角灯と砂時計 

その手に持つのは、角灯(ランタン)か、砂時計か。
第9番アルカナ「隠者」の、その俗世を生きる知恵を、私にも。

#147 他人がとやかく言うことではないけれど・・・

2016-06-12 06:50:57 | 原子力の光と影と
〈放射性ヨウ素による周辺住民の甲状腺被曝線量(等価線量)について、影響を受けやすい1歳児でも最大66ミリシーベルトで、ほとんどが50ミリシーベルトを大きく下回ったとする推計を発表した。将来、事故による被曝を原因とする「がん患者の増加は考えられない」とした〉

3年前、3面に載った記事です。


(産経新聞H25-6/2大阪6版)

2013年当時、
日本のマスメディアが大好きな「国連(科学委員会)」での話なのに、
えらい地味な扱いだったことを覚えています。

批判する意見ならネット上で結構ありましたが・・・

ちなみに、
この件について国連科学委員会は、
(なにしろ国連は巨大官僚組織なので)2014年の4月になってようやく、

〈福島原発事故の結果として生じた放射線被ばくにより、今後がんや遺伝性疾患の発生率に識別できるような変化はなく、出生時異常の増加もない〉

と予測する報告書を出しました。

(国際連合広報センター:福島での被ばくによるがんの増加は予想されない
 →http://www.unic.or.jp/news_press/info/7775/

これもまた、マスではえらい地味な扱いでした。
やはり、批判する意見ならネット上で結構ありましたが・・・

思うに、

福島第一原発の被災事故にともなう放射性物質の拡散、
住民の長期にわたる避難生活は、

官邸の不手際でここまで大きくなってしまったものであり、
現場の頑張りによってどうにかここまでで収まったものでもあります。

福島をフクシマたらしめているのは、
そうであった方が都合の良い人達です。

きちんとした説明が大前提ではありますが、

その土地にとどまるのか、
一旦避難し後に帰還するのか、
いっそ移住するのか、

本当は、実際に其処にいる人々の意思だけが大切で、
周りがとやかく言うことではなかったはずなんです。

多分に政治化してしまった「避難指示地域」ですが、それでも、解除されていきます。

政府を引き継ぎ、手続きを踏み、世論と向き合いながら、
少しずつ方向を変えていく。

「民主主義制度」っていうのは実にもどかしいなあと思いますが、
ともかく「前進」には違いないでしょう。

意思ある人々の後押しができればなあと思います。


(産経新聞6/12大阪6版)





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