女優リヴ・ウルマンは1964年、『仮面/ペルソナ』の撮影で恋に落ち、5年間一緒に同居し一女を授かる。その後カップルとしては別れることになるが、40年以上に及ぶ愛憎を超越した深い関係を築き、『叫びとささやき』『ある結婚の風景』など数々の傑作を作り上げていく。(Y!映画より)

【感想レビュー】@theater
夏にベルイマン特集を観たので、関連して是非観ようと思っていました

リヴが色々と思い出しながら、懐かしく話したり、間に作品の映像を挟んだりしながら展開していきます。

二人の深い絆が伝わってきます。公私に渡ってのパートナーであり、関係が終わった後も仕事のパートナーであったので、そういう信頼関係には、強く引き寄せられる物が二人にはあったんだろうなと思いました

間に挟まれる作品が、断片だけなのにもう観たくて仕方なくなるのですが…
しかもメイキングもちょびっと

こちらを観た後に『秋のソナタ』を観たので、すぐにあのシーンはここか!と繋がって、より一層楽しめました

『サラバンド』も観たいですけど、小津監督特集にも行きたいですし、身体が幾つもあれば…



『夜の第三部分』(1972)

2013年12月12日 | 西洋/中東/アジア/他(クラシック)
『夜の第三部分』(1972)

アンジェイ・ズラウスキー監督、ミハウ - レシェック・テレシンスキーさん、マルタ - マウゴジャータ・ブラウネックさん、ヤン - ヤン・ノヴィツキさん出演。




【STORY】
第二次世界大戦中のポーランドを舞台に、ナチス・ドイツによって妻子を殺された男が体験する不思議な出来事を通して、ポーランドが置かれてきた不条理な歴史を描く。

【感想レビュー】@theater
ポーランド映画祭にやっと行けました
…と言っても、1本しか観れませんでしたが、大盛況でした

観ている時も、観終わった後も、尾を引く映画でした!
ずっと←こんな顔で観てましたけども…🌀

少し色褪せた画面と重々しくピンと張り詰めた空気感…。
予め作品の概要を知らなくても、戦時下の作品である事をそこで感じるのです。

ポーランドを舞台にした映画で、その印象を考える時、いくつかの勝手なイメージがあります。

石畳みを歩いたり、また走ったりする時の、緊迫した静寂を破る革靴のヒール音…。
銃声…。
鉛のように重苦しい灰色の空…。
深く広い森…。

ポーランドには、周辺の国にから絶えず侵攻・侵略をされて来た歴史があります。
そういった暗く重苦しい空気が映画にも反映されていました。

出産シーンの描写は、異様におどろおどろしい上、長く感じました
こんな時代に産み落とされても…と悲観的な面と、それでも母親の幸せそうな様子に希望を抱く面と…。

ナチス・ドイツによるチフス菌実験の検体者の描写は…もう吐き気を催す感もあり…

四角めの螺旋階段を下から駆け上がるシーンは、役者をグルグルとカメラが追って、臨場感たっぷりでした

ある男の悪夢という事で、幾層にも断片的なシーンが連なります。

その男の父親が、楽譜を燃すシーンは、観ていて辛いシーンでした。。

最後まで、ゾッとする映画でしたが、観て良かったです!
凄かったです。





『楽園からの旅人』(2011)

2013年12月08日 | 西洋/中東/アジア/他(1990年以降)
『楽園からの旅人』(2011)

エルマンノ・オルミ監督、ミシェル・ロンズデールさん、ルトガー・ハウアーさん、アレッサンドロ・アベルさん出演。








【STORY】
風前の灯となった教会堂に身を寄せてきた不法入国者を含む旅人らと老司祭との、宗教を超えた交流を描く荘厳なドラマ。涙、恋、新たな生命の誕生など、教会堂に美しい生命の息吹が満ちる。
「木靴の樹」で1978年カンヌ国際映画祭パルムドールを受賞、以後も「偽りの晩餐」や「ポー川のひかり」などの名作を世に送り出してきたエルマンノ・オルミ監督作品。(Movie Walkerより抜粋)

【感想レビュー】@theater
観た後からずっともやもやと考えております。

今年は、キリスト教の信仰が直接的なテーマの作品を何本か観ました。
その度に、色々と考えます。
信仰を持たない私には計り知れない“何か”だからです。

『楽園からの旅人』は、イタリアの土地柄、アフリカ大陸から多くの難民がやってくる社会問題がまず根底にあります。
同じイタリア映画で『海と大陸』でも難民問題がテーマでした。
人として救うべきか?違法だからと命を見捨ててしまうのか?…という重く厳しい問いが絶え間無く続きました。。

映画では、イタリアの抱える闇を垣間見るのです。

『楽園からの旅人』では、彼らは護られた場所の教会に身を寄せます。
でもその教会は、装飾品も取り外され、弱りゆく司祭が一人で護る逆境の場所でした。

舞台を観ているような造りで、教会の中だけで進行していきます。
登場人物達は、難民にしろ、医者にしろ、取り壊し業者にしろ、何か聖書の登場人物のようでした。(よくは分かりませんが…

慈悲の中にも偽りがある…。
善行は信仰を持たなくてもできる…。
ある女性の眼差し。その幻影からの誘惑…。
司祭の信仰心の揺らぎ、葛藤が伝わってきます。

がらんどうの礼拝堂で、蝋燭の陰影で浮かびあがる難民達の姿は、その計算された配置からして、何か聖書をモチーフにした絵画のようでした

キマッてる!…って思う画が幾度もありました
それを味わえただけでも、難しい作品でしたが、観て良かったなぁと思います

『大統領の料理人』(2012)

2013年12月08日 | 西洋/中東/アジア/他(1990年以降)
『大統領の料理人』(2012)

クリスチャン・ヴァンサン監督、カトリーヌ・フロさん、ジャン・ドルメッソンさん、イポリット・ジラルドさん出演。




【STORY】
80~90年代にかけてフランス大統領として活躍したフランソワ・ミッテラン。彼の専属シェフとして、女性として初めてエリゼ宮入りしたシェフ、ダニエル・デルプシュの実話を基にしたヒューマンドラマ。堅苦しい官邸の常識を、その腕前で変えていくヒロインの姿を描き出す。セザール賞の常連、カトリーヌ・フロが主人公を演じる。
(Movie Walkerより)

【感想レビュー】@theater
まずまず楽しかったです

…が中盤以降は失速気味だったかなぁ…と思います

序盤から中盤にかけては、とってもテンポが良くて、大統領にお出しする数々のお料理の見せ方やエスプリの効いた会話にワクワクします

助手の青年が可愛いらしいのです
主人公を演じるカトリーヌ・フロさんが素晴らしくて、引き込まれます

エリゼ宮殿の内装も、溜め息ものの美しさです

ただ、大統領なのに宮殿に年に一度、多くの親戚を呼んでパーティをするそうで…。
だって…税金…ですから

フランスは絶対王制から民主主義を勝ち取った国ですから、ちょっと違和感でした。。


…とまぁ、後半は色んな事にちょっと気が散ってしまいましたけども…。

主人公のモットーの、お婆ちゃんに教わった素朴な料理…はとっても美味しそうで魅力的でした

『タイピスト!』(2012)

2013年12月07日 | 西洋/中東/アジア/他(1990年以降)
『タイピスト!』(2012)

レジス・ロワンサル監督、ロマン・デュリスさん、デボラ・フランソワさん、ベレニス・ベジョさん、ミュウ・ミュウさん出演。




【STORY】
1950年代のフランスを舞台に、不器用な新米秘書がタイピングの才能を見いだされ、タイプライター早打ち大会に向けて猛特訓を積むサクセス・ストーリー。レトロでポップな1950年代らしさが詰め込まれている。監督は、本作が初長編監督作品となるレジス・ロワンサル。本作で2013年セザール賞新人監督作品賞など5部門にノミネートされた。(Movie Walkerより)

【感想レビュー】@theater
もう純粋に楽しく観ましたっ

ちょっとうまく行きすぎな恋の展開も、またキュートで

50年代のフランスが舞台という事で、ファッションがとっても素敵でした!

ふんわり裾広がりのスカートやワンピ

ポニーテール、ハネ気味のアイライン、瑞々しい赤のリップ💄

上の画像の、スカーフを頭に巻いて自転車で走るシーンは!!
画がキマリ過ぎていて興奮ポイントでした

可愛いシーンからドキッとするシーン、ポップで面白いシーン、ちょっとヒステリックなシーンまで、主人公のキャラが豊かで、表情がクルクル変わるので、観ていて飽きません

デボラ・フランソワさんは、西島さんや阿部寛さんと共演された『メモリーズ・コーナー』が記憶に新しいですけど、全然違いました

明るくてキュートで、おっちょこちょいで、でも頑固‼…みたいな女の子は偏屈男性にモテるのでしょうかね

みんなに愛される主人公でした