元農水次官はなぜ息子を殺害したのか? 法廷で明かされた家族の苦悩 「娘は絶望して自殺した」 2012/12/12

2019-12-12 | 身体・生命犯 社会

「息子から暴行受け 震えるほど恐怖」被告人質問で元農水次官
 NHK NEWS WEB 2019年12月12日 19時19分
 長男を殺害した罪に問われている農林水産省の元事務次官は12日の被告人質問で「事件の直前に息子から暴行を受け、体が震えるほど恐怖感があった」と述べました。
  農林水産省の元事務次官、熊澤英昭被告(76)はことし6月、東京・練馬区の自宅で長男の英一郎さん(44)を殺害した罪に問われ、11日、東京地方裁判所で開かれた初公判で起訴された内容を認めました。12日は被告人質問が行われました。被告は、はっきりとした声で落ち着いて質問に答えました。

長男をどのように支えてきたか
   弁護士から長男をどのように支えてきたか問われると被告は、「息子が1人暮らしをしているアパートに行き、ごみの片づけや食事を一緒にするなどコミュニケーションを取ろうとした。アニメの勉強をしていた息子がコミックマーケットに作品を出品する時には売り子として手伝った」と答えました。
 また、事件前の長男の様子については「息子は『殺してやる』と叫びながら家から外の物置まで追いかけてきて、ものすごい形相で殴ったり蹴ったりしたので地下鉄の駅まで逃げた。本当に殺されると思って、家に帰ったあとに土下座をして謝りその場は収まったが体が震えるほど恐怖感があった」と述べました。

長男から暴行受けた際 なぜ相談しなかったのか
 検察官は事件のおよそ1週間前に長男から激しい暴行を受けた際になぜ警察や行政などに相談しなかったのか尋ねました。
 これに対し被告は、「暴力を受けた精神的なショックが大きく、相談しようとは考えなかった。警察に相談したとしても面倒を見続けるのは私で、警察沙汰にしてしまうとその後の親子関係を悪くしてしまう。長男の主治医には暴行について相談し、アドバイスを求めるべきだった」と述べました。

犯行当時の状況は
  犯行当時の状況についても説明し「私が1階のリビングに行くと、ゲームをしているはずの長男が拳を握って両手を胸の辺りまで上げて立っていて、驚いた。すごい形相で『殺すぞ』と強く言われ、およそ1週間前に受けた暴行を思い出して、殺されると直感した。反射的に台所まで包丁を取りに行ったあと、長男の胸や首を刺した」と述べました。

事件を起こしたことについては
   弁護士から事件を起こしたことについて問われると、「どうすれば防げたのか、何度も何度も考えているが取り返しのつかないことをしてしまい、毎日、反省と後悔の日々を送っている。私としてはできるだけ息子に寄り添ってきたつもりだったが、かわいそうな人生を送らせてしまった。今は息子の冥福を祈ることしかできない」と、涙を流してことばにつまりながら話しました。

川崎市で起きた小学生殺傷事件の影響は
 被告人質問では、裁判員の男性が、事件の4日前に川崎市でスクールバスを待っていた小学生など20人が殺傷される事件が起きていたことが今回の事件に影響したのか、被告に尋ねる場面がありました。
 川崎市の事件について当時、どのように感じていたのかについて、被告は「川崎市の事件の容疑者が、自分の長男と境遇が似ているとは感じていた」と述べた上で、「川崎市の事件があったからといって、長男が事件を起こすということまでは考えていませんでした」と述べました。
 捜査段階では、「川崎の事件を見ていて自分の息子も周りに危害を加えるかもしれないと不安に思った」という趣旨の供述をしたと報道されていましたが、法廷では異なる供述をしました。

判決は16日に
  13日は被告に対する求刑と弁護側の弁論が行われて法廷での審理を終え、16日に判決が言い渡される予定です。

    ◎上記事は[NHK NEWS WEB]からの転載・引用です


「娘は絶望して自殺した」 元農水次官はなぜ息子を殺害したのか? 法廷で明かされた家族の苦悩
 Live News it!    カテゴリ:国内    2019年12月12日 木曜 午後7:27  

•息子を殺害した農水省の元事務次官・熊沢英昭被告(76)の被告人質問が行われた
•娘の自殺に妻への暴力・仕事上のトラブルも…英一郎さん(44)さんを巡る苦悩
•「本当に殺されると思った」殺害を決意させた同居後の生活とは 

娘の自殺に家庭内暴力…英一郎さんを巡る苦悩
 2019年6月、東京・練馬区の自宅で、農林水産省の元事務次官・熊沢英昭被告(76)が、長男の英一郎さん(44)の首などを包丁で刺し、殺害した事件。
 裁判で明らかになってきたのは、家族を巻き込んだ壮絶な歩みだった。 その一つが、英一郎さんによる母親への家庭内暴力。
熊沢被告の妻: 肋骨にヒビが入ったり、顔に青あざ、鉛筆の芯を思い切り手に突き刺したりもありました。
 さらに…
熊沢被告の妻: 兄(英一郎さん)の関係(原因)で、縁談があっても全部消えた。(娘は)それで絶望して自殺しました。
 娘の自殺や妻への暴力。追い詰められた元エリート官僚の熊沢被告はその時、何を思ったのか。 裁判2日目に熊沢被告の口から語られたのは、父親としての苦悩だった。

ブログに上司の悪口「包丁で刺す」と言う息子を説得
 12月12日午後1時過ぎから行われた、熊沢被告への被告人質問。 大学の頃から1人暮らしをしていた英一郎さんとのやり取りを聞かれると…
熊沢英昭被告: 月に1回はアパートに薬や生活費を届けたり、ごみの片付けをしました。一緒にファミレスで食事をするなどして、コミュニケーションを図りました。
 熊沢被告は、英一郎さんが大学を中退すると就職先探しに奔走したという。
熊沢英昭被告: 時期が就職氷河期で。本人はアニメ系がいいといくつか受けましたが、ダメでした。
 最終的に義理の兄が勤める病院に就職させたというが…
熊沢英昭被告: 残念ながら勤務状況が悪いと感じました。ブログで上司の悪口を書いていました。迷惑をかけると心を痛めていました。お礼を言って引き取りますと言わざるを得なかったんです。
 しかし、英一郎さんは退職に納得がいかず、ある行動に出たという。
熊沢英昭被告: 医師から連絡がありました。「英一郎さんが『明日、社会的事件を起こす。上司を包丁で刺す』と言っている」と。おさめなきゃと思ってアパートまで駆けつけました。時間をかけて説得しました。
ーー(英一郎さんが)納得してからはどうでしたか?
熊沢英昭被告: カバンから包丁を取り出して、台所に置きました。事件を起こさなくて良かったと思いました。

「殺すぞと強い声で…」同居から殺害までの経緯も明らかに
 一度は1人暮らしをしていた英一郎さんだが、その生活はゲーム中心。2019年5月からは再び実家で暮らし始めたが、同居を始めた2日目…
熊沢英昭被告: 「ごみを捨てろと言いやがって」と言って襲われました。髪をつかまれてサイドテーブルのところまで引きずられました。必死に逃げました。でも玄関まで追いかけられて、ドアやコンクリートにたたきつけられました。
ーーその間、何か英一郎さんが言っていましたか?
熊沢英昭被告: 「殺してやる」と叫び続けていました。
 それから6日後、英一郎さんは隣の小学校で行われていた運動会の音に腹を立てていたという。
熊沢英昭被告: 目が合うと、形相が暴行の日を思い出す形相でした。「殺すぞ」と強い声で言われました。私は本当に殺されると思いました。
 そして...
熊沢英昭被告: 無意識に包丁を取りに行きました。そのまま小走りで息子に向かいました。そのまま息子の胸あたりを刺しました。
 熊沢被告は殺されるという恐怖心から、抵抗する英一郎さんの胸や首を何度も刺し続けたと説明した。 
 12日の裁判には、発達障害だった英一郎さんの主治医も出廷した。
英一郎さんの主治医: 熊沢被告は息子の面倒を大変よく見ていました。主治医の私に連絡をくれれば良かったと思います。そこで可能性を検討して、しかるべく対処法をお知らせできたと思います。
 (Live News it! 12月12日放送分より)

 ◎上記事は[FNN PRIME]からの転載・引用です ◎キャスター、解説委員などのコメントは省略しました(=来栖)


妻涙声で「刑を軽くしてください」元次官息子刺殺
  [2019年12月11日23時8分]
 東京都練馬区の自宅で長男熊沢英一郎さん(当時44)を刺殺したとして、殺人罪に問われた元農林水産事務次官熊沢英昭被告(76)の裁判員裁判の初公判が11日、東京地裁(中山大行裁判長)で開かれた。被告は「間違いありません」と起訴内容を認めた。検察側は長男の家庭内暴力から殺害に至ったと指摘。妻宛てに書いた「これしか他に方法はないと思います」と長男殺害をほのめかしていた手紙も読み上げられた。
 熊沢被告は黒いスーツに青色のネクタイ姿で出廷。罪状認否ははっきり応じたが、やつれた様子だった。
 冒頭陳述によると、長男は中学時代にいじめを受け、母親に家庭内暴力を振るった。大学進学後は1人暮らしを始めたが、事件1週間前に実家に戻った。1人暮らししていた家のゴミをめぐり立腹し、被告に暴力を振るった。被告は長男を恐れ、妻と2階の寝室にこもった。検察側は事件直前、被告がインターネットで「殺人罪」や「量刑」を何度も検索した履歴があったとし、計画性を主張した。凶器の包丁は農水省の治水事業の記念品だった。
 弁護側は長男が統合失調症やアスペルガー症候群と診断されていたと明かし「長年、必死で長男を支えていたが、暴行を受けて殺されると思い、とっさにやむを得ず刺してしまった」と主張した。
 検察側は被告が事件前、原稿用紙に書いた妻宛ての手紙を読み上げた。「これしか他に方法はないと思います。死に場所を探します。見つかったら散骨してください。英一郎も散骨してください」。
 証人尋問では弁護側証人として被告の妻が長男が中学2年~大学時代の7年間にわたり家庭内暴力を受けたと証言。被告が長男が住む家のゴミ出しをしたり、持病の薬を届けていたが、事件1週間前、被告が長男から激しい暴行を受けた。「(息子は)『殺すぞ』以外は言葉を発しなかった。本当に殺されると思いました」。
 妻は、長男の妹は兄が原因で縁談が破談となり、数年前に自殺したと証言。妻も昨年12月に自殺を試みたが未遂だった。事件前に自殺未遂について被告に伝えると、原稿用紙の手紙を渡された。「長男のことを本当に一生懸命やってくれた。刑を軽くしてください。お願いします」。被告はギュッと目をつぶっていたが、妻が涙声で減刑を訴えると、思わず顔を伏せた。
 事件後、被告が川崎市の私立カリタス小の児童ら20人殺傷事件に触れ「事件を知り、長男が人に危害を加えるかもしれないと思った」と供述したと報じられたが、公判では言及はなかった。【近藤由美子】

◆元農水次官息子刺殺事件
 6月1日午後3時15分ごろ、熊沢被告は自宅で英一郎さんの首などを包丁で多数回突き刺し、失血死させた。英一郎さんは、いじめをきっかけに中学2年から不登校となり、家庭内暴力を始めた。10年以上前に実家を出たが、5月下旬から再び同居すると暴力が再開。熊沢被告は5月26日ごろ、妻に英一郎さんへの殺意を打ち明けていた。
◆8050問題
 高齢の親が無収入の引きこもり中高年の面倒を見続ける中、親が要介護者となったり、経済的に苦しくなるなどの社会的問題。「8050」は双方の年代を意味し、大阪府豊中市社会福祉協議会福祉推進室長の勝部麗子氏が名付けた。

 ◎上記事は[日刊スポーツ]からの転載・引用です


元農水事務次官・熊沢英昭被告、刺殺した長男思い涙「つらい人生を送らせてしまった」 第2回公判
 2019年12月13日 6時0分スポーツ報知
     東京都練馬区の自宅で44歳の長男を刺殺したとして殺人罪に問われた元農林水産事務次官・熊沢英昭被告(76)の第2回公判が12日、東京地裁(中山大行裁判長)で開かれ、被告人質問が行われた。熊沢被告は「もう一度同じ状況になったらどうするか」と問われると、「(刺殺する以外の)他の行動は取れないと思います」と述べ、長男の言動に追い詰められた末の犯行だったことを改めて明かした。同時に、「もっと早く、周囲に相談していれば…」と後悔の念も口にした。
 「最初に胸のあたりを刺しました。次に首を刺しました。息子はあおむけに倒れましたが動いていたので、その後も3~4回刺しました」。事件について聞く弁護側の問いに、淡々と説明した熊沢被告。その行為の裏には、「長男からもう逃げられない」という強迫観念があったことを明かした。
 独り暮らしをしていた長男が実家に帰って来た翌日の5月26日、ゴミをため込んでいたことを指摘した熊沢被告は、「殺してやる」と襲いかかってきた長男に手足の打撲などのけがを負わされた。それ以降、長男に対し「体が震えるほどの恐怖を感じるようになった」。事件当日、リビングで顔を合わせた長男の「殺すぞ」という言葉に、身の危険を感じたという。
 「前(26日)に殺されかけていたので、逃げる選択肢はありませんでした。反射的に包丁を取りに行って小走りでリビングに戻り、両手で刺しました」。相手は自分の息子であっても、躊躇(ちゅうちょ)なく刃を突き出した。その行為について事件後に「殺さずに済んだのか?」と何度も考えたが、現在も答えは変わっていないという。「その瞬間は無意識に体が動いてしまった。今考えても、他の行動は取れないと思います」と悩んだ末に答えた。
 その一方で、“解決法”があったことも認めた。「最初の暴力の時に、息子の(精神疾患の)主治医や知人などに相談しなかった。そこが一番後悔しています」。早めの対処を取らなかったことで最悪の結末を招いてしまったことに、「私としては寄り添って生きてきたつもりだったが、大変つらい人生を送らせてしまった。かわいそうに思っています。取り返しのつかないことをしてしまいました」と嗚咽(おえつ)しながら絞り出すように語った。

 ◎上記事は[スポーツ報知]からの転載・引用です


元農水次官、起訴内容認める 長男殺害「間違いない」 初公判 2019/12/11 
長男「うるせえぶっ殺す」運動会の音に  元事務次官.熊沢英昭容疑者「川崎のような事件を起こしたら…」 2019/6/3

  

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