先日、北海道に住んでいる兄夫婦とビデオチャットで話をしたら、イクラの話題になった。イクラと言えば、我が家の娘たちの
大好物だが、フランスに来てからと言うもの食べていなかった。「こっちにはイクラ無いんだよね」と言いつつも、前菜などで
イクラが使われているのを写真で見たことがあり、もしかしたら探せばあるのかも!?と思っていた。
そして昨日スーパーに行ったときに、スモークサーモンなどの魚介類の加工品売り場をよくよく探してみると、瓶詰になった
イクラを発見!しかもよく見ると、サケの卵のいわゆる“イクラ”と、マスの卵の“ますこ”がそれぞれ瓶詰の塩漬けで売られて
いるではないか!早速、味見のために両方買って、今日あつあつの炊き立てご飯に掛けて食べてみた。
ますこ↓
日本に居たときには、イクラと言えば9月のサケ漁の解禁を待って一腹丸ごと買ってきては自分でしょうゆ漬けにして食べるか、
回転ずしに行ってイクラの軍艦巻きを食べるかだったのだが、今日食べたますこの塩漬けは、保存性を良くするためか塩辛く、
日本の物よりは少し生臭みもあったものの、まぎれもなく魚卵の味。子供たちは「イクラ、イクラ!!」と大騒ぎだった。
こんな事ならもっと早く探してみるんだったと思ったが、何はともあれ、これさえあれば家でイクラの軍艦巻きを作ることも
できるし、イクラ丼にして食べることもできる。大根の時もそうだったが、無いと言う思い込みが、欲しいものを見つけられない
原因であることも多く、兄夫婦の一言でこんなご馳走を見つけることができ、感謝、感謝のできごとだった。
ところでサケ漁と言えば、10年ほど前に兄の住んでいる北海道にサケ釣りに行ったことがある。サケを竿で釣るなどとは考えも
しなかったダンナと私は、兄がサケ釣りをしたという話を聞いて、早速遊びがてらに釣りに行ったのだ。しかし、何日も海岸に
行っては兄に借りた竿を振り回してみたものの、それまで釣りらしい釣りをほとんどしたことが無かったダンナと私の技術では、
一匹のサケも釣り上げることができなかった。
そこで、もうサケを釣るのは無理だとほとんどあきらめて近くの漁港を見物に行ったら、ちょうどサケ漁に行った漁船が戻って
船から魚を降ろしているところだった。絶好のシャッターチャンスと写真好きのダンナがカメラを構えると、外人で目立つのか
漁師さんもポーズをとってくれたりして、しばらく撮影を楽しんだ。
その後、すでに魚を降ろして明日の漁の準備をしている船の辺りをうろうろしていたら、やっぱり外人は目立つのか、準備を
している人達の一人が話しかけてきた。そしてサケ釣りの話をすると、あっちの船が明日サケ釣りに行くから行ってみろと
言われた。そして言われた通り行ってはみたものの、漁船に乗るには自前で一セット10万円もする電動リールなどの道具を
持ち込む必要があると聞いていたので、まさか本当に漁船に乗せてもらえるとは思ってもみなかった。
ところが、その漁船の人と話をすると、道具は貸してやるから明日3時半にここに来いと言う。「3時半って朝のですか?」と
バカな質問をして、それでも半信半疑で翌朝まだ真っ暗な漁港にやってくると、本当に漁船に乗せてくれた。
漁船と言っても一人1万円で釣り人を乗せる漁船で、船には全部で10人ほどの人が乗り込んでいた。朝のうねりの中を知床の
沖の方まで進んでいくうちに、乗り物に弱い私は下を見ただけで吐きそうな程に酔って、ポイントに着いたときには釣りどころの
話しではなかった。
それでも、ポイントに着くと、船長のお父さん(だったかな?)が、手早く私たちの仕掛けも準備してくれて、準備万端。
仕掛けは3つの針が付いていて、それぞれにエサのさんまのぶつ切りを付ける。水深80mから120m位の海の底をサケの群れが
泳いでいるので、握りこぶしほどもあろうかと言う重りを付けた仕掛けをドボンと放り込んで、当たりがあったら電動リールで
仕掛けを引き上げる。
説明を聞きながらダンナは嬉々として釣りを始めた。私も2、3回仕掛けを放り込んだりしてみたのだが、何せ船酔いがひどくて
もう駄目だと船べりに寄りかかっていたら、せっかく来たのにもったいないと、通りかかった船長が私の仕掛けを海に放り込んで
しまう。仕方がないので半べそ状態で釣りをしていたら、正にビギナーズラックで、9匹ものサケを釣り上げることができた。
ダンナも4匹釣ったので、2人で13匹。兄から借りたクーラーバックだけでは到底入りきらず、一緒に乗り合わせた人がクーラー
バックを貸してくれた。
港に戻ってからも大変だった。サケを釣る事しか考えていなかった私たちは、13匹ものサケを手に一体どうしたものかと考えた。
貧乏旅行の私たちはキャンプをしており、キャンプサイトには『ヒグマが出るので生ごみを捨てないでください』と書かれていた。
このままキャンプ場にサケを持って帰れば命が危ないと、近くの市場から自分たちの友達にクール宅急便で送ることにした。
荷造り用の発泡スチロールの箱と氷を買いに市場に行ったところ、市場の人が釣った魚はエラを取らなくてはいけないからと、
専用の鎌のような道具を貸してくれ、使い方の分からない私たちに実演して見せてくれた。見よう見まねで何とか荷造りをし、
2人では到底1匹のサケも食べきることはできないと、13匹全部を友達やら家族やらに送ると、送料だけで2万5千円も掛かって
しまった。船に乗るのに2人で2万円掛かり、箱や氷代も含めると総額5万円と、貧乏旅行をしている私たちにはかなりの出費では
あったけれど、一生のうちに一度あるかないかの忘れられない思い出となった。
そしてその翌日からも海岸に行っては釣竿を振り回していたけれど、遂に自力では一匹のサケも釣り上げられなかったのは
言うまでもない。フランスで売っているサケはどの辺りで捕れるものなのだろうか?瓶詰のますこはまぁまぁの味だが、切り身の
サケは大概脂がのってとてもおいしい。
大好物だが、フランスに来てからと言うもの食べていなかった。「こっちにはイクラ無いんだよね」と言いつつも、前菜などで
イクラが使われているのを写真で見たことがあり、もしかしたら探せばあるのかも!?と思っていた。
そして昨日スーパーに行ったときに、スモークサーモンなどの魚介類の加工品売り場をよくよく探してみると、瓶詰になった
イクラを発見!しかもよく見ると、サケの卵のいわゆる“イクラ”と、マスの卵の“ますこ”がそれぞれ瓶詰の塩漬けで売られて
いるではないか!早速、味見のために両方買って、今日あつあつの炊き立てご飯に掛けて食べてみた。
ますこ↓
日本に居たときには、イクラと言えば9月のサケ漁の解禁を待って一腹丸ごと買ってきては自分でしょうゆ漬けにして食べるか、
回転ずしに行ってイクラの軍艦巻きを食べるかだったのだが、今日食べたますこの塩漬けは、保存性を良くするためか塩辛く、
日本の物よりは少し生臭みもあったものの、まぎれもなく魚卵の味。子供たちは「イクラ、イクラ!!」と大騒ぎだった。
こんな事ならもっと早く探してみるんだったと思ったが、何はともあれ、これさえあれば家でイクラの軍艦巻きを作ることも
できるし、イクラ丼にして食べることもできる。大根の時もそうだったが、無いと言う思い込みが、欲しいものを見つけられない
原因であることも多く、兄夫婦の一言でこんなご馳走を見つけることができ、感謝、感謝のできごとだった。
ところでサケ漁と言えば、10年ほど前に兄の住んでいる北海道にサケ釣りに行ったことがある。サケを竿で釣るなどとは考えも
しなかったダンナと私は、兄がサケ釣りをしたという話を聞いて、早速遊びがてらに釣りに行ったのだ。しかし、何日も海岸に
行っては兄に借りた竿を振り回してみたものの、それまで釣りらしい釣りをほとんどしたことが無かったダンナと私の技術では、
一匹のサケも釣り上げることができなかった。
そこで、もうサケを釣るのは無理だとほとんどあきらめて近くの漁港を見物に行ったら、ちょうどサケ漁に行った漁船が戻って
船から魚を降ろしているところだった。絶好のシャッターチャンスと写真好きのダンナがカメラを構えると、外人で目立つのか
漁師さんもポーズをとってくれたりして、しばらく撮影を楽しんだ。
その後、すでに魚を降ろして明日の漁の準備をしている船の辺りをうろうろしていたら、やっぱり外人は目立つのか、準備を
している人達の一人が話しかけてきた。そしてサケ釣りの話をすると、あっちの船が明日サケ釣りに行くから行ってみろと
言われた。そして言われた通り行ってはみたものの、漁船に乗るには自前で一セット10万円もする電動リールなどの道具を
持ち込む必要があると聞いていたので、まさか本当に漁船に乗せてもらえるとは思ってもみなかった。
ところが、その漁船の人と話をすると、道具は貸してやるから明日3時半にここに来いと言う。「3時半って朝のですか?」と
バカな質問をして、それでも半信半疑で翌朝まだ真っ暗な漁港にやってくると、本当に漁船に乗せてくれた。
漁船と言っても一人1万円で釣り人を乗せる漁船で、船には全部で10人ほどの人が乗り込んでいた。朝のうねりの中を知床の
沖の方まで進んでいくうちに、乗り物に弱い私は下を見ただけで吐きそうな程に酔って、ポイントに着いたときには釣りどころの
話しではなかった。
それでも、ポイントに着くと、船長のお父さん(だったかな?)が、手早く私たちの仕掛けも準備してくれて、準備万端。
仕掛けは3つの針が付いていて、それぞれにエサのさんまのぶつ切りを付ける。水深80mから120m位の海の底をサケの群れが
泳いでいるので、握りこぶしほどもあろうかと言う重りを付けた仕掛けをドボンと放り込んで、当たりがあったら電動リールで
仕掛けを引き上げる。
説明を聞きながらダンナは嬉々として釣りを始めた。私も2、3回仕掛けを放り込んだりしてみたのだが、何せ船酔いがひどくて
もう駄目だと船べりに寄りかかっていたら、せっかく来たのにもったいないと、通りかかった船長が私の仕掛けを海に放り込んで
しまう。仕方がないので半べそ状態で釣りをしていたら、正にビギナーズラックで、9匹ものサケを釣り上げることができた。
ダンナも4匹釣ったので、2人で13匹。兄から借りたクーラーバックだけでは到底入りきらず、一緒に乗り合わせた人がクーラー
バックを貸してくれた。
港に戻ってからも大変だった。サケを釣る事しか考えていなかった私たちは、13匹ものサケを手に一体どうしたものかと考えた。
貧乏旅行の私たちはキャンプをしており、キャンプサイトには『ヒグマが出るので生ごみを捨てないでください』と書かれていた。
このままキャンプ場にサケを持って帰れば命が危ないと、近くの市場から自分たちの友達にクール宅急便で送ることにした。
荷造り用の発泡スチロールの箱と氷を買いに市場に行ったところ、市場の人が釣った魚はエラを取らなくてはいけないからと、
専用の鎌のような道具を貸してくれ、使い方の分からない私たちに実演して見せてくれた。見よう見まねで何とか荷造りをし、
2人では到底1匹のサケも食べきることはできないと、13匹全部を友達やら家族やらに送ると、送料だけで2万5千円も掛かって
しまった。船に乗るのに2人で2万円掛かり、箱や氷代も含めると総額5万円と、貧乏旅行をしている私たちにはかなりの出費では
あったけれど、一生のうちに一度あるかないかの忘れられない思い出となった。
そしてその翌日からも海岸に行っては釣竿を振り回していたけれど、遂に自力では一匹のサケも釣り上げられなかったのは
言うまでもない。フランスで売っているサケはどの辺りで捕れるものなのだろうか?瓶詰のますこはまぁまぁの味だが、切り身の
サケは大概脂がのってとてもおいしい。
というのが話題になったことがあります。
「イクラ」はロシア語で魚の卵のこと。
「筋子」は日本語で、サケ・マスの卵で、卵巣膜につつまれたままの塊状のもの。
一般に、卵がバラバラの状態のものを「イクラ」といっているようですね。
でも、フランス語では「○○の卵」として売られていて、サケなら「サケの卵」、マスなら「マスの卵」と書かれています。
ちなみに、他にも何種類かの魚卵が売られています。