夕日

晴れ。
初夏のような陽気。
まだ、風邪からくる胃腸炎の治らない母は、
お粥を少し食べている。
昼にうどんを煮たら、
喜んで食べる。
機嫌がよくなく同じことを愚痴るので、
困っていた…


夕方、早めに夕食を食べ、
一人、夕日を見に行く。
荒川の土手沿いの桜が散り、
道に白く重なっている。
まだ、花見に充分な花を付けている。
7分位残り、
少し葉が出てきている。

河川敷の夕日は6時10分頃の日没と調べる。
鴨の泳ぐ川に映りながら沈んで行く。

大きな線香花火のように見える。
何故か、今日、
太陽が球に見える。
円だと思っていたのに…

赤さを増し、空を染め、
薄い山に入り、
やがて点になる。

見ただけで、
「生きてて良かった」
と思えるくらい
抽象に近い現実だ。

夜、学生の時の友達が、4月1日に亡くなったと電話をもらう。
年賀状と年に１回、会うか会わないかだった。
悪性リンパ腫で、入退院を繰り返していた。ご冥福をお祈り申しあげます。