Fyodor Mihaylovich Dostoevskiy『カラマーゾフの兄弟』

2008-08-13 | 本/演劇…など
したがって、神聖なる調和は平にご辞退申すのだ。なぜって、そんな調和はね、あの臭い牢屋の中で小さなこぶしを固め、われとわが胸をたたきながら『神ちゃま』と祈った哀れな女の子の一滴の涙にすら価しないからだ! なぜ価しないか、それはこの涙が永久に、あがなわれることなく棄てられたからだ。この涙は必ずあがなわれなくちゃならない。でなければ調和などというものがあるはずはない。  . . . 本文を読む