秋の朝は、日の出が綺麗だ。ジジが自転車を漕ぎだす頃、東の空が明るくなって日の出の位置がハッキリしてくる。ジジより若干年上のジジ様が、同じ頃、杖を突きながら散歩をしている。このジジ様、ガードレールに杖を立て掛け、自分も凭れ掛りながら日の出に向かって手を合わせているのを見るのがこの季節だ。ジジも走りながら、心の中で手を合わせる。今日も同じ風景を見ながら、堤防に上った。日の出寸前から太陽が顔を出すまでパチリパチリ・・・。あまりに晴天だったので、日の出以降に撮ったものは全部ハレーション。色レンズでも嵌めなきゃダメなのか。暫く走ると、雲間から、仏像の後光のような光が洩れて、北斎の版画の世界が広がってきた。此方もパチリパチリ。「空ニ景」を撮りながら、ジジ様の毎日手を合わせる気持ちが分る気がする。先日、NHKで女性登山家の田部井さんが奥穂の頂上で日の出を拝みながら涙を流す映像を見た。真昼の太陽では手を合わせたり、涙を流したりしないのに、不思議だ。
走行データ D:25.25 T:1.20.46 A:18.7 M:33.2 O:27477


走行データ D:25.25 T:1.20.46 A:18.7 M:33.2 O:27477

