☆映画の旅の途中☆

色んな映画をどんどん観る旅

『キャプテン・フィリップス』(2013)

2014年03月24日 | 西洋/中東/アジア/他(1990年以降)
『キャプテン・フィリップス』(2013)

監督:ポール・グリーングラス
トム・ハンクス
バルカド・アブディ
バルカド・アブディラーマン


【作品概要】
『ボーン』シリーズのポール・グリーングラス監督が、トム・ハンクスを主演に迎え、09年にソマリア海域で起きた人質事件を基に描く緊迫感あふれるサスペンス。乗組員の代わりに海賊の人質となったベテラン船長と海賊との駆け引き、人質奪還を狙う海軍特殊部隊NAVY SEAL、救出作戦実行チームのスナイパーを巻き込んだドラマが展開(Movie Walkerより)。

【感想レビュー】
ハラハラと手に汗を握るシーンの連続でした。
実際の事件を元にしているので、時系列に沿って、ストーリーも展開されるのですが、次第にプレッシャーを感じさせる作品でした。目が離せないので、そういう意味での映画の面白さはありました。

ソマリア海域における海賊は、元は漁民だった者たち…。海賊に身をやつしてしまう背景を思うと、胸が痛くなります。海賊のリーダーの葛藤。またトム・ハンクス演じる船長とのふとした心の交流に何とも言えない気持ちにさせられます。

人質となった船長を助けに米海軍の特殊舞台がやってきますが、アメリカ海軍凄いでしょう⁈っていう感じではなかったので、そこも良かったです
結局、根本的な問題を解決しないと、大きな意味での犠牲者が出るだけなのですね…。




『ライク・サムワン・イン・ラブ』(2012)

2014年03月20日 | 西洋/中東/アジア/他(1990年以降)
『ライク・サムワン・イン・ラブ』(2012)

監督:アッバス・キアロスタミ
タカシ:奥野匡
明子:高梨臨
ノリアキ:加瀬亮


【作品概要】
イランの巨匠、アッバス・キアロスタミが自身以外すべて日本人スタッフ&キャストで撮り上げたラブストーリー。元大学教授の男とエスコートガールとの関係が描かれる。ヒロイン役を新鋭・高梨臨が演じ、存在感を見せつける。カンヌ国際映画祭のコンペティション部門にも出品され、大きな話題を呼んだ。
大学で社会学の教授をしていたタカシ(奥野匡)は、現役を引退し、80歳を超えた今では孤独の中に生きていた。ひとときでも家庭のぬくもりを味わいたいと考え、デートクラブを通して亡き妻にも似た女子大生の明子(高梨臨)を家に呼ぶ…(Movie Walkerより)。
【感想レビュー】
衝撃的でした…
衝撃過ぎて呆然とさせられるラストでした‼やっぱり先の読めない映画体験は好きです!

冒頭のBARのくだりは、雰囲気が素敵で見応えはあるものの、なかなかストーリーが展開していかないので、観ていて辛い部分もあったのですが…
そういう延々と続くように感じる会話のシーンからポーンと空気も関係性も変わっていく断層が実にスリリングでした
そういうシーンが幾つかありました
主人公が話している時、ずっと相手を映しているシーンがあるのですが、聞き手の顔に映る話し手の感情や雰囲気みたいなものも新鮮でした。
ガラス越しやカーテン越しのカットになる繋がりも印象的でした。

大小はあれど何かを抱えている登場人物達。人間ドラマを味わえる作品でした。


『長屋紳士録』(1947)

2014年03月20日 | 邦画(クラシック)
『長屋紳士録』(1947)

監督:小津安二郎
おたね:飯田蝶子
幸平:青木放屁
為吉:河村黎吉
田代:笠智衆


【作品概要】
1946年2月、日本に帰国した小津は1年の休養ののち、本作を撮ることになった。なじみの松竹専属俳優による東京下町を舞台にした人情劇ということで、戦前と変わらないという評もあったが、遠景に見える焼け野原や上野の戦災孤児を登場させたりと小津なりに当時のリアリティを出している(Wikipediaより)。東京の焼け跡に復興の家がぼつぼつ建ちはじめ、昔なじみの顔もそろってきた。数年前夫を失い続いて一子をも失ったおたねは、たった一人で昔通りの荒物屋を開いている。ある日彼女の家の裏に住む占見登竜堂先生は一見戦災孤児のような少年幸平を拾ってきた…(Movie Walkerより)。
【感想レビュー】
久しぶりの小津映画です
72分の作品とは思えない充実な内容でした。

焼け野原を背景に、今日も明日も逞しくなびく洗濯物。

おたねおばさんの超絶早口!
子どもに向かって、『シッ!』って言ったり、『メッ!』って言う時のおたねおばさんの…顔…
(こわいょ…)

海辺で一目散に立ち去るおたねおばさん!しかし猛追にあうおたねばさん…!画面をいっぱいに使って、ジクザグに砂浜を小走りに行くシーンがたまらなく面白かったです。おたねおばさんが数カットあって左斜め、右斜め、下から上~っなどと行くのに対して、少年はひたすら真っ直ぐに追いかけて来ます。そのひた向きさがいじらしくて…。子どもが多くを話さないところも良かったです。

そしてそして、笠智衆さんのキラキラ感にときめいてしまったっ
何だかとっても男性を感じる存在感でした

『長屋紳士録』のDVDをお貸しくださった映画を愛するお仲間に、感謝しつつ…。ありがとうございました

『次郎長三国志 第六部 旅がらす次郎長一家 』(1953)

2014年03月18日 | 邦画(クラシック)
『次郎長三国志 第六部 旅がらす次郎長一家 』(1953)

監督:マキノ雅弘
清水の次郎長:小堀明男
清水の大政:河津清三郎
桶屋の鬼吉:田崎潤
関東綱五郎:森健二
法印大五郎:田中春男
増川の仙右衛門:石井一雄
森の石松:森繁久彌
追分三五郎:小泉博
大野鶴吉:緒方燐作
島の喜代蔵:長門裕之
小松村の七五郎:山本廉
小松村のお園:越路吹雪
お蝶 :若山セツ子
ぬい:広瀬嘉子
投げ節お仲:久慈あさみ



【作品概要】
勘助を叩き斬って旅に出た次郎長一家。お蝶が病に倒れ、頼った保下田の久六に恩を仇で返された一家は七五郎と女房・お園の家に厄介になるが、お蝶は帰らぬ人となってしまう。

【感想レビュー】
ついに…お蝶が…。もうこれを知っていたので、なかなか観れず延び延びにしてきましたが、ついに観ました。。
けれども、今まで一番ドラマチックでした
兇状旅の苦しさに時にはめげてみんなで泣いたり、みんなでお蝶を心配したり、不義理していた両親の大きな愛情に触れたり、義理と情けと人情を存分に味わいました。

次郎長三国志も次は第七部。いよいよ佳境です!



『リアル~完全なる首長竜の日~ 』(2013)

2014年03月14日 | 邦画(1990年以降)
『リアル~完全なる首長竜の日~ 』(2013)

監督:黒沢清
出演者:佐藤健、綾瀬はるか、オダギリジョー、染谷将太、中谷美紀


【作品概要】
自殺未遂で昏睡状態になった恋人を救うため、最新医療技術を通じて彼女の意識下に潜入した青年が、現実と仮想が入り乱れる意識の中に潜り続け、やがて衝撃的な真実にたどり着くさまを活写する(Yahoo!映画より)

【感想レビュー】
思ったより面白かった!黒沢清監督の作品は数本しか観ていませんが、『LOFT』も楽しめたし、観ようとは思っていたのですが、リアルはなんとなく延び延びに…。

互いの脳内でコンタクトを図る最新脳外科医療”センシング”。その未来的な装置もよく出来ていて興ざめする事もなかったし、脳内世界のグラデーションが丁寧に描かれていて素晴らしかったので、集中して楽しめました
ネタバレにならないようあまり書きませんが、車中のシーンの背景など、いかにも黒沢監督なくだりが面白かったです。
嘘をなるべくつきたくない、誠実でいたいというのが表れていて、妙に納得しました