(宮腰内閣府特命担当大臣)
ワタクシ、正直なところ「ふ〜ん」くらいにしか思いませんでした。ちょっと前のことになりますが、子連れ出勤奨励政策についてです。
けれども、例えば「アンケートでは8割反対」とかいう話を見聞きしたりすると、ついつい生来の天の邪鬼根性が蠢いたりしまして。
1位.保育園を拡充するなど他にやるべきことがある。(28%)
2位.仕事にならない。(18%)
3位.子どもにとって環境がよくない。(12%)
4位.職場で周囲に迷惑がかかる。(10%)
といったところが、その理由らしいんですが・・・
2位から4位に関しては、はっきり言ってどれも主観に過ぎませんよね。仕事しないよりマシだし、子供自身の感じ方次第だし、職場がそれで良いならって話だし。
ただ、1位に関しては一応もっともらしい気配はします。とは言え、「他にやるべきことがある」なんて、何にでも効く膏薬みたいなもんでして、要は少子化対策としての「費用対効果」ですよね。同じお金を掛けた時に、保育園の拡充と子連れ出勤奨励と、どちらがより即時性やら継続性やら、あるいは子育てに関する社会通念上の波及効果が大きいのか、その辺も考慮しないと。ま、どっちにしても、ワタクシごときには判りませんが。
そうそう、同じアンケートで「あなたの周囲で子連れ出勤を認めている職場はありますか」と問われた答えが、
「わからない」22.8%
「ある」15.2%
「ない」62%
だったそうで、つまり8割以上の方が実態を知らないのに見て来たように答えてるってことになりますね。思わず笑ってしまいます。
ということで、今回は早めの結論。というかワタクシの立ち位置。
子連れで構わないという会社があって、子連れで働きたいという社員がいて、互いにそれで納得しているのだから良いではないですか。社内で上手に折り合いつけてるんですから、傍からとやかく言うのやめましょうよ。です。
もちろん、子連れ出勤を政府が積極的に奨励し金を出すというところには、違和感がないこともないし、そこが批判の大きな理由でもあるんでしょうけど、ただね、それを言うなら、可能な限り保育園を増やし預けられるようにする、というのだって、そういう生き方を(それだけを)政府が奨励していることになるわけで、それはどうなんだって話です。
ちなみにですが、
(ウチの)奥様も、この件に関しては、どちらかと言えば政府に批判的です。曰く「仕事も育児もナメてる」だそうで。
いやいや、そうは仰っしゃいますが、たいていの方々は子連れで家事をしているわけで、これ、別に「家事も育児もナメてる」わけではないですよね。どちらも大変な「お仕事」なんですから。ついでに言うと、日本でも、ほんの少し前(?)まで、子連れで田んぼや畑に出るのだって普通でしたよ。だいたい、一般家庭において、仕事(というか職場・会社)が、家庭(子育ての場)と完全に切り離されたのなんて、ついこないだのこと、100年にも満たないわけですから。要は慣れだと思います。
最後に、それこそ主観的意見。
どうもこのテの話になると「(実際、そんな大層なモノじゃないんだけど)仕事するってのは厳しいものなんだ」という人(主に男性)と、「(実際、心身ともに大変なんですが)育児はそんなに簡単じゃないわよ」という(主に女性)が一緒になって社会正義の炎を燃やしたりして、ちょっと恐い感じになるんですが、単に「自分はそうして生きてきた、そうとしか生きられなかった、それを否定するのか」という思いに駆られているだけのような気もします。
本当のところ「そんな素敵な会社があるなら自分も働きたい」「そういう働き方ができるなら素敵だけどさ」という叶わぬ願いを隠し持ってたりするんじゃないでしょうか。少数派の「上手くやってる人達」が持ち上げられるのは、多数派として何となく癪に障るというか・・・
つまり、羨ましいんですよ。
で、もうひとつ、ちなみにですが、
種々ディスカッション(?)した後の(ウチの)奥様の発言、「でも、やっぱり何かヤダ」。
う〜ん、ま、それはそれで仕方ない。のかな?
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冒頭画像は、内閣府のサイトから。宮腰内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策、消費者及び食品安全、少子化対策、海洋政策)。
→https://www.cao.go.jp/minister/1810_m_miyakoshi/index.html
こちら、その大臣による記者会見。
〈こうした中で、今週15日に視察させていただいた「NPO法人子連れスタイル推進協会」で最も印象的だったのは、仕事「と」子育てを別々のものとして両立を図るのではなく、仕事「も」子育て「も」同時に両立させ、生き生きと働かれているスタッフの皆様の姿でありました。
「子連れ」で働くことができる環境が、優秀な人材確保という企業の経営戦略の観点からも、また、性別を問わず、さらには子育て中のスタッフだけではなくて、周りのスタッフにとっても、大きなメリットがあるということを実感いたしました〉
*内閣府:宮腰内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成31年1月18日
→https://www.cao.go.jp/minister/1810_m_miyakoshi/kaiken/2019/0118kaiken.html
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ワタクシの記事本文中、例としてあげたアンケートはこちらの記事から。
〈反対理由としてもっとも多かったのは、保育園を整備するなど「他にやるべきことがある」という、政策への違和感だった。一方、賛成派からは「社会で子育てするなど意識が変わる」という、前向きな意見も〉
*BUSINESS INSIDER JAPAN:なぜ突然の子連れ出勤推奨政策、アンケートでは8割反対。背景には人手不足という現実
→https://www.businessinsider.jp/post-183940
そして、上の記事中で紹介されている会社のブログ。
〈男性社長自ら子連れ出勤を実践し、創業以来、男女いずれも子連れ出勤社員のいる会社もある。2005年に創業した、東京・千駄ヶ谷のソウ・エクスペリエンスは「モノではなく体験を贈る」ギフト事業の会社。約70人の社員のうち、「常時子連れ」社員は5人、代表の西村琢さん含む「時々子連れ」社員が9人という〉
*SOW EXPERIENCE BLOG:「子連れ出勤」に関心を寄せてくださっているみなさまへ
→http://blog.sowxp.co.jp/company/553
あと、いささか古い記事ですが、参考までに。
〈今回フジテレビの取材に応じたのは、きちんと制度化に向けて取り組んでいる姿を伝えたかったためだと担当者は話す。これまでの状況や、制度の導入に取り組む背景などをフジテレビ側には説明したというが、実際に放送されたのは「悪意を感じる編集」になった映像だった〉
*huffingtonpost:「子連れ出勤」ってアリ? フジテレビに取材された企業「悪意を感じる編集」【UPDATE】
→https://www.huffingtonpost.jp/2015/06/16/work-with-child-office_n_7599770.html
で、この記事でも引用されてますが、取材に応じた会社のブログがこちら。
〈さすがフジのとくダネ!だけあって、多くの反響をいただいたので、ちゃんと説明させていただきたいと思いブログにしました。放映するなら、きちんとこちらの意図を伝えて欲しいですね。テレビの編集の怖さというか、番組のストーリーのために作為的に作り上げられるということが本当にあるんだなあ、と。身を持って感じました。積極的に「子連れ出勤」を導入したいと思っているのに、逆に僕らが困っているかのようなシーンばかり取り上げられてしまって。「うんちに行きたい」と子供が言いだすことが、さも迷惑なように取り上げられたり、レゴの音が社員の集中力を削いでいるような編集になっていたり。全然そんなことないですから。そういうシーンばかり繋げられて、「子連れ出勤」という取り組み導入のハードルがめちゃくちゃ高そうに見えてしまう構成になっていたのは、本当に残念でした。もっともっと良いシーンや楽しいシーンがいっぱいあったはずなんですよ。子供と話すのだって、今詰めて仕事している社員にとっては、よい息抜きにもなっていたのに。迷惑ばっかりかけているようなそんな伝え方フェアじゃないですよね〉
*R-BLOGS:拝啓 小倉様(子連れ出勤の件)
→http://r-blogs.jp/author/r-asai/1322/
でも、お書きになっている内容が本当におっしゃる通りだと思って思わずコメントしました。
まさに日本の現状は「少数派の「上手くやってる人達」が持ち上げられるのは、多数派として何となく癪に障る」に尽きると思います。
日本は横並びを重視するので、多数派の基準に合わないと、引きずり降ろそうという考えが根強いと感じます。
私は今米国で暮らしているのですが、こちらの視点は自分よりも上層にあり、成功している人を見たら「僕・私もいつかこういう風になりたい!だから頑張ろう」という上昇志向なんですよね。羨ましいという気持ちを”自分が上に動こう”というドライブで昇華していると思います。それがアメリカ社会の原動力になっていると。
一方、日本は自分基準で物事を考え、成功者を自分基準に持って行きたいというボトム志向だと思います。(もっと言えば成功者=ズルをした人と考えている人が多いのかもしれません。)。
「羨ましい」という気持ちは人を動かす原動力ですが、良い方向に自分を動かす原動力として活用したいものですね。
仰るとおり、例えば米国映画なんか観てると、日米の国民気質の違いみたいなものは確かに感じますね。上昇志向/ボトム志向もすですが、あと、この件に関して言えば、人と違うこと/同じことに重きを置く、といったところも関係あるのかなあ、なんて思っています。