待ち合わせは21時に横浜の倉庫街。
よく薬や拳銃の取引で使われているイメージがあるけれど
やっぱり私も似たようなもので、とある倉庫へと、向かっていた。
足音がならないように、スニーカーで行くべきかもしれないが
私のポリシーとして赤いハイヒールを履いている。
カツ、カツ、やけに響く音が私1人だと認識させるけれど
本当は影に誰かが潜んでいるのを、夜の空気が教えてくれる。
月は満月にやや欠けている。これから満月になるかもしれないし
もっと欠けていくのかもしれない。それはわからないけれど
月夜の夜は私の仕事をやりやすくしてくれるだろう。
ありがたい、そう思いながら現場へ向かい弾をこめる。
今日は私の大切な人を奪った、あの男がやってくる。
そう知っていたが、それは罠だとも理解していた。
~中略~
たくさんの敵に囲まれて、私もここで終わるのだな。
せめてあいつは道連れにしてやりたかった・・・。
命の終わりを感じた刹那、そのトラックは現れた。
本来なら私が撃たれるべき弾を一身に浴びて。
・・・という訳で、あのトラックはボロボロなんだと思うよ。