あれもこれも

灰原中心二次創作サイトの創作人によるあれこれ日記。何かありましたら「拍手」からどうぞ。お礼は名探偵コナンの小ネタ三種類。

繰り返す時間

2012-11-13 00:43:09 | 感想(その他)
 本編と映画以外は全く手を付けてなかったのですが、まどマギ熱が高まっていることもあり巷で話題の公式スピンオフ『魔法少女まどか☆マギカ The different story』を読みました。

 結論から言うとすごく面白かったです。ほむほむの経験してきたループの中にはこのルートもあったんだろうなと思えるほど、ある意味原作に忠実でありながら一つの物語として十分に完成していました。そしてこの作品を読んで最後のまどかが出した答えを考えると、ほむほむが一つの道を探していた時間はまどかもまた一つの答えを探していた時間なのかな、と思いました。まどマギファンで興味がある方は是非読まれたらと思います。
 
 この作品は上中下の三冊構成で上巻は完全生産限定版ソフトの5巻についてた杏子とマミさんのCDドラマ「フェアウェルストーリー」をほぼそのままマミさん視点に置き換えて描いてあります。これがまたTVでは描かれなかった杏子とマミさんの葛藤が詰まっていて、TV版本編での二人の心情がさらに迫ってくる内容です。杏子のさやかへの言動などさらにいろんな見方ができるようになります。そして最終回以降の世界でほむほむが一人で戦っているのも、わかるような気がします。

 中巻はさらにその後の話で、ほむほむの無限ループの一つで「マミさんがあの時マミら無かったとしたら」というルートの話になります。といっても基本はやはり杏子とマミさんの葛藤の話であり、またそこに新たに加わったさやかという不安定なファクターをそれぞれが不器用なりに助けようとする物語です。そしてこの状態が下巻のラストに大きな意味を持っていくことになります。そしてさやかがやっぱり安定のさやかで、それがまた切ないです。

 下巻は杏子、マミさん、ほむほむが絶望の中で辿りつくクライマックスを描いているのですが、とても一冊の単行本だとは思えないほどの内容の濃さでした。さすがにここで結論まで書いちゃうとネタバレ過ぎるのでここは書きませんけどね。ただ最後まで読み終わった時に表紙を見たら、なるほどと思うようなラストでした。

 この作品の物語はほむほむにとっては失敗としてやり直さざるを得ないルートではあるで、彼女はこれをリセットしてまた同じ時間を繰り返したのでしょうが、しかしこうやって何度も同じ時間を繰り返す中で彼女は仲間たちのいろんな部分を見ていくことになったんだろうと思います。かつて自分に戦い方を教えてくれたマミさんの本音や、杏子の強さや脆さ、さやかの頑なさと真っ直ぐさ、そしてまどかの優しさを知ってそのたびに過去に自分が繰り返した過ちを見つつづてきたほむほむを思うと、今劇場版後編をもう一度見たら確実に号泣できる自信があります。この1か月を繰り返し続けるなんて本当に辛いですよね。
 
 ま、それはともかくほむほむの描く理想のワルプル戦の布陣は杏子、マミさん、ほむほむの3人だったんでしょうね。そしてさやかとまどかは何も知らないままで終わるというのが、彼女の理想の戦略だったんでしょう。とはいえもちろんそれはとても難しいことで、彼女は一度でもそういう状態でワルプル戦まで持ち込むことが出来たんでしょうか?案外一回も無かったんじゃないかな、と思ったりします。
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