ちょっとした旅行をしても、ジジババの気ままや、気まぐれで出掛けることが多くて、近頃では昔みたいに、知り合いに大見得を切ってお土産を買ってくることも無くなった。買ってくるといえば、自分達が楽しめる小物や食べ物少々というところだろう。今朝、ババがご飯に振り掛けて見てはと、食卓に出してきたのは、先日行った舘山寺の古い佃煮屋さんで買って来たコウナゴより更に小さな魚の佃煮だった。二人で食べたら1・2回でなくなってしまいそうな量がパックに入っていた。言われるままに、熱いご飯の上に乗せて1口食べてみたら、これが、一瞬にして、子供の頃の味を思い起こさせるものだった。昔は、海岸近くの小さな佃煮屋の自家製の佃煮を売っていた。あの味だ。「う~ん、懐かしい」。ババとそう言いながら食べた。あの舘山寺の佃煮屋さん、良くぞあの味を守り通したもんだ。意味もなくチョッと嬉しい気持ちになった。