こんにちは、
活字が無いと生きていけない私のベッドサイドには、常時2-3百冊の文庫本が
積み上げてあります。
ただのずぼらと言われれば否定のしようがありませんけど(笑)
さてさて、先日、この文庫本のタワーの中から懐かしい、星新一さんの本が転
がり出てきました。
題名は、「ご依頼の件」
懐かしさの余り、時を忘れて読みふけってしまいました。
いやー、面白い。
中学生の頃に読んだ、「ぼっこちゃん」などと比べると、作者の晩年(たぶん)
の作品は、ほんのちょっとブラック・ユーモアも入っていて大人向け?で味わ
い深いですね~~。
星さんの小説は、もちろんSF(サイエンス・フィクション)なんですが、時代背
景を感じさせない描写も見もの、もとい、読みもの?なんです。
たとえば、今読める近未来SF小説の中に
「電話のダイアルを回した」
「レコードをかけた」
なんていう描写があるだけで、SF小説としては陳腐ですよね。
星さんは、こういった執筆当時にごく普通だった時事風俗や器械をそのまま
小説に取り入れることを巧みに回避して、ショート・ショートの名作の数々
を作り上げています。
未来がどう変わるか、それは誰にも分かりません。
ですが、未来を見渡すことができることを、星さんは教えてくれています。