医療のシステムや費用というのは国によってさまざまだが、アメリカでは65歳の健康な夫婦が余生を過ごすのに掛かる医療費が、2,800万円($1=100円換算)にのぼるらしい。2,800万円と言えば、家が1軒建つような値段だ。それが、定年退職した夫婦に医療費としてのしかかると思うと、老後に不安を覚えずにはいられない。
これは、昨日参加した、保険会社の老後の資金に関するワークショップで聞いた話。彼らの目的は、公的年金や厚生年金にプラスして自分の生涯保険を売るのが目的のセミナーなので完全に鵜呑みにするべき話ではないのかもしれない。しかも、統計に過ぎないので、当然すべての人に当てはまる訳ではない。
ただ、アメリカでは医療費が高いのは肌で感じている。健康保険には加入しているのだが、ちょっとした症状で医者に行けば、窓口で払うお金は3,000円は下らない。日本のように数百円で済んだことは一度もないし、緊急窓口にはよほどのことが無い限り行かないようにと釘を刺されている。
もちろん、本当の緊急事態が起こったときには選択肢はないのだが、病気などで緊急搬送された場合、数百万円の支払いを請求されることが珍しくないからだ。毒蛇にかまれた場合などは1,000万円請求されることもあるそう。アメリカ人が蛇を怖がって森に入りたがらない理由は、こんなところにもあるのかもしれない。
私たち家族が、生涯にわたってアメリカで生活する可能性はゼロではない。ただ、こんな話を聞く度に、アメリカはいい国だけれどお金持ちのための国だなぁ、と感じてしまうのは私だけだろうか?
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