「だーいたいやねー」
オレコが竹村健一じみてきたのでやめなさいといいながら、思い出した。
昔こどものころ、日曜の朝はきまって題名のない音楽会を見たのだったが、
そのほかにも必ず見ていた番組があったじゃあーりませんかー(意味もわからず)。
時事放談がそれだ。覚えているよ、めがねでぎょろめの細川隆元(りゅうげん)さん。
もちろん自分の意思で見ていたわけではない。
政治について語ることは殆どないが、父はいつも固い番組ばかり見ていた。
日曜は父にテレビチャンネル主導現があるため、こどもたちも自然、父の見るものを見るようになる。
時事放談、竹村健一、題名のない音楽会、野球あるいは相撲。
こどもにはわかりっこないという人もいるがそれは違う。
特に時事放談や竹村健一の「だいたいやねー」の番組は大好きで、
時折やりあう大人たちの意見の矛盾や愚かしい点などを子供ながらも感じていたのだ。
題名のない音楽会にしてやられたと思ったのは、
当時の未来で今の過去にあたる時期、音楽出版社に勤めていた自分に気がついたときである。
会社のクラシック全タイトルは殆ど子供の頃に聴いたことがあって、なぜ音楽を志したか納得であった。
話題がそれた。
人口の割合は大人が多い現在のはずなのに、今では日曜の朝にあんなかっちりした番組をやることはない。
せいぜい関口宏がかすっても痛くない嫌味をいう程度である。
いつも決めてかかる細川隆元のことは好きではなかったが、あのくらい濃厚で熟成した大人が出る番組が今必要なんじゃないの?
朝まで生テレビなんて、白熱してなきゃいけないみたいな番組だし、
じっくり対談で見せる、考えさえるていう番組がやっていてもいいと思うんだがね~。
細川隆元さんもすごい貫禄だったが、上坂冬子さんも(好きじゃないが)貫禄たっぷりであった。
長いものには巻かれない、柳に風ともならない、物申す方々は、もう殆どが鬼籍の人だ。
ああいう年寄りがいたほうが、健全な気がするなあ。
年寄りは物分りが悪くてちょうどいいよ。
その頑固さが國を救うこともあろうってもんだ。
若者の道しるべとなることもあろうってもんだ。
なあ、細川隆元さん。