アメリカで南部(サザン)とはアメリカ南東部を指し、私たちの住んでいるサウスカロライナもサザンに位置している。サザンには独特の訛りや文化、料理がある。例えば、アメリカの他の地域からきた人にとって南部訛りはキツく、同じ英語を母国語とする人の間でも理解に苦しむことが多いようだ。また、他の地域に比べ信仰心が厚く、教会の数が極端に多いのも特徴のひとつ。
食文化も他とは違っていて、南部料理の店というのがある。日本人にとってアメリカ料理というと、ハンバーガーとステーキくらいしか思いつかないかもしれないが、他ではあまり食べられないようなものもたくさんある。とはいえ、私たちも普段は家で私の作った料理を食べることが多く、なかなかアメリカや南部の料理を開拓できていない。そこで、せっかくアメリカに住んでいるので、いろいろとアメリカならではの料理にも挑戦してみようと思った。
第1弾は「エビとベーコンのグリッツ」にしてみた。グリッツはトウモロコシを挽いた食品で、元々はネイティブアメリカンの食べ物。それが南部料理として定着し、今ではアメリカ全土に広がっている。似たような食べ物に、コーンミール(ポレンタ)があるが、これとはちょっと違うらしい。グリッツは胚芽と皮を取り除き、コーンミールよりも粒が小さい、というか薄いフレーク状になっている。色もコーンミールのような黄色ではなく、ほとんど真っ白。
グリッツを使った料理はいろいろあるようだ。朝食用に甘い味付けバージョンもあるらしい。今回試したのは、夕食などでも食べられるという南部独特の「エビとベーコンのグリッツ」だったが、トウモロコシで作ったリゾットという感じでなかなか美味しかった。私は日本でもフランスでもグリッツを見たことがなかったが、もしかしたら輸入食品店などで手に入るかも。または、アマゾンで売っているようなので興味のある人は試してみては?