安倍政権の「埋め立て申請」で一気に動いた基地統合計画 / 新合意で「普天間」移設実現を

2013-04-06 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法/歴史認識〉

日米交渉の裏舞台 安倍政権の「埋め立て申請」で一気に動いた基地統合計画
産経新聞2013.4.6 07:38
 日米両政府が5日合意した沖縄県の米軍嘉手納基地以南の施設・区域の統合計画は、昨年末の民主党政権時代には発表できる段階にあった。だが、日米関係筋によると、米政府が民主党政権の「本気度」をいぶかり、早期発表に難色を示し封印された。一気に事態が動いたきっかけは、安倍晋三政権が3月22日、米軍普天間飛行場の移設先となる辺野古の埋め立て承認申請に踏み切ったことだった。
 「最も効果的なタイミングで発表したい」
 米側の交渉担当者は昨年11月頃、こう言って、計画の早期発表に待ったをかけた。日米外交筋は「(その頃)返還計画をまとめることはできた」と明かすが、当時、政権交代の可能性が取り沙汰され、埋め立て申請の実現は不透明になっていた。米側にすれば、負担軽減策としてアピールできる統合計画を“無駄撃ち”したくなかった。
 安倍政権発足後は、昨年末に日米が大筋合意していた統合計画に返還時期を明記させることに全力を挙げた。日本側は「返還時期を示さなければ沖縄県は跡地利用計画を作ることもできない」と求めたが、米側は普天間の返還時期をほごにされた経験があるだけに慎重姿勢を崩さなかった。
 しかし、日米首脳が2月に普天間の早期移設を確認、日本政府が埋め立て申請を1週間前倒しで行ったことで、日米の歯車がかみ合い始めた。
 「負担軽減のため、嘉手納以南の返還をスケジュールを含めて明示できるよう米側と交渉していきたい」
 首相が3月24日、視察先の福島県で述べたのを受け、菅義偉官房長官が交渉担当者に「妥協するな」と指示。返還年度に「またはその後」を付ける形にはなったが、米側は返還時期の明示を受け入れた。(岡田浩明、杉本康士) 
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米軍施設返還 沖縄の抑止機能を守れ 新合意で「普天間」移設実現を
産経新聞2013.4.6 03:11 [主張]
 また一歩、米軍普天間飛行場の移設問題で前進が図られた。
 普天間の返還時期と嘉手納基地以南の米軍5施設・区域の返還計画をめぐり、日米両政府が具体的な時期などで合意したことだ。
 普天間の名護市辺野古への移設を加速するだけでなく、沖縄県の負担軽減にもつながる意義のある決定といえる。
 政府と県には、これを弾みとして普天間問題への一層の進展を求めたい。
 あらためて考えなければならないのは、尖閣諸島への攻勢をかけ続ける中国、核・ミサイル開発で暴走する北朝鮮から日本を守る上で、沖縄の安全保障上の意義がいっそう高まっていることだ。
 ≪首相は強い信念を貫け≫
 日米の抑止力の拠点が機能しなければ、日本の平和と安全は確保されないからだ。そのためには米軍再編を円滑に進めなければならない。
 安倍晋三首相は「普天間の固定化は断固あってはならない」と繰り返してきた。
 辺野古への移設が決着せず、返還時期が不透明となって「固定化」への懸念が出ていたなかで、「2022年度またはその後」という時期を明示できたことは成果だった。首相は合意について、「日米の信頼の絆がゆらいでいないことを示せた」と語った。
 嘉手納基地以南の施設返還は、仲井真弘多知事や地元が強く要求していたものだ。返還の実現によって将来、商業施設建設などの地域活性化が期待できる。米軍基地が集中する沖縄の負担軽減の重要な一環といえよう。
 首相は辺野古移設に向け就任1カ月と少しで沖縄を訪問した。
 民主党政権が誕生した際、鳩山由紀夫首相(当時)が訪沖したのは就任8カ月後だった。
 安倍内閣の対応は、それに比べるとはるかに迅速だ。今後も沖縄振興策への手当てなど可能な限りの支援を行い、粘り強く受け入れの説得をしてほしい。
 首相にとっても、普天間問題をめぐる今の状況を解きほぐす作業は容易ではない。新たな施設返還をめぐる合意は、県民の理解を得ることによって、知事が埋め立て申請を容認しやすい環境をつくる意味合いも大きい。
 何よりも、首相が辺野古移設の実現に向けた強い信念を維持することが大事だ。政府の腰が定まらなければ地元も決断できまい。
 政府はすでに、辺野古沿岸部の公有水面の埋め立て申請を県に提出している。許可権限を持つ仲井真知事は、辺野古移設への反対論の広がりから「県外移設の方が早い」との見解を示している。
 鳩山元首相が県外移設を掲げた揚げ句、その実現を断念する無責任な対応をとったため、日米関係は悪化し、普天間問題は迷走した。辺野古案を容認しにくい立場にある仲井真知事もこの際、沖縄の戦略的重要性などを考慮して、大局的見地に立って国と覚悟を共有してほしい。
 ≪論外な沖縄領有権主張≫
 菅義偉官房長官が3日に沖縄を訪問した際、自民党沖縄県連の幹部から「参院選では県外移設を掲げたい」との考えを伝えられた。政権与党としての一貫性を欠いており、一刻も早く解決しなければならない。
 沖縄の重要性を考えるうえで看過できない問題は、中国側で尖閣にとどまらず沖縄の領有権に関する言及が相次いでいることだ。
 民主党の山口壮元外務副大臣は3月の国会質問で、昨年8月に中国の傅瑩(ふえい)外務次官と会談した際、沖縄本島を含む琉球諸島について中国の領有権を主張する発言があったことを示唆した。
 中国の学者、軍人らの主張の中に戦後の沖縄返還には根拠がないといったものがあったが、中国外交当局の高官が日本の主権を認めないなら重大問題である。
 中国側が沖縄の戦略的な重要性を認識しているともいえるが、日本として抑止力の要となる沖縄自体を守り抜く努力をさらに重ねなければならない。
 今回の合意をもってしても、沖縄側がなお辺野古への移設に反対だとなれば、米軍は身動きがとれなくなり、むしろ普天間の固定化が進むだろう。
 住宅密集地にある普天間の危険性を取り除くことはできず、沖縄にとっても不幸であることを、知事や県民もあらためて考えてもらいたい。
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沖縄の米軍施設 返還計画公表 / 返還計画を策定 2013-04-05 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法〉 
  私もリスクを取るのだから、返還のスケジュールを明らかにしてもらわないと困る . . . 本文を読む
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