生徒密告 ロシアで教員相次ぐ解雇 学校むしばむ思想統制 2022.4.21.

2022-04-21 | 国際

 ロシア 生徒密告で解雇  
 2022.4.21 Thu 中日新聞1面
 ロシアの学校で、ウクライナ侵攻に疑問を呈したり、平和の大切さを訴えた教師が「裏切り者」「虚偽情報を教えた」などとして生徒や保護者から密告され、解雇されたり、罰金を科せられたりするケースが相次いでいる。プーチン政権の思想統制が一部の子どもたちにも浸透。冷戦時代の旧ソ連のような「密告社会」が復活する恐れも出ている。

学校むしばむ思想統制
 北海道に近いサハリン最南部の港湾都市コルサコフ(旧名・大泊)の学校では五日、ロシアとウクライナの平和について授業中に語った女性の英語教師(57)が解雇された。
 現地メディア「サハリン・インフォ」などによると、この教師は先月十七日、授業終了の三分前に、さまざまな国籍の子どもたちがロシアとウクライナの平和を願って歌うビデオを中高生に見せ「私たちが明るい未来を信じれば、世界はもっと優しくなる」と語りかけた。
 授業終了後、一部の生徒が教師にビデオを見せた意図を問いただし、その際の会話を録音。保護者が学校に苦情を訴え、解雇が決まったという。同時に「教育現場における道徳と倫理に反する行為」があったとして、3万㍔(約4万5千円)の罰金を科す行政処分も言い渡された。教師は「生徒に平和の問題を考えてもらいたかっただけなのに」と嘆いた。
 英BBC放送によると、西部ペンザの中学校では、英語の女性教師(55)が授業中、スポーツの強化選手に登録されている生徒が「ロシアは欧州での競技大会から締め出されている」と不満を漏らしたのに対し「ロシアが文明的に行動できるようになるまで、こうした事態は続く」と返した。
 教師はさらに「ウクライナは主権国家なのにロシアが体制転換させようとしている」「今のロシアは全体主義国家だ」と語った。生徒はこの発言を録音し、教師は「軍に関する虚偽の情報を拡散させた」との罪で、最高で禁錮15年を科せられる見通しだ。
 ロシアの報道によると、シベリアのサハ共和国、西部サンクトペテルブルク、南部アストラハン州でも、ウクライナへの連帯を示した教員が解雇された。
 ロシア政府は「ウクライナ政府は悪」とする教員指導要領を定めている。19日には、子どもたちの愛国心を育むため、9月の新学年から各校で国旗掲揚を行う方針も決めた。

 ◎上記事は[中日新聞]からの書き写し(=来栖)
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〈来栖の独白〉
 最もやってはいけないこと。


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