北朝鮮、体制崩壊前に「核」使用も / 朴氏は核武装論にどう答えるか

2013-03-04 | 国際/中国/アジア

「月刊朝鮮」前編集長・趙甲済 北、体制崩壊前に「核」使用も 朴氏は核武装論にどう答えるか
産経新聞2013.3.4 03:10 [正論]
 ≪北核ミサイル実戦配備迫る≫
 先月12日に北朝鮮が強行した核実験がウラン型によるものと判明すれば、北が核兵器の量産態勢を整え、核を小型化してミサイルに装備し、中短距離核ミサイル数百基を実戦配備する時が迫ったことを意味する。北の「核ミサイル実戦配備」は、核のない韓国には容認できない国家存亡の危機だ。
 朝鮮戦争を起こした戦犯集団が核ミサイルを持つことになれば、南北の軍事力均衡は崩れ、戦争の危機が高まる。北の支配層は韓国が持てない2つの戦略的、政治的武器を持つ。核と韓国国内の従北勢力だ。これを結合させれば韓国の共産化は可能と確信している。彼らが描くシナリオはこうだ。
 「2015年に韓米連合司令部が解体、韓米同盟態勢が弱体化し従北勢力がより強くなれば、奇襲南侵、ソウル包囲の後、「現在位置休戦」を提議する。休戦を受諾しなければ核を使うと脅す。米国には『民族内部の問題。介入するな』と警告、援軍を送れば米国や日本の米軍基地を核攻撃する、と脅迫する。従北勢力が『休戦を受け入れよう』と韓国を圧迫する。韓国は決死抗戦と事実上の降伏のうち1つを選ばねばならない」
 北朝鮮が核を放棄しないのは、核が「朝鮮半島の共産化統一を通じた体制維持のためのもの」だからだ。韓国がそれに対応する態勢を早く備えねば、北はさまざまな挑発的な核戦略をとるだろう。
≪北が崩壊前に核使う危険性≫
 朝鮮半島で核兵器を独占する北は、通常兵器で韓国を攻撃しても報復を受けないと計算している。局地的挑発や全面的な南侵の後に韓国軍が反撃すれば、「反撃を続ければ、核兵器を使う」と警告するだろう。核兵器を持てない韓国軍の行動は制約される。それに、北の指令に従う従北勢力が呼応したら、韓国の反撃はより困難となる。このような可能性は北の政権の自信を強めて、冒険路線へと向かわせ、戦争の危機を高める。
 北の政権は、米国の圧迫に屈して核開発を放棄したリビアのカダフィ政権が結局、米国と北大西洋条約機構(NATO)の攻撃で倒れたのを目にし、「核を放棄すればこうなる」と判断しただろう。平壌で政変が起き、体制が危うくなれば、彼らは核兵器によって外部からの介入を遮断するだけでなく、内部の結束を固めるために韓国に対する攻撃、もしくは核による脅迫を加えるかもしれない。北の政権が核を抱いたまま倒れるのではなく、その前に核を使用する危険性が生じるということだ。
 そんな北の核ミサイル実戦配備の脅威に直面する韓国の自衛手段は途方もなく不足している。核ミサイル防衛網はない。米国が提案したミサイル防衛(MD)を、金大中元政権が拒否したためだ。
 米国が提供するという核の傘を信頼するのは難しくなった。盧武鉉元政権が、韓米同盟の執行機構である韓米連合司令部を、15年に解体し、戦時作戦権を分掌しようとしたからだ。盧氏は、北の政権の不安を和らげてやろうとした、と驚くべきことを言ったことがある。米軍司令官に任せていた韓米連合作戦統制権を、両国が各自行使すれば、核の傘の信頼性は弱まる。これは北の政権に悪しきシグナルを送ることとなり、挑発や南侵の誘発要因となりかねない。
 北の核施設に対する攻撃は、核の反撃を呼ぶ可能性があるだけでなく韓国軍はその時期を逸した。韓国国内の米戦術核兵器も、1991年に撤収された。結論からいえば、朝鮮半島は、核武装した北と裸になった韓国との軍事的な不均衡による戦争の危機が高まるしかない構造となってしまった。
 ≪韓国体制の命運かけた決断≫
 従北左派性向の金大中、盧武鉉両元政権は、北の核開発を防ぐ実効ある措置は行わず、むしろ、韓国の核ミサイル防御態勢を弱め、核開発資金に流用される可能性が高い対北現金支援をも続けた。
 韓国は今や、過去とは異なる画期的な対応措置を取らねばならない、切迫した状況に追い込まれている。ミサイル防衛を構築すること、米戦術核兵器を再配備して韓国が共同使用権を確保すること、韓米連合司令部の解体を中断すること、そして自衛的核武装論が議論されている。韓国で世論調査をすれば、約67%が正当防衛次元の核武装に賛同するだろう。自衛的核武装を国民投票に付し、主権的決断をしようとの主張も強い。
 李明博前大統領は退任前に、北の政権交代や体制の変化を通してのみ、核問題は解決できるとの立場を示した。2月25日にその後任に就いた朴槿恵氏は、父親の朴正煕元大統領が70年代後半に核開発を進めながら米国の圧力で挫折したことを鮮明に記憶している。北の核ミサイル実戦配備に対する朴新大統領の答えが「非常な措置」となる可能性は否定できない。
 新大統領は過去20年間、北の政権が行使してきた核問題の主導権を回復しようとするならば、国民の圧倒的な支持を基に政権だけでなく体制の命運をかけた決断を迫られるだろう。韓国では犠牲なくして北の核問題は解決できないという共感が生まれつつある。(チョ カプチェ)
=========================================
「金正恩の核」という安全保障の現実 朝鮮日報 / 韓国の核武装論 / 米国で再び登場した日本の核武装論 2013-03-03 | 国際/中国/アジア 
------------


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。