ふと、昔
私が高校生の頃
父が昔録音したカセットテープを見つけた時の事を思い出しました。
沢山のカセットテープの中には
私たちの為に沢山録音してくれたアニメの歌や、
時々録音中に喋ってしまった兄や私の声。
父の私たちを喜ばせる為に言った声。
兄の歌
私の声
そんな宝物のようなテープを見つけ
勉強しながらこっそり聞いては
フフって笑ってあたたかい気持ちになったことがありました。
また、父が若い頃好きだった歌のコレクションも見つけ
歌謡曲の魅力にこっそり浸ったこともあります。
その歌の中で特に気に入っていたのが
かぐや姫 の 『22歳の別れ』です。
当時私は高校生だったので、歌詞の意味があまり分からず
曲調やなんとなくわかる歌詞の部分だけを心地よく聞いていました。
🎼あなたに さよならって言えるのは
今日だけ…
明日になって また あなたの暖かい手に
触れたらきっと 言えなくなってしまう
そんな
気がして…
こんな歌い出しに、大人になったような気分と恋愛への憧れを抱いていたのかもしれません。
今、何故ふと思ったのか…
母は父と別れていた方が幸せだったかもしれないと
思うことが多いからだと思います。
病院から退院して今日で4日目。
また今朝も意識を失い倒れたらしいです。
朝、実家にいくと
父は布団の上でぐったりと寝転び
母も別室でぐったりと寝転んでいました。
あの太陽のように元気で明るい母が…。
父は私の顔を見て
「もう、この体はあかんわ」と力なげに言いました。
母は何だか怒っている感じがしたので
きっと父から暴言を吐かれたんだと感づきました。
父も自分の体が辛くて嫌で、
その気持ちが母に向いたんだろうと想像します。
私たち兄弟の為に、
若い頃母は父と別れなかった
大人になってからは
母に
「お父さんと別れてもいいんだよ」と
何回か声をかけたことがあります。
「いや、私が選んだ道やから、仕方ないから最後まで面倒みるわ」
なんて言っていました。
最近知った事ですが、
母は
お父さんが母と別れたら
お父さんは弱い人間だから自殺したり
自暴自棄になって何するかわからないと
だから別れずに居てると
知りました。
見捨てることの出来ない
なんとなく可哀想なところがある父なんだと母は考えているようです。
私も…そう思います。
今回の入院中
母と沢山散歩をしました。
父と出会った街を通ると母が言いました。
「ここの喫茶店でよくお父さんがコーヒー飲んでたわ」
「ここのビルの下でお父さんがラーメン食べてたわ」
なんて。
そりゃ、恋愛結婚でしたから
若い頃はいい所もあったんでしょう。
少しホッとした気持ちになりました。
人生をそいとげるというのは
好きだった気持ち
見捨てることができない気持ち
ここまできたら最後までと
色んな気持ちで乗り越えていくのかもしれません。
父の今の状況も、ただあるがままに
私たちが慣れていき
その生活の中で
いい時 悪い時を受け入れながら
流れに身を任せていくのかもしれません。
母の力に
私はなりたいです。