北の隠れ家

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伊豆の踊子   「 第二部 」     HP「kazemata劇場 第2幕」より

2009年08月31日 15時15分15秒 | 小説

抜けるような夏の青空のもと、吾朗は伊豆急下田駅に降り立った。
二か月半ほど前にきた、寝姿山の麓にある桃木家の道を、確かこの道だったなぁと想いだしながら。。。。

 

そうだ、この家だ!おもわず心の中で歓声をあげていた吾朗であった。懐かしい家であった。「ごめんくださ~い」「はぁ~い」。。。。。懐かしい声が聞こえた。その夜はつつましくも、ささやかな歓迎会を開いてくれたのだった

二階は12畳間であったろうか、否、それ以上の広い畳間である。そこに一人貸切状態で三週間もの長い間、寝起きした吾朗であった。
翌日、小学六年生の息子・一郎君に案内されてバスに乗って、砂が白一色に埋もれている白浜海岸へ。ちょうど、その海岸の近くに桃木家の親戚の家があり、そのお宅で水泳着に着替えさせてもらい、目の前の真っ青な海に走っていった二人であった。まるで、歳の離れた兄弟のように。

 

海は穏やか、最高の海水浴日和りである。
次第に、海水浴客も増えだし、これぞ夏の海といった光景である。泳いでは休み、休んでは泳いだ二人であった。吾朗がかつて知っている海水浴の海とは、まったく異なっていた伊豆の海である。白い砂、これは吾朗が初めてしった砂浜であった。ほんとうに、夢のようなすばらしい海水浴場である。

赤く日焼けして、桃木家に戻ってきた二人、否、赤く日焼けしていたのは吾朗だけ、一郎君はすでにもうクロンボのようにまっ黒に焼けていた。帰宅して、冷えた西瓜を御馳走になり、夜には以前にお邪魔したときに連れていってもらった、掘立小屋の温泉へ。なんともはや、こんな贅沢な、かつて経験したことのない夏休みを吾朗は過ごしていくのであった。

 

時々はあの田舎道で、声を掛け、母親にささやいてくれた吾朗にとっては救いの女神・陽子も一緒に、海に出掛けた。なんでも、将来はスチワーデスになるのが夢だと語っていた彼女であった。
学校では一・二番の成績を収める優秀な子であった。その娘が、高校を出てから進学もせずに本当にスチワーデスになるとは、露とも思わなかった吾朗である。まるで三人兄弟のように、楽しい毎日を過ごした、吾朗にとっては最高の思い出になる夏休みであった。

 

吾朗が滞在した間に、台風が襲来したことがあった。その時は強風で、ご主人は雨戸を閉め、風雨に備えていたのを覚えている吾朗である。それまでは、台風直撃の経験をしたことのなかった吾朗にその様子は、珍しくも映った。すごい雨風の一夜が明け、翌朝は文字通りの台風一過の青空であった。

 

そんなこんなで、楽しい日々もあっという間に過ぎ去っていった三週間であった。もう、家族の一員にでもなったような吾朗の気持であっただけに、別れがまた格別なものであった。来年もまた、おいで!と、温かい言葉を背になごり惜しくも、伊豆下田を後にした吾朗であった。

                          つづく。。。。。。。。


伊豆の踊子   「 第一部 」     HP「kazemata劇場 第2幕」より

2009年08月30日 17時40分50秒 | 小説

或る日或る時、突然の一本の電話のベルが鳴った。
その電話は、すぐる昔々の出来事を吾朗に思い出させるものであった。

吾朗と後輩の二人は、GWを利用して伊豆の下田へ、ぶらり旅に来ていた。

一泊の予定で来てた二人、GWであったのをすっかり忘れていたのだった。泊まる宿は勿論、ホテルも予約客で満員で、全部門前払いであた。しかし、間の抜けた二人である。GWに、目玉観光地の下田の宿・ホテルが空いているはずがないということを考えつかなかったのであろうか?若い若い二人ゆえ、それも致し方がなかったであろうか。

伊豆急下田駅の目の前にそびえたつ寝姿山の麓の砂利道をとぼとぼと、二人はあてもなく、歩いていた。 前方から、中学生くらいの娘さんと、その母親らしき女性が歩いてきた。吾朗は躊躇なく声を掛けたのだった。

 「自分たちは東京から、GWを利用してこちらへ観光方々訪れて来た者ですが、GWであったことをうっかり忘れておりまして、宿の予約をしておりませんでしたために、どこも予約客で満員で泊まることが出来ません。どこか、泊まれるようなところをご存じないでしょうか。」

 「そうですね~、時期が時期ですからもう、どこも満員でございましょうね~」

そういう母親に、傍らにいた中学生の娘さんがなにか母親に耳打ちをしていた。

 「良かったら、狭いうちですけど、うちの二階が空いておりますので、お泊りになっていかれませんか?」

 「ええっ?ほんとうですか。本当によろしいのですか?」

そんな訳で、二人はすっかりお邪魔させていただくことになったのであった。お大師様と近所から呼ばれているおばあちゃん・ご主人・奥さん・娘さん・息子さんの五人家族のうちであった。

吾朗はすっかり、お大師様のおばあちゃんに気に入れられ、可愛いがられた。たった一夜ではあったが。その夜は、ご主人に連れられて、その地区での共同浴場へ連れていってもらった二人であった。
共同浴場といっても、畑の真ん中にある掘立小屋の温泉である。すっかり、その湯で、旅の疲れをとることが出来た二人であった。

 

一夜明け、帰京した吾朗は、さっそくお礼状をしたため投函した。そのうち、予想もしていなかった便りが吾朗のもとへ届いたのだった。差出人は、下田の奥さんからであった。「良かったら、夏休みにでもどうぞお出でください。」との内容であった。

吾朗はさっそく、その手紙を持って、同じ郷土の学生寮にいる後輩のところへ。良かったら、夏休みに行かないかとの誘いに。残念ながら、後輩は夏休みは予定が既に入っており、行くことができないとのこと。その旨を記し、自分一人でもかまわないかと返信。まもなく、その返事が届いた。内容は「O・K」とのことであった。

 

夏休みの前半、池袋の西武デパートの裏仕事のアルバイトで、滞在費を捻出した吾朗は、夏の或る日、伊豆急下田「踊り子号」の車中の人となっていたのだった。

                              つづく。。。。。。。。。。。。。。
     


初秋

2009年08月29日 17時27分46秒 | 花&庭

 

まだ満開とはなっていない ホウセンカ群生地

白・紫・ピンク・紅色の 咲きだしてきた

まだこれから咲いてくるのがあるのだが

果たして 何色の花であろうか

 

 

この黄色い花の名が いまだもってわからない

宿根草であるのは わかっているのだが

咲いては散り 散っては咲いている

 

 

春に咲いた花だが 二度咲きの紫おきな草

このふわふわとした 綿のようなのが珍しい

白髪の顎髭から 名前がついたのでは

 

          

           


秋風

2009年08月28日 13時49分42秒 | 花&庭

 

紅のホウセンカの合間に 白い清楚なホウセンカ
ピンクのも 咲きだしてきている
これらの花が 咲き誇ると 秋の到来なり

短い北の大地の夏も  過ぎ去って早や秋風が
一雨ごとに 夏が遠く去り 秋が忍んで寄ってくる

 

 

マーヤもかなり 辛抱強く咲いている
ガウラ サマープリーズも 頑張って咲いている
同じ花の科のようだ 姉妹のように似ている花ゆえ
 

北の大地の夏も短いが  秋もまた短かい
あっという間に 白いものがちらちらと

天から舞い降りてくる またもや 雪世界が目前なり


ダリヤ繚乱

2009年08月20日 21時14分08秒 | 花&庭

今夜は 「隠れ家」での画像の一つの問題が解決しましたんで
ええっ? どんな問題があったんだって?


それはここでのサムネイルが 横に並べて置くことが出来ないんで
つまり 「隠れ家」でのサムネイルは 少し大きいサイズだったんで

それで なんとか小さい画像を並べて しかもそれをクリックすると
拡大画像に出来ないものかと  以前から想っていたんで

それが ようやく解決出来たってぇことでござんす

      

kazemataガーデンは 今 春先に庭へ芋状球根を戻した
「ダリヤ」が 開花

まだ 咲いていないのが 二本ありますんで
どんな 花の色だったか 一年もするとすっかり忘れておりやす

いつも 特大画像ばかり載せておりやすんで 
たまには 可愛いのをと思いやして いかがでござんすかな

画像をクリックして 拡大画像を見てくだされ
なんだかんだと 悪戦苦闘して どうにか出来るようになったもんで


久々の雀軍団

2009年08月19日 23時02分56秒 | 

 

これは画像のスライドを試みたのであったが

思惑とは まったくちがったものになるなり

 

まず 画像ップ出来る拡張子ではなかったこと

それに加えて この作業したプログラムは

画像のスライドを動画化したものであったということ

これも 一つの経験・勉強なりと  吾を慰める 


お盆

2009年08月15日 11時35分50秒 | ブログ

女王のニャンコ

 

今朝は屋根を打ち付ける雨音で 目覚めるなり

その雨も いつのまにか止み 今は日が射してきている

昨夜は 10時前には就寝していた

この数日 雨が続き 庭の雑草抜きも出来ずに

甲子園の高校野球 ラジオを耳にしながら

読書三昧 最近は読むのが遅くなってきた吾なり

 

今日は かみさんの父君の墓参り

おいらのとこは 富士の裾野なれど 墓参したくとも

かなわず 彼の地に向かいて 祈り捧げる


再び夏空

2009年08月14日 12時12分18秒 | 花&庭

三日降りに 夏の空が戻ってきた

暑い日差し これぞ夏の日差しなり やはり夏は青空がよく似合う

春先に室内種蒔きをし 6月初めに庭へ定植した

大輪金魚草が 開花し出した これがその一番花なり

今年も早や お盆を迎えている

なんと 月日の流れの速いことか 改めて身に沁みるなり

つい先日 雪が解け 春がめぐってきたばかりのように思える

それがもう 夏も盛りを過ぎようとしている

北の大地の夏は 少し短すぎる 秋・冬が長すぎる

ニャンコ団子


マリンゴールド

2009年08月13日 12時27分16秒 | 花&庭

春先に室内種蒔きをした マリンゴールドがようやく開花

背丈の高いのと 低いマリンゴールドを種蒔きして育てた

定植した6月初めの頃は ひ弱で大丈夫だろうかと

心配していたが こんなに立派にさいてくれるとは

かなりの蕾が まだまだこれから開花してくる

昨年は定植後 開花までに至らなかったので

今年の開花は 何とも言えぬ喜びを感じるなり

こんなに大きくなるものとは知らず あまり間隔を置かなかったが

来年は  十分な間隔を置いて定植をしなければ

お気に入りの場所


ホウセンカ

2009年08月11日 13時19分13秒 | 花&庭

春先に室内種蒔きをし  6月初めに庭へ定植をした

ホウセンカが ようやく咲き出したなり

室内種蒔きをしたホウセンカは 背丈が伸びすぎ

果たして開花までもつかと 心配していたが

こぼれ種が その減少した分をカバーするなり

こぼれ種の生命力の強さ やはり室内種蒔きをしたのとは

雲泥の違いの強さを 見せつけてくれた

これから どんどん咲き誇り群生地化していくことであろう

これは昨年秋に植えておいた ビオラ・ソロリアの宿根草なり

この花も予想外に強く 春先に比べるとかなり大きく拡がっているなり

一年草だとばかり 思っていた花が多年草だと知ったとき

なんとも 嬉しい気持ちに襲われるなり

踏み台


夏の盛り

2009年08月10日 14時05分01秒 | 花&庭

こうして見ると やはり夏の花の女王の威厳が感じられる

今年は鉄砲百合と その座を争ったが

来年は 女王の座を奪還する気配がする

春先に 室内種蒔きをして育てていた

マリンゴールドが ようやく開花しだした

昨年は 定植後開花まで至らなかったので

今年は どうにか成功させたかったのだが

その夢も 果たすことが出来たなり

ノコギリソウ・ジャコウアオイ・マリンゴールド

大輪のマリンゴールドを 一部今年は室内種蒔きで

試みてみたが まさかこんな背丈があるとは

ダリヤも このほかにもあるのだが

このポイントからは これくらいである

ホウセンカが ちらほら咲き出してきているなり