美しく作るための花いっぱい作戦ブログ

美しく作るまちを目指し花いっぱい運動の予定や活動報告を掲載します。文化・芸術・音楽・歴史を絡めた活動も報告します。

最近話題のツイッター(*^_^*) (市役所職員全員ツイート作戦)

2011-04-17 00:36:50 | ツイッター

前回の武雄市のツイッター導入の続きですが、やっぱり、公務員はトップダウンでツイートするしくみがあれば、体質がぐんと変わってくると思います。

なかなか難しいかも知れませんが、職員の意識がきっと外に向き、一人一人に自覚が生まれると思います。

今回は、導入後の職員の意見です。是非読んでみてください。なるほどと思えますよ

 

 「全職員にツイッターのアカウントを配布した」2011年3月2日


市役所には、様々な部署がある。市民へ伝えることを多く持つ部署と、そうではない部署がある。ツイートしやすい環境と、そうでない環境がある。2010年9月にアカウントを一斉配布された佐賀県武雄市の事務系職員約390名は、最初、誰もが戸惑った。そこで一歩踏み出して、ツイッターを通じてお互いを知り、自分を知ったことで、楽しく、そして市民のためになる仕事に取り組んでいる職員がいる。

 武雄市には、営業部がある。その営業部の観光課と、ロケなどの誘致を行う佐賀のがばいばあちゃん課で、大野貴宏さん( @tko_t_oono )は働いている。発信情報の多い部署に所属していることもあって、大野さんのつぶやきの数は、全職員の中でもかなり目立つ。
「以前は、インターネットを使って情報発信をしようとすると、担当部署に依頼する必要があり、発信にタイムラグが生じることもありました。ツイッター、特にスマートフォンを使うようになってからは、お祭りの会場から『佐賀牛が売り切れました』などとつぶやけるようになり、便利さを実感しています」

 情報収集にもツイッターを活用し、市内外の街作りグループや観光協会などの取り組みを参考にしている。


しかし、大野さんは、最初からツイッターを使いこなしていたわけではない。10年8月の日本ツイッター学会設立記念シンポジウムでは会場運営を担当。「話を聞いている余裕はなく、その日はツイッターの使い方をよく理解できませんでした」という。

 利用開始は、職員にアカウントが配布された9月1日。「つぶやかないとまずいかな」と第一声を発した。消極的だったのは、公務中にサイトを開いてつぶやくことに抵抗があったからだ。実名を出していることも気になっていた。
「プライベートなことには触れず、公務員としてこれはどうなのかと迷う私的なことは書かないようにしていました」


実名への抵抗はすぐになくなった

 ところが、実名への抵抗はすぐになくなる。
「フォローをしてくれた方が『大野さんには以前、仕事でお世話になりました』とメッセージをくれたからです。一公務員と一市民ではなく、大野とその○○さんというつながりが嬉しく、また、長く関係を続けるには、名前を出した方がいいんだと気付きました」

 封印していたプライベートな話もつぶやくようになり、プロフィール欄では、3人の愛娘のことを主に綴っているブログへのリンクも設けた。
「子育て中の父親同士の交流もできますし、公務員も普通の人と思ってもらう方がいいだろうと。実際に、普通の人ですから(笑)」

 今、自分なりのルールはひとつ。「アルコールが入っているときは、スマートフォンに触らないこと」だ。

 当初は「公務員だから」と発言に蓋をする方向に考えていた大野さんだが、「公務員だから」積極的に発言した方がいいと考えている。
「公務員は世間から、税金で養われているのだから頑張って働いて当たり前と思われています。一方で、民間ほどは、頑張った成果が報酬や地位に結びつく仕組みは整っていません。でも、自分の出方次第で、市民から『あなたが公務員で良かった』と言ってもらうことはできるんです。だから、できるだけ多くの公務員にツイッターを使ってもらい、自分みたいに感じて欲しいです」

 まちづくり部下水道課事業係で工事を担当する上田哲也さん( @tko_t_ueda )は、アカウントを配布される前から、個人でツイッターを使っていた。知人から「してみらんね」と誘われたからだ。「自分のつぶやきなんて、いったい誰が読むんだろう」と思いながらのスタートだった。マンホールをアイコンにした職場のアカウントでも、主に個人的なことをつぶやいている。

 というのも、発信したいこと、するべきことを多く持つ観光担当の大野さんと比べると、工事担当の上田さんは、市民に知らせなくてはならない情報はほとんど持っていないからだ。つぶやきは、業務命令ではない。つぶやかなくてもいいのだが、使いやすいこと、楽しいこと、人とのつながりを感じられるところに魅力を覚え、続けている。


つぶやきを読むことでつながりを

「つぶやくのは、今日はこんなことがあった、とかですね。読む方も人間なので、気持ちが沈むようなことを書くよりは、楽しいことを書くほうがいいですね。と言っても、つぶやくとしても多くて日に2、3回。どちらかというと読んでいることの方が多いです」

 他の職員の「今日はこんなことがあった」というつぶやきは、上田さんに、存在を近くに感じさせている。
「基本的に自分のいる職場のことしか知らないので、ツイートを見ると、他の職場ではどういう仕事をしているか分かって、いろいろ頑張っているんだなということが伝わってきます」

 上田さんの所属するまちづくり部は、本庁舎とは少し離れた別棟にある。普段は、他の部の仕事ぶりをなかなか見ることができない。その物理的な距離を、ツイッターのタイムラインが埋めている。

 特に用途による使いわけをしていないため、最近は、個人のアカウントより、職場のアカウントを使うことが増えている。今も「自分のつぶやきなんて、いったい誰が読むんだろう」という思いはあって「予想もしていなかった数の人からフォローされて、何でなのか」と感じている。
「でも、嬉しいです。ツイッターで得る物は大きいし、職員同士の関係も良くなります。まあ、楽しく、軽い気持ちでやるのがいいと思います」

 上田さんのアカウントのプロフィール欄には「楽しく、おもしろく、がんばります。よろしくお願いします」と書かれている。


こども部食育課の福田史子さん( @tko_f_fukuda )は、管理栄養士。病院勤務を12年間経験し、2010年度に今の部署に異動してきた。

 辞令発令時の当時の食育に対する印象は「うさんくさいというか…」。イメージアップを図るため、実態が伴っていないのに、聞こえの良い言葉を掲げているだけなのでは、と思っていたのだ。


しかし、仕事を始め、武雄市の食育は子どもとその親に対して欠かせない教育であると認識し、単なるブームで終わらせたくないという気持ちが強くなってからは、かつての自分のような人を含むより多くの人たちに、市の提案する食育を正しく理解して欲しいと考えるようになった。

 ツイッターの運用開始が知らされたのはその頃。第一報を聞いたとき、福田さんは「危険だ」と感じたという。そもそも、名前を出してのツイッターをするつもりは全くなかった。それでも始めたのは「市長がああやって決めたからです。あれがなかったら、今もやっていません」


市長との距離がぐっと縮まった

 始めた以上は、食育とは何なのか、そして3名からなる食育課は何をしているのかを広く知ってもらおうと、徹底的に活用している。つぶやきの数は職員の中では多い方。ただし、慎重な姿勢には変わりが無く「文字に残るので用心深くやっています」という。いったんつぶやいたものでも、チェックした上司から指摘されたり、自分でも不適切だと思ったりしたら、その発言は消すようにしている。

 異動してきたばかりの頃、福田さんには、市庁舎内に知り合いが少なく、一歩、食育課の外へ出ると、顔と名前が一致しない職員ばかりが眼に入った。しかし、ツイッターを始めてからは、別のフロアの別の部の職員からも、声をかけられるようになった。積極的な発言により食育課の存在と活動が知られていくのと同時に、福田さんのことも知られるようになったのだ。なかでも福田さんが一番驚いたのは、市長の樋渡さんとの距離がぐっと縮まったこと。
「小学校の食育の授業の参考に、市長の昨日の食事の内容を教えてもらえたらいいなと、あまり期待をせずダイレクトメッセージを送ったら、電話がかかってきて『市長室まで来て下さい』と」

 ツイッターという、気軽に話しかけられて、かつ、返事を強制しないツールがなければ、市長に何を食べたか聞くという発想は、福田さんは生まれなかった。
「それまで、市長に会うには、秘書係を通してアポを取る必要があると思っていましたから」

 全国に先んじて職員を挙げてツイッターを始めたことで、市長や職員が取材を受ける機会が増えた。これも、福田さんの眼には、武雄市の食育を広めるチャンスに映る。だからといって、ツイッターを、ガチガチなビジネスツールとも捉えていない。
「ときどき、例えば出汁についてのお国自慢のようなやりとりがあって、そういうのも、面白いですね」

 武雄市の390人の職員がアカウントを持ってから約4カ月が過ぎた時点で、一度でもつぶやいた職員は、全体の55%。一度もつぶやいたことのない職員も、半数近くいることになる。

つぶやかない理由は「つぶやくことがない」「タイミングが難しい」「業務上、それから道徳上、言ってはいけないことをつぶやいてしまったときのことを考えると怖い」など。 つぶやき経験者も考えていることは様々で、ある職員によれば「最近は、頻繁につぶやく人と、パタッと止めた人とに分かれている」そう。実際に「最近はちょっと」とか「続けようとは思っているんですが」という人もいた。

 ただ、それを後ろ向きにとらえる人ばかりではない。「それぞれ役割があるから、つぶやかない人がいてもいい。何人かが、市民から見たアイコンになればいいのでは」「自分ではつぶやいていないけど、所属部署でのツイッターでの情報発信は、もう、十分にできている」という人も。


「つぶやく人=仕事をする人」

 市長の樋渡さんも、そのあたりには理解を示している。
「誰かが誰かの代わりにつぶやいていることもありますから『つぶやかない人=仕事ができない人』とは思っていません。『つぶやく人=仕事ができる人』とも、実は思っていません。ただ『つぶやく人=仕事をする人』であることは、確かです。僕は以前から、市庁舎の中をふらふらすることが多く、職員のことを良く知っているつもりでいました。でも、ツイッターによって、ずいぶんと傲慢だったなと思い知らされました。僕の知らなかった『仕事をする人』が、たくさん見つかりましたから」

 ちなみに、樋渡さんや職員のつぶやきをチェックしない職員はほとんどいない。“ツイッター以前”に比べ、格段に市庁舎内の情報共有が進んでいる。

 「ツイッターを使っている職員は考え方が柔軟になっています。市役所の中の雰囲気が変わり始めた。それをステップにしなければ、フェイスブックの導入には踏み切れなかったと思います」と樋渡さんは言う。つまり、ツイッターで耕した畑にフェイスブックの種をまいたようなものだ。

 では、市民は、こうした市役所の変化をどうとらえているのか。

 次回は、市民の中に芽生えた変化を見ていく


最近話題のツイッター(*^_^*) (市役所職員全員ツイート作戦)

2011-04-17 00:22:20 | ツイッター

前回の武雄市のツイッター導入の続きですが、やっぱり、公務員はトップダウンでツイートするしくみがあれば、体質がぐんと変わってくると思います。

なかなか難しいかも知れませんが、職員の意識がきっと外に向き、一人一人に自覚が生まれると思います。

今回は、導入後の職員の意見です。是非読んでみてください。なるほどと思えますよ

 

 「全職員にツイッターのアカウントを配布した」2011年3月2日


市役所には、様々な部署がある。市民へ伝えることを多く持つ部署と、そうではない部署がある。ツイートしやすい環境と、そうでない環境がある。2010年9月にアカウントを一斉配布された佐賀県武雄市の事務系職員約390名は、最初、誰もが戸惑った。そこで一歩踏み出して、ツイッターを通じてお互いを知り、自分を知ったことで、楽しく、そして市民のためになる仕事に取り組んでいる職員がいる。

 武雄市には、営業部がある。その営業部の観光課と、ロケなどの誘致を行う佐賀のがばいばあちゃん課で、大野貴宏さん( @tko_t_oono )は働いている。発信情報の多い部署に所属していることもあって、大野さんのつぶやきの数は、全職員の中でもかなり目立つ。
「以前は、インターネットを使って情報発信をしようとすると、担当部署に依頼する必要があり、発信にタイムラグが生じることもありました。ツイッター、特にスマートフォンを使うようになってからは、お祭りの会場から『佐賀牛が売り切れました』などとつぶやけるようになり、便利さを実感しています」

 情報収集にもツイッターを活用し、市内外の街作りグループや観光協会などの取り組みを参考にしている。


しかし、大野さんは、最初からツイッターを使いこなしていたわけではない。10年8月の日本ツイッター学会設立記念シンポジウムでは会場運営を担当。「話を聞いている余裕はなく、その日はツイッターの使い方をよく理解できませんでした」という。

 利用開始は、職員にアカウントが配布された9月1日。「つぶやかないとまずいかな」と第一声を発した。消極的だったのは、公務中にサイトを開いてつぶやくことに抵抗があったからだ。実名を出していることも気になっていた。
「プライベートなことには触れず、公務員としてこれはどうなのかと迷う私的なことは書かないようにしていました」


実名への抵抗はすぐになくなった

 ところが、実名への抵抗はすぐになくなる。
「フォローをしてくれた方が『大野さんには以前、仕事でお世話になりました』とメッセージをくれたからです。一公務員と一市民ではなく、大野とその○○さんというつながりが嬉しく、また、長く関係を続けるには、名前を出した方がいいんだと気付きました」

 封印していたプライベートな話もつぶやくようになり、プロフィール欄では、3人の愛娘のことを主に綴っているブログへのリンクも設けた。
「子育て中の父親同士の交流もできますし、公務員も普通の人と思ってもらう方がいいだろうと。実際に、普通の人ですから(笑)」

 今、自分なりのルールはひとつ。「アルコールが入っているときは、スマートフォンに触らないこと」だ。

 当初は「公務員だから」と発言に蓋をする方向に考えていた大野さんだが、「公務員だから」積極的に発言した方がいいと考えている。
「公務員は世間から、税金で養われているのだから頑張って働いて当たり前と思われています。一方で、民間ほどは、頑張った成果が報酬や地位に結びつく仕組みは整っていません。でも、自分の出方次第で、市民から『あなたが公務員で良かった』と言ってもらうことはできるんです。だから、できるだけ多くの公務員にツイッターを使ってもらい、自分みたいに感じて欲しいです」

 まちづくり部下水道課事業係で工事を担当する上田哲也さん( @tko_t_ueda )は、アカウントを配布される前から、個人でツイッターを使っていた。知人から「してみらんね」と誘われたからだ。「自分のつぶやきなんて、いったい誰が読むんだろう」と思いながらのスタートだった。マンホールをアイコンにした職場のアカウントでも、主に個人的なことをつぶやいている。

 というのも、発信したいこと、するべきことを多く持つ観光担当の大野さんと比べると、工事担当の上田さんは、市民に知らせなくてはならない情報はほとんど持っていないからだ。つぶやきは、業務命令ではない。つぶやかなくてもいいのだが、使いやすいこと、楽しいこと、人とのつながりを感じられるところに魅力を覚え、続けている。


つぶやきを読むことでつながりを

「つぶやくのは、今日はこんなことがあった、とかですね。読む方も人間なので、気持ちが沈むようなことを書くよりは、楽しいことを書くほうがいいですね。と言っても、つぶやくとしても多くて日に2、3回。どちらかというと読んでいることの方が多いです」

 他の職員の「今日はこんなことがあった」というつぶやきは、上田さんに、存在を近くに感じさせている。
「基本的に自分のいる職場のことしか知らないので、ツイートを見ると、他の職場ではどういう仕事をしているか分かって、いろいろ頑張っているんだなということが伝わってきます」

 上田さんの所属するまちづくり部は、本庁舎とは少し離れた別棟にある。普段は、他の部の仕事ぶりをなかなか見ることができない。その物理的な距離を、ツイッターのタイムラインが埋めている。

 特に用途による使いわけをしていないため、最近は、個人のアカウントより、職場のアカウントを使うことが増えている。今も「自分のつぶやきなんて、いったい誰が読むんだろう」という思いはあって「予想もしていなかった数の人からフォローされて、何でなのか」と感じている。
「でも、嬉しいです。ツイッターで得る物は大きいし、職員同士の関係も良くなります。まあ、楽しく、軽い気持ちでやるのがいいと思います」

 上田さんのアカウントのプロフィール欄には「楽しく、おもしろく、がんばります。よろしくお願いします」と書かれている。


こども部食育課の福田史子さん( @tko_f_fukuda )は、管理栄養士。病院勤務を12年間経験し、2010年度に今の部署に異動してきた。

 辞令発令時の当時の食育に対する印象は「うさんくさいというか…」。イメージアップを図るため、実態が伴っていないのに、聞こえの良い言葉を掲げているだけなのでは、と思っていたのだ。


しかし、仕事を始め、武雄市の食育は子どもとその親に対して欠かせない教育であると認識し、単なるブームで終わらせたくないという気持ちが強くなってからは、かつての自分のような人を含むより多くの人たちに、市の提案する食育を正しく理解して欲しいと考えるようになった。

 ツイッターの運用開始が知らされたのはその頃。第一報を聞いたとき、福田さんは「危険だ」と感じたという。そもそも、名前を出してのツイッターをするつもりは全くなかった。それでも始めたのは「市長がああやって決めたからです。あれがなかったら、今もやっていません」


市長との距離がぐっと縮まった

 始めた以上は、食育とは何なのか、そして3名からなる食育課は何をしているのかを広く知ってもらおうと、徹底的に活用している。つぶやきの数は職員の中では多い方。ただし、慎重な姿勢には変わりが無く「文字に残るので用心深くやっています」という。いったんつぶやいたものでも、チェックした上司から指摘されたり、自分でも不適切だと思ったりしたら、その発言は消すようにしている。

 異動してきたばかりの頃、福田さんには、市庁舎内に知り合いが少なく、一歩、食育課の外へ出ると、顔と名前が一致しない職員ばかりが眼に入った。しかし、ツイッターを始めてからは、別のフロアの別の部の職員からも、声をかけられるようになった。積極的な発言により食育課の存在と活動が知られていくのと同時に、福田さんのことも知られるようになったのだ。なかでも福田さんが一番驚いたのは、市長の樋渡さんとの距離がぐっと縮まったこと。
「小学校の食育の授業の参考に、市長の昨日の食事の内容を教えてもらえたらいいなと、あまり期待をせずダイレクトメッセージを送ったら、電話がかかってきて『市長室まで来て下さい』と」

 ツイッターという、気軽に話しかけられて、かつ、返事を強制しないツールがなければ、市長に何を食べたか聞くという発想は、福田さんは生まれなかった。
「それまで、市長に会うには、秘書係を通してアポを取る必要があると思っていましたから」

 全国に先んじて職員を挙げてツイッターを始めたことで、市長や職員が取材を受ける機会が増えた。これも、福田さんの眼には、武雄市の食育を広めるチャンスに映る。だからといって、ツイッターを、ガチガチなビジネスツールとも捉えていない。
「ときどき、例えば出汁についてのお国自慢のようなやりとりがあって、そういうのも、面白いですね」

 武雄市の390人の職員がアカウントを持ってから約4カ月が過ぎた時点で、一度でもつぶやいた職員は、全体の55%。一度もつぶやいたことのない職員も、半数近くいることになる。

つぶやかない理由は「つぶやくことがない」「タイミングが難しい」「業務上、それから道徳上、言ってはいけないことをつぶやいてしまったときのことを考えると怖い」など。 つぶやき経験者も考えていることは様々で、ある職員によれば「最近は、頻繁につぶやく人と、パタッと止めた人とに分かれている」そう。実際に「最近はちょっと」とか「続けようとは思っているんですが」という人もいた。

 ただ、それを後ろ向きにとらえる人ばかりではない。「それぞれ役割があるから、つぶやかない人がいてもいい。何人かが、市民から見たアイコンになればいいのでは」「自分ではつぶやいていないけど、所属部署でのツイッターでの情報発信は、もう、十分にできている」という人も。


「つぶやく人=仕事をする人」

 市長の樋渡さんも、そのあたりには理解を示している。
「誰かが誰かの代わりにつぶやいていることもありますから『つぶやかない人=仕事ができない人』とは思っていません。『つぶやく人=仕事ができる人』とも、実は思っていません。ただ『つぶやく人=仕事をする人』であることは、確かです。僕は以前から、市庁舎の中をふらふらすることが多く、職員のことを良く知っているつもりでいました。でも、ツイッターによって、ずいぶんと傲慢だったなと思い知らされました。僕の知らなかった『仕事をする人』が、たくさん見つかりましたから」

 ちなみに、樋渡さんや職員のつぶやきをチェックしない職員はほとんどいない。“ツイッター以前”に比べ、格段に市庁舎内の情報共有が進んでいる。

 「ツイッターを使っている職員は考え方が柔軟になっています。市役所の中の雰囲気が変わり始めた。それをステップにしなければ、フェイスブックの導入には踏み切れなかったと思います」と樋渡さんは言う。つまり、ツイッターで耕した畑にフェイスブックの種をまいたようなものだ。

 では、市民は、こうした市役所の変化をどうとらえているのか。

 次回は、市民の中に芽生えた変化を見ていく