安田好弘【国家と死刑と戦争と】--公判前整理手続により死刑事件真相解明の機会が完全に奪われてしまう

2009-08-01 | 裁判員裁判/被害者参加/強制起訴

国家と死刑と戦争と【2】弁護士・FORUM 90 安田好弘
 皆さん方もおわかりだと思いますが、死刑事件は長い時間と多大の調査、そしてまず本人自身が事件と正面から向き合う、そういう態勢が整って初めて真相が解明されます。長い時間をかけて初めて被告人自身が裁判で当事者として自ら主張し、自らの権利を守っていこうとすることができる、ということは私たちが過去何度も体験してきたことです。しかし、この「公判前整理手続」あるいは「裁判の迅速化」によって、その機会が完全に奪われてしまうわけです。

 裁判所は弁護方針にまで直接介入・干渉することができるわけです。また、こういう場合、裁判所は、弁護人と被告人に対し、連名で書面を出せと要求することができることになりました。結局、弁護人は被告人の意思に従わざるをえず、被告人は裁判所の意向に従わざるをえない。そういう制度に新刑事訴訟を変えてしまった。

 事件を起こした人というのは、その起こした瞬間から、すでに自分の命を捨てています。
 ⇒http://www.k4.dion.ne.jp/~yuko-k/kiyotaka/tatakai-yasuda-2.htm


3 コメント

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Unknown (rice_shower)
2009-08-03 11:38:44
悲観からは逃れ得ないけれども、絶望はしたくないので(絶望したら死ぬしか無いもの)、周りの普通の人々に、「今の裁判所は、どう考えても何か変だぞ」と説き続けていくことを諦めない、取りあえずは、そう考え、実行しています。 (←貴女がこのサイトでなされていることです。
結果、法律の“ほ”の字も知らない、無知蒙昧の若いオネエチャン(←絶対差別はしていません。 彼女達が居なければ、それこそスケベな私は絶望し、死んでしまうのですから)が、「へぇー、何か分るかもー」とか言い出したりするもんです。 心を込めて話をすれば。

別に貴女を邦男さんファンにしたい訳ではないですが、たぶん大好きになってしまうだろうことをお教えしますと、彼はその著書に必ず、自宅の住所と電話番号を書くんです。 結果、放火に合ったこともあるが、それでも止めない。 ちょっと居ないでしょ、こんな人。(大家さんは、もっと偉いかも) 
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きょうは・・・ (ゆうこ)
2009-08-03 10:36:50
rice_showerさん。
 コメント、ありがとう。鈴木邦男さんのサイト、拝見。人となり、初めて知りました。
 今日から裁判員裁判が・・・。悪しき制度です。刑事裁判にもはや絶望していますが、rice_showerさんが紹介してくださっていたビデオ、2ヶ月ぶりに聞いてみました。「2人でも3人でもいれば」という聖書の言葉を思い出しました。本当にありがとう。
http://www.videonews.com/asx/press/090521_saibaningiren_300.asx
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Unknown (rice_shower)
2009-08-02 10:12:26
http://kunyon.com/
ご承知でしょうが、念のため。
邦男さんも辛淑玉さんも、格好良いなぁ...。
検察にも阿った、裁判所の悪しきポピュリズム(大衆の俗情に媚びる)に対峙するには、良きポピュリズム(その判決は、どう考えても何か変だぞ、という常識的な感覚と思考)による圧力しかないのではないか、と感じる今日この頃。
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